一般質問

12月10日
岡村精二議員:一般質問全文

(自由民主党)

自由民主党、宇部市選挙区の岡村精二です。

さて今年の7月、私は『手紙でつむぐ親子のきずな』という手紙を題材にした本を出版させて頂きました。

私は昭和59年以来、25年間、青少年教育活動として4泊5日の子ども自然体験キャンプや、ヨットを使った洋上スクールなどに取り組んできました。

その体験学習では、親子や家族の絆を深めるため、両親や家族からの手紙を活用した研修を取り入れています。

キャンプでは3日目の夜、親からの手紙が届けられます。手紙には、子どもが生まれたときの様子や、名前の由来、子どもにかける期待などが書かれています。

初めて手紙を活用した研修を行ったのは、大型ヨット5隻に中学3年生25名を載せて、宇部から関門海峡を抜け、角島、見島、青海島を回って再び宇部にもどってくる4泊5日のクルージングを行ったときでした。

3日目の夜、青海島の通漁港の岸壁で、あらかじめ保護者の方からお預かりした手紙を薄暗い外灯の下で手渡しました。

受け取った瞬間から、ほとんどの子どもたちが目に涙を浮かべ、思い思いの場所で読みました。

すすり泣く女の子や、声を出して泣く男の子の姿に、私は感動のあまり、全身に鳥肌が立ちました。

今の子どもたちは、けっして無感動ではありません。

「手紙による研修は、子どもたちのこれからの人生に大きな勇気を与えるに違いない」「絶対に中途半端な気持ちで行っていけない」という確信と責任を強く感じました。

中学2年生のある男の子の感想文をご紹介します。

『ぼくはこんな奴なのに母は手紙を書いてくれた。ぼくに「様」と言う言葉を使ってきたのは生まれて初めてだ。おそらく最初で最後のことだろう。岡村先生も言っていた。「この手紙は親からもらった最初で最後だ」ぼくは感動した。

だけど、母からの手紙は先生には失礼ですけど、先生の言葉より百倍くらい、この世にない喜びだ。この手紙は一生の宝物にしたい。お父さん、お母さんありがとうございます』

この感想文の中で「母からの手紙は先生の言葉より百倍くらい、この世にない喜びだ。」と書いています。親の手紙は、何よりも子どもたちの心に大きな感動と勇気を与えます。

今まで約7千名の子どもたちを対象に手紙を活用した研修を行ってきましたが、手紙が届かなかった子どもは一人もいませんでした。

子どもたちは、手紙を通して「自分にとって、親とは何なのか」「どのような生き方をしなければならないのか」ということを学んでいます。

携帯電話やインターネットが普及し、便利な反面、親子の絆が薄らいでいます。

手紙の素晴らしさは、10分間手紙を書けば、10分間、相手のことを思っているということです。「思いやり」という言葉がありますが、思いを送るという意味でも、お手紙は素晴らしいものだと思います。

皆様も、ぜひお子様や愛する奥様に宛てた、手紙を書いてみては如何でしょうか。

それでは通告に従い、一般質問をさせて頂きます。

まず、教育問題について、
青少年健全育成条例の改正、特に有害図書の規制について、お尋ねいたします。

平成18年、青少年の健全な育成を害するおそれのある環境から青少年を保護するため、山口県は「青少年健全育成条例」の一部を改正しました。

深夜における営業用個室への立入制限や深夜外出に関する規制の強化を行い、特に有害図書の規制については、罰則規定まで設けた、日本一厳しいものとなりました。

条例改正を強く要望した議員として、厚くお礼申し上げます。

しかしながら、その規制レベルは欧米に比べれば、非常に低く、コンビニでは区分陳列が行われているにもかかわらず、相変わらず、ヌード写真が掲載された週刊誌が、子ども向の雑誌と一緒に販売されているのが実情です。

ヌード写真が掲載されている週刊誌を堂々と、書店やコンビニで販売している国は、日本だけです。海外のコンビニでは、すべてビニールカバーをして販売しています。外国人に言わせると、日本のコンビニはポルノショップだそうです。

ポルノ雑誌やテレビも過激ですが、インターネットはもっと過激です。完全無修正のポルノ画像はもちろんですが、性交シーンの動画まで、配信されています。

ブラジルで開かれた「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」では日本はインターネットの先進国でありながら、児童ポルノを個人がパソコンにダウ ンロードするなどして所有する「所持」を容認した法律を見直しておらず、マンガやアニメなどのバーチャルな性的搾取の画像も規制していない状態であること が問題視されました。

