一般質問

3月7日(金:第3番目)
午前13時~登壇

岡村精二議員:一般質問全文
(自由民主党)

自由民主党の岡村精二です。

私はかつて学習塾の講師をしていましたが、毎年、3月のこの時期になると、高校入試のことで、胃が痛い毎日でした。必ず、受験に失敗する生徒がいます。皆さまの中にも、辛い思いをされた方も、おられるかもしれません。授業料の安い県立高校へ進学させたい、との期待を持っている親も多く、子どもたちにとっては、そのことが、大きなプレシャーとなっています。以前、受験に失敗した女の子から頂いた手紙を紹介します。私が手紙を出して一週間後に届いた返事です。

『先日はお手紙どうもありがとうございました。受験結果のことを、電話で報告しなければいけないのに、しなくて申しわけありませんでした。やっぱり駄目でした。自分でも駄目だと、半分わかっていても、心のすみで「もしかしたら」という気持ちがありました。その気持ちが半分あったため、ショックが大きいように思えます。

先生からお守りを頂き、数学や理科など、毎日のように忙しい中、教えてもらったのに、このような結果で、本当に申し訳ありません。私は今まで世の中を、本当に甘く見ていたのだと思います。今回の結果は悪いほうにでましたが、私は良い経験をしたと思います。もし、ギリギリ受かっていたら、私はまた同じことを繰り返し、努力することを知らない人間になっていたと思います。だから今、私はちょっと悲しいけれど、落ちて良かったと思っています。これからも、悲しいことがいっぱいあると思います。そのときは先生のところに行きますので、相談に乗って下さい。それではお体に気をつけて。さようなら。』

合格発表から、たった1週間で、こんな手紙を書けるのかなあと、心から感動しました。それから3年後、彼女が突然、塾に来ました。あらたまった顔をして「私、短大の保育科に合格しました」と言ったとたん、彼女は泣き出してしまいました。そして「私、今日が来るのを3年間待っていました。高校入試のとき、合格したら、真っ先に報告に来ようと思っていたけど、不合格で、来れなかったから、大学入試だけはと思い、頑張りました」と言ったとき、側にいた家内は泣いていました。その後、短大に行って、彼女の受験番号の前で、記念写真を撮りました。大学から我が家まで、約5キロの道のりをどんな思いで、自転車を漕ぎながら来たのかと思うと、涙が出てきます。

塾の講師として、陽のあたらない役割を演じた子どもたちから、たくさんのことを学ばせて頂きました。

前段が長くなりましたが、受験生への励ましとの思いで話させて頂きました。

それでは通告に従い、一般質問をさせて頂きます。最初は教育問題。
まず、青少年に有害な雑誌に、ビニールカバーをかけさせるための条例制定について、昨年の2月議会に引き続いての質問です。

この質問に対する二井知事の回答は『平成14年3月に、山口県青少年健全育成条例を改正し、青少年に有害な図書類の販売等については、他の図書類との区分陳列や、容易に監視できる場所への配置等を義務づけ、条例の遵守を指導いたしております。ご提案のビニールによる包装につきましては、関係機関や有識者で構成する青少年問題協議会等の場で、広く意見を伺ってまいりたい」との回答を頂きました。

区分陳列を始めたコンビニもありますが、海外の書店で、有害雑誌は、すべてビニールカバーをして販売されている状況を見ると、外国人の良識を強く感じます。

昨年10月、大阪府議会において、友人である西野修平議員が、私の山口県議会での質問文を参考に質問を行ったところ、大田房江知事は「いいことだから、実施に向け条例改正を行う」旨の回答をしたと聞いております。青少年健全育成に対する知事の危機感の差を感じます。

大阪府青少年健全育成条例は、現在、有害図書を販売する場合は、山口県同様の義務付けを行っていますが、改正条例では、閲覧を困難にする包装などを、すべての有害図書の販売に際して義務付けるとのことです。それを受けてコンビニエンスストアー業界では、自主的に有害図書の中を見ることができないように、ビニールテープなどで、表と裏を留める措置をとっているところもあります。

