今年の夏は猛暑日が2か月も続き、7月28日は山口県北東部では、過去に例のない豪雨による大災害が発生し、山口県議会では急遽、臨時議会を開催し、災害への対応、補正予算などの対応を行いました。
最近は県下、何処にいても災害を受ける可能性があり、「災害は忘れた頃にやってくる」という言葉も空虚に感じるほど、災害多発時期が訪れたように思います。
平成12年に山口大学大学院「防災システム工学科」に入学し、以来、災害対策に取り組んで参りましたが、専門家の一人として、県民の安心・安全の確保に、少しでもお役に立てるよう尽力して参ります。
9月定例議会で「一般質問」を行いましたのでご報告します。
《序文をぜひ読んでください。》

9月議会での質問                  第19回ジュニア洋上スクールin韓国での安光君とのスナップ

一般質問の項目 
1.教育問題について
(1)携帯電話が子どもに与える影響
(2)自然体験教育について
(3) 学力向上を意識した小中学校での達成度試験
2.土木建築行政について
(1)入札契約制度の改正と中山間地域における建設業の継続的な経営の確保
(2)技能労働者の労務単価
(3)社会保険加入など法定福利費を明示した標準見積書
(4)建設業のイメージアップと後継者育成
(5)河川、港湾における放置プレジャーボート
4.農林水産物の生産・販売促進について
5.公契約条例の制定について
6.スポーツの新興について

《《一般質問の全文PDF》》

《《一般質問に対する回答PDF》》

学力向上を意識した小中学校での達成度試験について
学習達成がとかく不十分なまま、生徒が何の関門もなく中学校を卒業することに疑問を感じます。
高校段階で数次の達成度テストを行うという動きがあり、小中学校の段階で達成度試験を行ってどうかと提案しました。
【回答】
三十五人学級化や少人数指導教員、学力向上等支援員の配置など、指導体制の充実に努めている。県教委では今年度新たに、小学校3年生から中学校2年生までを対象とした、本県独自の「山口県学力定着状況確認問題」を実施する。
今後提案の趣旨も踏まえ、学力の定着状況を確認し、繰り返し学習補充学習など、各学校におけるきめ細かな指導の充実を図りますとの回答を頂きました。
資源のない小さな国が、国際的な発言力を維持し続けるには、学力のみが頼りです。

一般質問の序文(大学生になったダウン症の「安光 皓生」くんのこと)

おはようございます。
自由民主党新生会の岡村精二です。
NHKの朝のドラマ「あまちゃん」が、今週一杯で終わります。毎朝、BSで6時30分から、NHK総合で7時から見ていた私には少し寂しい思いです。
しかし毎朝、東日本大震災の被災地である東北地方に「国民が思いを寄せる」。
それだけでも、価値のある番組だったと思います。
さて今春、第22回目の「子ども自然体験スクール」を石垣島で行いました。
160名近い子どもたちが参加する事業ですが、発達障害やダウン症、また不登校、親子関係で悩んでいる子どもたちも毎回、数名参加しています。
 10年ほど前、小学4年生の皓生君というダウン症の男の子が参加しました。
高いところが苦手なダウン症の子どもにとって、船のタラップや階段を登ることも大きな試練であり、6泊7日の研修に出すことは、家族にとって大きな決断だったと思います。
福岡を出港した船が一路、沖縄を目指して航行していると、スタッフから「帽子を深くかぶり、サングラスをした挙動不審の男性が子どもたちの様子を伺い、写真を撮っています」との連絡があり、後ろから、そっと近づいて声を掛けると「私は皓生の親戚の者で、あまりにも心配で内緒に付いて来ました。
あまりご迷惑を掛けるようなら連れて帰ろうと思っています。」と恥ずかしそうに答えられ、私たちの日程に合わせて、船やホテルを予約しておられました。
その後は私たちスタッフと共に行動し、最終日まで、彼に見つからないように、見守っておられました。
彼の班6人で、面倒見のいい班長でしたが、人見知りをして、なかなか班員になじめない彼を、学生スタッフ全員で懸命にフォローしていたことを思い出します。
解団式の後、彼の前に初めて姿を見せたおじいちゃんを見て、目を丸くして驚いた彼の笑顔が忘れられません。
スクールでは毎回、「父母からの手紙」という研修を行っています。お母さんから彼に届いた手紙の一部を紹介します。
「皓くんへ。沖縄はどうですか?
皓生とママが、こんなにも長い間離れるのは初めて・・。
いいえ、皓生が生まれてすぐ集中治療室へ入院して以来ですね。
あのときは、小さな命を一生懸命燃やし続けていたんだよね。強かったんだよ。皓生は。」
と病気のたいへんさに触れていました。
その後も彼は夏のキャンプなどに、毎回参加し、自分のペースで楽しんでいましたが、とても可愛くて、学生スタッフのアイドル的な存在でした。
そんな彼から今年5月、突然、「僕は今、大学生になり文学を学んでいます。バレーボール部にも入り、友達もできました。」という電話が掛かってきました。
総合支援学校を卒業した彼は、福岡の通信制高校に進学し、英検3級に試験に合格し、そして今年、大学に合格したそうです。
スタッフとして彼の面倒をみた経験のある私の娘が、偶然、電話を受け、うれしくて涙が止まらなかったそうです。
たとえ、どんな障害を持っていたとしても、子どもたちは限りない可能性を持っているということを教えて頂いた出来事でした。
 私は30年間に及ぶ青少年活動の中で、毎回、多くの感動を頂きました。
この感動を大切にして、これからも取り組んで参りたいと思います。