中学生、高校生になると、自宅で、自分専用のパソコンを持っている子どもたちも多いようです。

学校での使用と違い、自由に使えるパソコンから、多くの性情報のみならず、有害サイトからの情報を得ることができます。

性犯罪も低年齢化が進んでおり、この状況を許し、知る必要のない性情報を、幼い子どもたちに教えてしまう、我々、大人の責任を強く感じます。

雑誌の規制もできない国に、インターネットの規制などできるはずもありません。

本来なら、店頭に並ぶ、過激なポルノ雑誌や、ヌード写真を掲載した週刊誌は、すべてビニールカバーをさせるための条例を全国に先駆けて、山口県で制定して頂きたいと、強く願っています。

子どもたちの健全育成のためであり、思想や表現の自由、報道の自由の侵害など問題外だと思います。

さて、そのような中にあって、山口県は有害図書については日本一厳しい規制を行いました。しかし、未だにその成果をコンビニや書店で見ることができません。

有害図書類の区分陳列の具体的基準については、施行規則第3条の2に定められており、その1つに「包装などをして、棚に置き、有害図書類と有害図書類以外の図書類との間に、図書類の手前に10センチメートル以上張り出すように仕切りの板を設けること」と規定されています。

「図書類の手前に10センチメートル以上張り出すように仕切りの板を設ける」という意味は、「図書類を置く棚から10センチメートル以上離し、垂直 に天井まで張り出した仕切り板を設ける」ということで、担当課と私の間で共通認識ができており、「山口県青少年健全育成条例のしおり」にもその図が掲載さ れました。

ところが、本年度6月議会で私が議場に配布した資料に、あるコンビニの陳列状況を示す写真を掲載し「条例どおりの指導がされていない」と指摘したと ころ、新しく変わった担当職員から「これは条例違反ではありません。私たちは条例どおりの指導をしています」との説明を受けました。

「山口県青少年健全育成条例のしおり」に掲載された図とは、まったく違う右の図で、コンビニや書店に指導されていました。

まず、いつ、どのような理由で、右の図に変更されたのか、ご所見をお伺いいたします。
また、区分陳列については、勧告に従わなかった場合、知事はその勧告に従うよう命令することができ、命令に違反したときは30万円以下の罰金または科料と いう罰則規定まで設けた日本一厳しい内容です。私は「図書類の手前に10センチメートル以上張り出すように仕切りの板を設ける」という項を、あっさり削除 すれば、もっと厳しい条例になります。子どもを有害情報から守るという大儀さえしっかりしていれば、どんな改正もできるはずです。

施行規則の文章が、不具合であれば、早急に修正し、当初示した図のとおりの指導をコンビニや書店に行って頂きたいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
次に、全国の小学6年生と中学3年生を対象にした全国学力・学習状況調査についてお尋ねします。

2回目となる今回、山口県は国語と算数・数学のA問題とB問題の計8分野のすべてで、正答率が下がるという不名誉な結果になりました。

藤井教育長は「結果を厳しく受け止める」といわれていますが、大切な税金を投入してテストをしたからには、それを分析し、改善に生かすことは県民に対する責任だと思われます。

また、藤井教育長は「学力向上の取組みを加速する」ともコメントされています。例えば、全国学力テストで2年連続好成績を上げた福井県では、県民に 調査結果を報告し、さらなる学習改善や学習意欲の向上に繋げる具体的な方策を提示しており、今年もその改訂版をいち早く出しています。

福井県学力向上推進委員会が作成し、表題には「総合的な学力をつけるために」と書かれ、学力ばかりではなく、生活習慣の大切さを記載しています。

山口県では、前年の結果を受け、県内の小学校50校に教員免許を持つ学力向上等支援員を派遣、児童の個別指導などに当たるなど、学力向上に取り組んでこられました。

子ども達の学力は、将来の選択肢を狭めることにもなりかねないとすれば、われわれ大人の責任は甚大です。

学力向上の取組みを加速するというのであれば、その前提として、学力テストの結果を公表することも検討課題だと考えます。公表しないのなら、

少なくとも各市町の教育委員会からなるプロジェクトチームを作り、これまでの学力向上対策の見直しを検討するべきだと考えますが、ご所見をお伺いたします。
次に学校における観光教育の推進についてお尋ねします。