店頭に並ぶ、過激なポルノ雑誌や、ヌード写真を掲載した週刊誌などの有害図書に、ビニールカバーをさせるための条例を制定して頂きたいと、強く願っています。再質問ですが、知事のご意見を伺いたい。

次に、小学校における卒業式のあり方について質問します。
最近、小学校では体育館の舞台を使用せず、フロアーの真ん中に、低い演台を置き、演台と舞台の間に卒業生が、入口の側に在校生が座り、先生、来賓、保護者も、同じフロアーに座る形式で、卒業式を実施している学校があります。和やかな雰囲気があり、保護者からも写真を撮りやすいなどと好評だそうです。しかし、国旗の位置に大きな疑問を感じます。

演台の上には校旗とマイクが置いてあり、国旗は体育館の舞台の上に掲げてあるため、卒業生は国旗に背を向けて座ることになります。フロアー形式の卒業式を行っている、ある小学校では、式典における国歌斉唱で、卒業生は起立した後、回れ右をすることもなく、国旗に背を向けて、国歌を歌い、結局、最後まで、卒業生は一度も国旗に正対することなく、国旗に背を向けたまま退場したそうです。山口県内の小学校での話です。

こういった卒業式を、意図的に行っているとしたら、大きな問題であり、意図的でないとしても、国旗に対する認識の無さを感じます。卒業式は単なるセレモニーではなく、人生の折り目節目となる大切な儀式です。

仮にフロアーで行う場合には、体育館中央部天井から、国旗を吊り下げるか、少なくとも演台の上に、国旗が置かれるべきであると考えます。改善を求めたいが、教育長のご意見を伺いたい。

次に、中学校教科書の採択について、5点質問します。
あるお年寄りから頂いた年賀状に、次のようなことが書かれていました。

『中学生になった孫が「戦争のことを教えて」と言いました。学校のテストに出るらしい。だけど私は教えるのをためらいました。「先生に教わったことを書きなさい」とだけ言いました。それから数日後、テストをもらって帰ってきた孫が「おじいちゃん、百点だったよ」と得意げに見せてくれました。ところが、孫が答案に書いている記述を読んでみると、日本はこうまで悪い国なのか、と情けなくなって涙が出ました。孫から「こんな国に生まれてこなければ、良かった」と言われてしまいました。日本の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てることが目的のはずの教育が、これでいいのでしょうか。この子がやがて分別ができるようになったら「なぜ戦争したのか」など、本当のことも話してやろうと思います』と書かれており、私が歴史教科書に関心を持つきっかけとなりました。

15年くらい前に話題となった「新編日本史」が出版されたとき、出版社から直接、教科書を取り寄せて、読んだことがあります。特に4年前の教科書の採択では西尾幹二先生が中心になって編集された『新しい歴史教科書を作る会』の教科書が話題となりました。当時の新聞を読み返すと「新しい歴史教科書をつくる会」の編集した歴史教科書に対する評価は、新聞社によって、社説に大きな隔たりがあり、読者はどの記述が正しいのか判断に困ってしまいます。

マスメディアは当時まだ、一度も一般市民の目に触れたことのないはずの歴史教科書に対して、大きな先入感を与え、また特定の教科書の採択を、組織的暴力的に阻止しようとするようなことが、他県でありました。

採択を行う教育委員会に、公平・公正な審査・採択を行って頂くためにも、マスメディアや団体、議員が、文部科学省の検定に合格している教科書を組織的に批判し、採択する側の教育委員会に政治的圧力を与えるような発言は自粛するべきだと思います。

大きな社会問題となった教科書の採択です。一方的な報道だけではなく、冷静な判断ができる環境を整えるために、多くの県民が自由に、教科書を見て頂く機会が必要だと思います。教育長のご意見を伺いしたい。