安光皓生くんの新聞記事

ダウン症の少年が大学に現役合格し、4月から地域文化を専攻して、大好きな歴史を学ぶ。他の受験生と同じ条件の入試でつかんだ春。
「将来は歴史塾を開いて、日本史の面白さを伝えたい」と夢は膨らむ。
 少年は山口市に住む通信制高校3年、安光皓生(こうせい)さん(18)。
英語、国語、社会は5段階評価の5。梅光学院大文学部(山口県下関市)に、面接30分と小論文のAO入試で合格した。
 ダウン症と診断されたとき、父義文さん(56)と母和代さん(56)は、「この子の自立のためには何でもやろう」と決めた。生後1カ月ではり、2カ月で音楽セラピーを試し、民間療育機関で発達指導を受けた。
1歳半から始めた読み聞かせでは、寝る前に絵本を20冊読みたがり、 30冊になると和代さんの声がかれたという。
 両親は療育法を探すうち、米国発の脳障害児の訓練プログラム「ドーマン法」を知る。
視覚、聴覚、触覚に刺激を与えて乳児の発達過程を追体験させ、脳の機能を引き出すものだ。
 3歳で始めた訓練では腹ばい、雲梯(うんてい)、水泳など厳しいメニューが課される。
四つんばいではいはいする訓練を嫌がり、課題の1日1600メートルを400メートルこなすのがやっとだった。
言葉や知識をカードで教えるプログラムははかどった。
順調な発達が認められ6歳の時に、米国のドーマン法の研究所内にある学校に招かれた。
母子で渡米し9カ月間、英語で英文学や数学などを学び、自転車とランニングのバイアスロンに取り組んだ。
障害児だからと特別視されることはなく、スタッフは「偏見のない社会で暮らして自信になったのでは」と見る。7歳で訓練は終了した。
北九州市の私立小を経て、小学3年から公立小の普通学級で過ごした。
算数は苦手だったが、好きな歴史分野は大人の本を無数に読んだ。
のびのび勉強していたが公立中1年の時、孤立した。
和代さんが「自分のことは自分でやらせたい」と申し出たところ、担任が級友の手助けまで制止したためだ。
見かねた級友女子数人が「皓生くんが笑わなくなった」と卒業した小学校に訴え出た。
小学校長と6年時の担任がかけ合い、中2でおおらかな担任に変わって落ち着いた。
「クラスの子に嫌われてない、とすごくうれしかった。
あの子たちの行動がなかったら今はなかった」と和代さんは振り返る。
 徳川家康や武田信玄が好きという皓生さんは歴史研究家を志している。
「私たちは歴史の子孫。先祖がどう考えたか伝え、多くの人に日本史を好きになってほしい」と話す。
 
2005年、第19回ジュニア洋上スクールでの安光皓生くんの写真です。