観光立国推進基本法は今年1月から施行され、観光を21世紀における日本の重要な政策の柱として明確に位置付け、10月1日には観光立国を目指して、観光庁が発足されました。

近年、海外では、日本の文化や伝統がひとつのブームとなっており、伝統的な芸能だけでなく、漫画やアニメといった新しい日本文化も人気が極めて高いようです。

国際化の進むなかで、子どもたちは、日本のことをもっと知る必要があります。日本とはどんな国なのかを理解しなければ、外国にも説明できません。山口県さらには子どもたちの住んでいる市や町の文化、芸能、観光地の素晴らしさも教えることは、郷土愛の醸成にも繋がります。

最近、小学校では、観光を取り入れた教育への取組みが始まり、これまで社会科や総合的な学習時間に学んでいた「地域学習」の一環として、「観光」をテーマにした学習を進めているところもあるようです。

県内では小学校教員の学習グループが、各市町向けの観光立国授業テキストを制作しており、素晴らしい試みだと高く評価しています。

子どもたちが住んでいる市や町の学習をするなかで、観光に着目して勉強する。さらにそれを外部の人にわかってもらうように説明する。また、おもてなしの心を学ぶ。それは、未知の世界に興味を広げていくことにも繋がります。

今後の観光教育の取組みと、その教材のあり方について、お伺いしたします。
次に私学助成金の維持・確保について要望させて頂きます。

高等学校の、1ヶ月当たりの学校への納付金を比較してみると、公立高校では約9600円。私立高校では約34000円であり、三倍以上の格差があります。 保護者は、同じように税金を払っているにも関わらず、私立高校進学者のみ、大きな経済的負担を押し付けられ、家計に大きな影響を及ぼしています。

さらに、アメリカの金融危機による経済不況から、企業倒産やリストラによる失業、派遣社員の解雇など経済的な理由から、これまで以上に高校生の授業料の滞納や退学せざる得ない状況に追い込まれている生徒が増加することが懸念されています。

私立学校振興助成法では「国は教育にかかる経常的経費の二分の一以内を補助することができる」とあり、本県ではそれを念頭に運営費補助を行ってお り、本県の私立学校における納付金の額は、全国的にも極めて低い水準となっていることは理解していますが、例年並みの助成金の確保を要望させて頂きます。

次に土木建築行政について、まず、適正な設計労務単価の設定についてお尋ねします。
建設業界は厳しい価格競争や建設資材の高騰などから、利益率の極端な悪化により、まったく先の見えない厳しい経営環境にあります。

建設現場で働く労働者にとって、労務単価は賃金そのものに直結する非常に大切な要素です。しかし、公共事業の削減ならびに民間事業の低迷による低価格入札などの影響により、その労務単価そのものが市場原理により、極端に下がっています。

特に公共事業の設計に使用する労務単価については、ここ数年下がり続けている状況であり、このことは建設労働者の生活をますます厳しいものにしています。

また、受注した建設業者においては、設計労務単価に係わらず労働者への支給額を削減できないことも多く。特に中小建設業者を中心にたいへん厳しい状 況が続いており、労働者の雇用不安や、経験不足の未熟作業員の雇用による労働災害発生への懸念や、地域経済や雇用への影響も見逃せない状況になっていま す。

資料にお示ししましたが、山口県における最低賃金の推移を見ますと、平成9年に対して109.5パーセントの伸び率を示しているにもかかわらず、平均労務単価は平成9年に対して72.6%であり、27.4%も下がっています。

労務単価は、建設労働者の生活に直結するものであることから、適正な単価設定が必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

次に公共事業の地産地消についてお尋ねします。
公共事業が減少するなか、県内業者の受注機会の確保を図り、建設業の健全な発展を図ることは、重要な施策です。

例えばコンクリート橋など特殊構造物工事においては、県外業者の受注がまだまだ多い現状があります。特に、プレストレストコンクリートの橋には専門の工場で生産されるプレテンション方式と、現場でPC鋼材に張力をかけ定着させるポストテンション方式の2種類があります。

橋桁の長さが15メートルまでのプレストレストコンクリートの橋には、プレテンション方式が採用されることが多く、既製品の橋桁を下部工に設置する工事のため、山口県では地元業者にも発注されています。