次に、昨年12月議会における、わが党の橋本議員からの「絞込み」に対する質問に対して、教育長は『玖珂採択地区では、選定委員会で4社の教科書を選んで、採択地区協議会に報告しており、その後、採択地区協議会において、改めて、8社すべての教科書を対象に審議されており、他の教科書が審議の対象外となる「絞り込み」という行為はあってはならないと考えている」と回答されています。しかし、4社の教科書を選んだことそのものが「絞り込み」ではないでしょうか。また、豊浦地区採択協議会の議事録を見ますと研究調査員会の報告として、歴史教科書について、協議会委員の質問に対して「順位を付けるとすると、1番が東書、2番が大書、3番が帝國です。東書がよいのでと思われます」と東書を選ぶことを促しています。教科書の採択は教育委員の使命であり、研究調査員会が順位をつけることそのものが、越権行為です。最終判断を意図的に仕向けていると思われてもしかたありません。

「絞り込み」「順位付け」に対する、ご意見を伺いたい。

次に、選定資料の作成について、橋本議員からも質問がありましたが、前回の採択では、調査資料の項目の中に、教育課程の基準である学習指導要領の目標などに照らした観点は、一点しかありませんでした。新学習指導要領「中学校社会科歴史的分野」では「我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」という目標が示されているが、これらの目標も含めた詳細な選定資料が策定されるのかどうか、ご意見を伺いたい。

次に、教科書の採択は教育委員の使命であり、教科書選定にあたっては、自ら教科書に目を通し、間違っても事前に準備された選定資料のみに頼って、自らの判断を放棄してはならないと考えます。教科書の採択について、教育委員の責任義務そして役割について、どのようにお考えなのか、ご意見を伺いたい。

最後に、前回の教科書採択に当たっては、文部科学省から「教科書採択の在り方の改善について」という通知を受けて、ある程度の改善がなされたが、今回の採択に当たって、さらなる改善を予定されていれば、お伺いしたい。

教科書採択にあたっては県教育委員会および各採択地区教育委員はその責務遂行のために、学習指導要領の目標等を重視し、採択権限と責任において自らの判断により、採択して頂きたいと願っています。

次に、防災について質問します。
平成11年18号台風で、宇部市が高潮による甚大な被害を受けた後、山口大学で、5年間、防災対策に取組んできましたが、昨年の世界的な台風や豪雨、地震による災害状況を見ると、地球温暖化の影響が、本格的に出始めたという気がします。

台風や豪雨、地震だけではなく、夏の「干ばつ」に対する備えも必要です。いつ来るかわからない自然災害に対する備えの必要性を、県民が強く感じ始めています。

まず、災害弱者のための備蓄資材について質問します。

知事は、暮らしの安心と、安全基盤の強化として、来年度予算に、洪水・高潮ハザードマップ整備の支援や県有施設の耐震化、地域における自主防災組織の育成支援、コミュニティーFM放送局を活用した災害情報提供の体制作りなど、防災対策に積極的に取り組まれており、大きな期待をしております。災害に強い社会基盤の整備、ソフト面での充実はもちろん大切ですが、県として、自然災害発生時における対策としての備蓄について、品目および量の拡充が必要だと思います。

先般、障害者の皆さんに、防災対策について講演させて頂き、多くのご意見を伺う機会がありました。ある障害者から「昨年、台風が上陸したとき、ちょうど食事のときに停電になった。食事のため、電動式ベッドの背の部分を起こした状態だったため、もとに戻し、平らにすることができず、3日間、椅子に座った状態で寝なければならなかった」という話を伺いました。また、電動車いすのバッテリーが上がり、生活に困ったという意見もありました。高齢者の電動カーでも、同じようにバッテリーが上がり、買物にいけない日々が続いた方も多くいたようです。発電機の必要性を要望された方の多さに驚き、防災対策について、障害者や高齢者の意見を伺う必要性を強く感じました。

自然災害は、被害が全県下に及ぶことは少なく、被災地の分散を考えると、市町村で備蓄を行うより、県で行ったほうが良い備蓄品目もあります。家庭用小型発電機などは、流通備蓄での取り扱いは少なく、特にその必要性を感じます。