しかし、現場でPC鋼材に張力をかけ定着させるポストテンション方式を採用するプレストレストコンクリートの橋は、すべて県外業者に発注されており、県内の業者は、下部工のみしか受注できないことになっています。

県内の業者に、橋の基礎だけ造らせて、橋本体を造らせないのは寂しいことです。県内の業者にその技術がないのか、入札に参加する資格をさえぎるものがあるのか。

私が調べたところでは後者だと思えてなりません。ポストテンション方式の入札資格には、事業実績が必要とされていますが、受注する機会がなければ、その実績を積む手立てはありません。

また、専門の技術者の必要性も書かれていますが、受験資格は業務実績5年以上とされています。しかも、その技術者資格は国による資格ではありません。

私には新規業者の参入を阻むために作られた資格だと、思えてなりません。

私は建築家ですが、ポストテンション方式がそれほど、高い技術力を必要とする工事とは思えません。そういう意味でも、県内の業者にも入札参加資格を与えるべきです。

仮に技術的に無理だと思われるなら、その専門業者を下請けに使うという方法もあります。そうすることによって、県内業者が受注する工事高も増え、しかも事業実績になり、業者の技術力の向上にもつながります。

さらに、橋梁設計の構造材をできるだけコンクリートから鋼製に切り替えれば、地震による大災害発生時には、点検と修理が容易な鋼製の方が、修理のできないコンクリートより有効です。そうすれば、県内の鉄工所への受注機会が増えます。

コンクリート橋を例に挙げましたが、大手ゼネコンは、実際に工事を行う直営の業者を持っているわけではありません。工事を請負えば、いずれにしろ県内業者は下請けに使われるだけです。

また、大手ゼネコンの中には、営業所は事務員と電話だけという業者もいるようです。そういうゼネコンに受注機会を与える必要はありません。

公共工事における「地産地消」の取組みを進めるためには、特殊構造物工事を含め、さらに県内業者の受注機会を確保することが必要であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
次に予定価格の事前公表の取りやめについて、要望させて頂きます。

現在、試験的に事後公表による入札が行われており、その結果と対応については、次回の質問とさせて頂きたいと思いますが、仮に、予定価格を事前に発表しなければ、公平な入札が可能であり、企業の技術力を評価できます。

予定価格を事前に公表するようになった最大の理由は、発注元である県が、談合との関わりを疑われることを防ぐためであり、県が毅然とした対応を行えばすむ事です。

予定価格が事前に公表されるため、予定価格の何パーセントで入札するかを先に決め、それから明細書を作成するという業者も多く、こうしたやり方が、低価格入札の激増にも繋がっているかと推察されます。

企業の技術力の向上を考えれば、予定価格を事前公表しないほうが、本来の入札制度のあり方であると思われます。

昨年、12月議会で申し上げましたが、全国的には33都道府県が予定価格を事前公表し、12県が事後公表、2県が併用となっています。仮に即廃止しても、異論はほとんどないようです。

予定価格が公表されなければ、真剣に積算を行い入札に臨むことになり、技術力の向上と公平な入札が実施されます。

できるだけ早い時期に予定価格の事前公表が取りやめになることを要望します。

次に、統廃合によって使われなくなった学校施設の活用についてお尋ねします。
過疎化と少子化の影響から、中山間地域のみならず、中心市街地でも、小学校や中学校の統廃合が検討され各市町で加速される状況です。

また、高等学校についても、美祢市において大嶺高等学校と美祢工業高等学校が統合され、青嶺高等学校になり、統合された2校は、2009年3月に閉校が予定されています。

全国の公立学校の年度別廃校発生数は、平成19年度、小学校273校、中学校76校、高等学校は115校、合計464校であり、その数に驚かされます。

学校施設は、国庫補助金などの貴重な財源によって整備された施設であるとともに、地域住民にとっては身近な公共施設でもあることから、遊休スペース となったり、学校としては使われなくなった後も、地域の実情や需要に応じて積極的に活用していくことが望ましいと考えられます。
文部科学省は、このような学校施設が有効に活用されるために、学校施設の転用手続の弾力化や簡素化を図りつつ、全国での活用事例を紹介して情報発信を行うなど、転用が出来るだけスムーズに進められるような環境を整えているようです。

統廃合され使用されなくなった県内の高等学校施設の今後の活用についてお伺いいたします。
特に小学校は校区ごと、すなわち1つのコミュニティーごとに設置されており、その廃校は、地元住民にとっては、地域の核を成していた施設だけに、大きな痛手であり、その再利用は地域活性化という意味でも、早急な対応が迫られています。

宇部市においても吉部小学校が国道沿いに、空き家の状態で放置されています。

小中学校の廃校施設の再活用については、市町だけでの対応は難しく、県の支援や連携が必要だと思われますが、今後の取組みについてお伺いいたします。
最後に障害者の就労支援についてお尋ねします。

昨年4月、障害者自立支援法が施行され、授産施設は、就労継続支援の利用者に対する工賃支払基準や、毎年度の工賃支払目標額の設定などが義務付けられることになり、利益率の高い新規事業の開発が求められています。
授産施設で障害者が行っている仕事のほとんどは、誰でもできる単純な仕事であり、仕事の確保が難しく、また下請けの仕事が多いため利益率が低く、新たな事業の創設、また新商品の開発が強く求められています。

そのような中、今年10月、障害者就労支援のお店、角打ち『鍋島』が山口宇部空港出発ロビーに開店されました。

社会福祉法人「南風荘」が、自立支援法に基づく、障害者の就労支援の場づくりとして、「やまぐち県民活動きらめき財団」から助成金を頂き、空港事務所の好意で、出発ロビーの搭乗口そばに設置したものです。

全国の空港でも、初めての事例であり、しかもその運営を、障害を抱えた方々で行うということも初めてです。そのため、8月と9月には約1週間の試験的な営業と販売接客訓練を行っています。

障害者の社会参加の場としても価値のある事業だと大きな期待をしています。皆様もぜひ、ご利用頂ければと願っています。

さて、授産施設等は全国に4500か所あり、約10万人が利用しています。障害者自立支援法では、施設で働き続けるタイプ、積極的に就職を目指すタ イプなどに分かれます。施設では、就労支援に向け、様々な取組みが積極的に行われていますが、工賃倍増が実現した施設はまだ一部に過ぎません。

授産施設等で働く全国約10万人の工賃は、平均月1万2200円で、企業へ就職した人の割合は年間1・2%というのが実態です。

関西学院大の大谷強教授は「施設が障害者に選択される時代に入った。努力しない施設は、利用者が減り、収入も減って、淘汰されていくだろう」と分析しています。

就労支援のための対策をさらに進めることが必要と思われますが、今後の取組みについてお伺いいたします。

以上で、一般質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

【再質問】

有害図書規制について、再質問をさせて頂きます。

今村健康福祉部長にお尋ねします。

改正前の子ども未来課と私の条例解釈に対する認識は、間違いなく「山口県青少年健全育成条例のしおり」に記載してあるとおりだったはずです。

条例解釈の認識が変わっていないのなら、条例の規則に当たる文章の不備が、解釈にあたっての誤解を招いたものだと考えます。

ならば、誤解を招かない条文に修正すれば済むことと考えます。

先日、大阪府の橋下知事が小中学生の携帯電話の使用制限を記者発表しましたが、事前にドコモやソフトバンクに相談して決めたわけではありません。

知事の判断で決めたことだと思います。

「子どもを有害環境から守る」という大儀がしっかりしていれば、コンビニ業界や書店など気にする必要はありません。

私は認識が変わってしまったから、図を変えたと思っています。

認識が変わっていないのなら、規則を誤解のないように修正するべきと考えますが、ご所見を伺いいたします。

次に、藤井教育長にお尋ねします。

山口県の未来を担う青少年を育成するという意味からも「子どもたちを有害環境から守る」ということは大変重要ことだと思います。有害図書規制に対する教育長としてのご所見をお伺いいたします。

答 弁

1 教育問題について
(1)有害図書類の規制について

(健康福祉部長)
教育問題に関するお尋ねのうち、有害図書類の規制についてお答えいたします。

県といたしましては、青少年の健全育成を図る観点から、平成18年10月に、「山口県青少年健全育成条例」の一部改正を行い、青少年に有害な環境の浄化に向けた取組を進めてまいりました。

この条例は、有害図書類が一定の場所に区分されていることを青少年等に認識させるため、改正前においても、陳列方法に制限を設けておりましたが、平成18年の改正で、環境浄化の実効性を更に高めることとし、県の規則で、新たに区分陳列の具体的な基準を定めることとしたものです。

お尋ねの具体的基準につきましては、お示しの資料の中程の左の図は条例改正時に、また、右の図は平成19年2月の条例施行後において、書店等の事業者や立入調査員等に、説明会などを通じて示したものです。

いずれも、規則に定める基準を満たす方法を例示したものであり、区分陳列の基準を変更したものではありませんが、青少年の健全育成に携わる方々や関係事業者等に対する説明が十分でなく、誤解を与えるような結果となりましたことにつきましては、深くおわび申し上げます。

また、規則の変更についてですが、お示しの図は、いずれも、ビニール包装等により内容が閲覧できないようにした上で、仕切板で区分して陳列する方法であり、条例の趣旨に合致しております。

そうは申しましても、御指摘のありました左の図の区分方法は、有害図書類を青少年の目から遮断するという相乗効果の面からは望ましい方法であることから、事業者団体との会議や立入調査等の機会を捉え、書店等に対し働きかけてまいりたいと考えております。

【再質問】

改正時点での、こども未来課と私の条例改正に対する認識は、間違いなく「山口県青少年健全育成条例のしおり」にある絵のとおりなんです。条例解釈の認識が変わっていないのなら、条例規則に当たる

文章の不備が、解釈にあたっての誤解を招いたものだと考えています。ならば、誤解を招かない条文に修正することで済むことだと、私は簡単に考えてしまうわけですが。

先日、大阪府の橋下知事が小中学生の携帯電話の使用制限を記者発表いたしました。事前にドコモやソフトバンクに相談をしたわけでもなく、知事の個人的な判断で決めたものだと私は思っています。「子どもを有害環境から守る」という大儀さえしっかりしていれば、コンビ

ニ業界や書店などを気にすることはなにもありません。私には、コンビニや書店の圧力に屈して、認識を変え、図を差し替えたものと思えてなりません。仮に認識が変わっていないならば、規則を誤解のないように修正すれば済むことではありませんか。修正しなければ、条例を

改正した意味はなくて、完全な骨抜き状態です。育成条例の中の、小さな規則ではありますが、実施すれば画期的なことです。再度、規則の修正を求めますが、ご所見を是非伺いたい。

それから、平成19年の説明会までは、左の図だったはずなんです。それが、なぜ、19年に業者にするうちに、この右の図にならなきゃいけなかったか。私は、そこが理解できないですね。しかも、左側を削除しているわけですから。右の図だけで説明した理由が全くつかめ

ません。
(健康福祉部長)
県の、規則の修正についてのお尋ねにお答えいたします。

この条例の趣旨は、有害図書類を区分陳列することにより、青少年等に有害図書の存在を認識させるということにありまして、こうした趣旨を踏まえますと、県の規則では、区分陳列の具体的な基準を是非設けたいということで、改正しました。そして、お示しの資料の図のように、これは正確にいいますと、10センチ以上ということで、どちらの図も、基準を満たす方法でございまして、条例の解釈や区分陳列の基準自体を変えるつもりはございません。

ただ、その説明をする時点において、非常に配慮に欠けていましたこと、あるいは、そういうことをきちんと踏まえて、みなさんにご指導差し上げなかったことを、もう一度改めて、本当に申し訳ないことだと思います。

県といたしましては、先ほど申し上げましたように、お示しの左の図の方が望ましいと思います。それで、書店等に働きかけてまいりますけれど、規則の改正という条例の趣旨を踏まえているという意味では、規則の改正は考えておりませんので、どうぞご理解いただきたいと存じます。

【再質問】
山口県の未来を担う青少年を育成するという意味からも「子どもたちを有害環境から守る」ということは大変重要なことだと思う。有害図書規制に対する教育長としての所見を伺う。

(教育長)
有害図書の規制についてのお尋ねであります。
現在、様々な情報が子どもたちを取り巻いております中で、子どもたちの健全育成を図っていくためには、子どもたちを有害情報から守ることは大変重要であると考えておりまして、そのような意味からも有害図書の規制についても適切に行われる必要があると考えております。

【要望】
質問をする気はありませんが、要望だけはさせていただきたいと私は思います。

私は、こども未来課と話をした時には、階段状の写真のような話は一切なかったんです。

10センチ離してまっすぐ上げるという話でついてたものが、なぜこうなったのか、未だに私は理解出来ません。しかも、写真をねじ曲げてまで業界に説明する必要があるのかどうか、写真を変える必要はなかったんじゃないかと私は思うんですが、私は、あくまでも条例を修正  するべきだと要望して終わります。

(2)全国学力・学習状況調査について
(教育長)
教育問題についての3点のお尋ねにお答えいたします。

まず、学力向上対策の推進についてであります。県教委といたしましては、全国学力・学習調査の結果を踏まえまして、学力向上の取組を強化・加速化していかなければならないと考えておりまして、そのような中で、市町教委は、全ての小中学校の学力の状況を的確に把握し、課題の解決に向けて、直接指導・助言を行う立場にありますことから、市町教委との連携を密にして進めることが重要であると考えております。

このため県教委といたしましては、昨年度設置いたしました検証改善委員会に、全ての市町教委の参加を求めて、調査結果の分析や課題を踏まえた具体的な改善策について、検討を行い取り組んできたところであります。

本年度は、県全体の結果発表後、直ちに各市町教委の教育長と個別に協議し、学力向上対策強化の共通認識を図り、さらに、各市町教委との個別協議、校長会やPTAとの意見交換等を重ねながら、各市町教委や学校の状況把握と学力向上対策の見直しを進めてきたところであります。

県教委といたしましては、これらを踏まえまして、教育力向上推進本部の会議におきまして、4つの取組方針、一つは「教育内容の充実と指導方法の改善」、また「学校運営体制の強化」、そして「教員の資質向上」、それと「家庭の連携促進」、これを定めまして、各学校の学力向上対策が実効性のある取組となるように、支援を強化・加速化しているところであります。

今後とも、県教委といたしましては、各市町教委と学校が一体となって、それぞれの実状・課題に応じた取組が進みますように、各市町教委との連携を強化して、学力の向上を図ってまいります。

(3)観光教育の推進について
(教育長)

次に、観光教育についてであります。

お示しのありましたように、子どもたちが自分の住んでいる市や町の観光に着目して学び、また、外部の人に説明する活動を行うことは、おもてなしの心を育み、さらには探究活動に発展するなど、大切な学習であると考えております。

県内でも、岩国市の小学生が錦帯橋の歴史を観光客に説明する活動や、美祢市の中・高校生による秋吉台の山焼き準備の草刈りなど、学習活動が行われております。

また、観光地以外でも各学校におきましては、市町教委が作成しました副読本を活用しながら、社会科や総合的な学習の時間におきまして、地域の自然や伝統・文化にふれ、関心をもって、さらに調査・体験する学習活動を通して、ふるさとに愛着を持って自然を守ったり、伝統・文化を継承・発展させる子どもの育成に努めているところであります。

県教委といたしましては、新学習指導要領の実施に向けまして、伝統や文化に関する学習を重点項目として掲げております。各学校の取組をさらに充実させるために、県独自の教材を新たに作成することとしております。

また、お示しのありました観光に関わる教材のあり方につきましても、今後、市町教委、学校と連携しながら、検討をしてまいります。

2 土木行政について
(1)適正な設計労務単価の設定について

(土木建築部長)

土木行政についての2点のお尋ねです。

まず、設計労務単価の設定についてです。

現在、県が発注する公共工事の積算に当たっては、国土交通省、農林水産省及び県が共同して毎年行う、公共事業労務費調査の結果に基づき、国が各県ごとに決定する労務単価を使用しております。

お示しのように、労務単価が下がり続けており、様々な問題が提起されていることから、本年6月、国土交通省に産学官をメンバーとする「公共工事設計労務単価のあり方検討会」が設置されました。この検討会では、現行の設計労務単価の調査方法の改善策、建設労働者のあるべき賃金水準及び賃金の支払いの確保のための施策、積算における設計労務単価の職種構成などに関し、調査・検討を行い、今年度末までに結果をとりまとめ、今後の設計労務単価の設定に反映させるとされています。

県としましては、適正な設計労務単価の設定のため、建設労働者の経験年数や技能士等の資格の取得状況等が適切に評価されるよう、今後、国に対して要請してまいります。

(2)公共事業の地産地消について
(土木建徳部長)

次に、公共事業の地産地消についてです。

県発注工事におきましては、これまでも、県内建設業者への優先発注を基本に、可能な限り分離・分割発注を行うとともに、技術的難易度の高い工事については、共同企業体方式を活用するなど、県内建設業者の受注機会の確保に努めているところです。

お示しのとおり、プレストレストコンクリート橋梁工事のうち、長さ15m未満のプレテンション方式の工事については、橋梁下部工などの工事に含めて、県内建設業者に発注しているところです。

一方、ポストテンション方式の工事については、現場で高強度コンクリートの施工や、プレストレスの導入を行うため、専門技術を必要とすることから、これを行う資格を有する専門技術者の配置が必要です。

したがいまして、県としましては、当面は、長さ15m以上のプレテンション方式の工事についても、県内建設業者に発注することを検討し、県内建設業者の参入を拡大するとともに、それと並行して、ポストテンション方式の工事の取扱いについて研究してまいります。

今後とも、県内建設業者の受注機会の確保に努めてまいります。

3 中山間地域対策について
(1)統廃合された高等学校施設の活用について
(2)小中学校の廃校施設の再活用について

(教育長)

(1)次に、統廃合された学校施設の活用についてであります。

まず、県立高校につきましては、再編整備により廃止される学校施設は、県において将来的に利活用が見込まれる施設を除きまして、施設が所在する市町の意向を確認して、市町において利活用方策が見込めない場合には、民間等への売却処分等を検討することとしております。

こうした考え方に基づきまして、これまで廃止された学校施設につきましては、財産所管部局と連携して、利活用等に関する検討を進めているところであります。今後とも、これらの施設が有効に活用されるように取り組んでまいります。

(2)次に、小中学校の廃止された学校施設の活用についてであります。

本年5月の調査によりますと、本県におきましては、平成14年度から19年度までに廃校となりました小中学校は全部で47校あります。このうち23校が他の公立学校等に活用され、18校が未利用のままとなっております。

こうした中で、本年6月に、国は、既存ストックを効率的に活用した地域活性化を図るために、学校の統廃合等に伴う財産処分手続を弾力化して、廃校施設の有効活用を促進することとしたところであります。

県教委といたしましては、これらを踏まえまして地域住民にとって身近な学校施設であったものが、廃校後も、各地域の実情や意向を踏まえ、積極的に活用されますように、各市町の取組に対し、必要に応じて、指導、助言を行ってまいります。

4 福祉問題について
(知事)

私からは、障害者の就労支援についてのお尋ねにお答えします。

私は、障害のある方々が、住み慣れた地域で自立して暮らせる環境を創るためには、就労の促進を図ることが重要であると考えており、障害者自立支援制度のもと、支援の充実に積極的に取り組んできております。

これまでの取組を通じまして、福祉施設におきましては、お示しにありましたような創意工夫による就労の場づくりや企業的経営ノウハウの導入など、工賃の向上を図るための新たな取組が開始されておりますし、また、企業等での就労に向けましては、圏域ごとに福祉・労働・教育等関係機関のネットワークが整備されるなど、障害者の就労を進める環境が次第に整ってまいりました。

特に、福祉施設における工賃引上げに向けましては、本県独自に、利用者の就労意欲を高め授産事業の活性化を図るための施策を講じているところでありまして、その結果、本県の工賃は全国平均の月額12,200円を上回る水準となっておりますが、今後、更なる取組の強化を図るため、現在策定中の「加速化プラン」に、「障害者の自立に向けた就労の支援」を位置づけ、重点的に対応することにいたしております。

具体的には、地域生活に必要な工賃水準を確保できるよう、平成23年度の目標工賃を月額26,000円とした「工賃倍増計画」に基づき、福祉施設が主体となって、経営の改善や販路の拡大、新規事業の展開等が更に進められるように、支援を強化してまいります。

また、施設から企業等への就労移行につきましては、障害者雇用への理解を促進しながら、県下全域をカバーする6箇所に設置した「障害者就業・生活支援センター」を中心に関係機関の連携を強化して、障害者の適性と能力に応じた就労訓練や、就職から職場定着まで一貫した支援の充実を図ってまいります。

私は、こうした取組を着実に実施するため、今年度中に策定する新たな「障害者いきいきプラン」において、必要となるサービス見込量や数値目標を設定して、計画的に進めてまいりたいと考えております。

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