発電機はその一例ですが、県における災害弱者のための備蓄資材の充実について、ご意見を伺いたい。

次に、災害ボランティアセンターの運営と体制について質問します。
被災地を視察すると、阪神淡路大震災の教訓から、県や市が運営する災害対策本部は、初期段階から十分機能していますが、新潟県中越地震でも感じたことですが、災害ボランティアセンターは、運営団体である社会福祉協議会等の職員の訓練と知識不足から、初期段階では十分機能していないように思えます。県も市も防災担当の職員は、普段から防災に携わっており十分な訓練と知識がありますが、その他の部署においては、そのような訓練も知識もありません。社会福祉協議会など関係職員も、普段、災害とは関係のない職務に携わっている職員が多く、突然の災害に対応することは難しいのではないかと思えます。新潟県中越地震では、阪神淡路大震災などで活躍したボランティアが、災害ボランティアセンターの中心的存在となって、活動が行われていたようです。

ライフラインの復旧は行政の仕事ですが、個人の住宅復興には、ボランティアの活躍は非常に大きな力となります。新潟県では毎日3千名が活躍しました。ボランティアのケアも災害ボランティアセンターの仕事です。

災害発生後の早急な災害ボランティアセンターの運営体制作りのためには、大規模な自然災害発生時には、社会福祉協議会職員の現地への派遣が必要と思われます。災害ボランティアセンターの職員としてではなく、ボランティアとしての派遣だけでも、その課程で、運営体制を学ぶことができます。ご意見を伺いたい。

次に、障害者施策。
先ほどの防災対策についての質問と関連しますが、避難所となる県立学校のバリアフリー化について質問します。

現在、避難所に指定されている県立学校は、県立高等学校については分校も含め、71校中33校、また盲、ろう、養護学校では14校中1校であり、合計で85校中34校です。しかし、避難所となる体育館等に障害者用トイレやバリアフリー機能が備わっている学校はその半数程度しかありません。

「避難所に行っても障害者用トイレがないから、私は避難勧告を受けても、自宅にいたほうがいい」と言っている障害者や高齢者がいます。現状では県立学校の多くは、障害者にとって、避難所となりえない施設です。避難所となる県立学校における障害者用トイレの早急な設置と、施設のバリアフリー化について、ご意見を伺いたい。

次に、障害者車両シールに対する一般車両への啓発について質問します。
最近、高速道路のパーキングエリヤやショッピングセンターの駐車場に、車椅子とPのマークの書かれた障害者専用駐車場が設置されるようになり、ノーマイラゼーションの浸透を感じます。

先日、その駐車場のそばを通りがかったとき、障害者車両シールを貼った乗用車が障害者用駐車場に入ってきました。ところが、車内から出てきたのは、若い家族連れ、障害者らしい人はいませんでした。

最近、健常者であるにもかかわらず、障害者車両シールを貼り、障害者用駐車場を使っている人が増えているようです。障害者の意見を伺うと、車椅子の場合、通常の駐車場では、駐車スペースが狭くて乗り降りができず、長時間、障害者用駐車場が空くのを待つこともあるそうです。

障害者車両シールは、市町村の障害福祉課が、障害者手帳や介護認定度によって無料で配布されておりますが、怪我などで必要なときにも配布されているようです。似たようなものが、カー用品店や百円ショップなどで販売されているため、容易に購入できることも影響しているようです。

健常者が障害者車両のシールを貼り、障害者用駐車場に駐車することは、明らかなマナー違反であり、なんらかの啓発はできないものでしょうか、ご意見を伺いたい。

次に、授産施設における商品開発の支援について質問します。
皆さんのお手元に差し上げている煎餅は、宇部市の授産施設である社会福祉法人「南風荘」の「セルプ南風」が商品開発した「月待ちがにせんべい」です。後ほど、ゆっくり味わって頂ければと思います。カリッという歯切れ良い音、かにの香り、そして口の中に広がる、味わいの良さが魅力です。宇部市のデザイナーの吉井さんによってプロデュースされた商品ですが、たいへん好評です。現在、山口宇部空港でも販売が始まり、まもなく新山口駅でも販売されるとのことです。

いずれ宇部市だけではなく、山口県の名産と呼ばれるようになればと願っています。

さて、その「月待ちがにせんべい」の商品開発は平成14・15年度の障害者等地域協働モデル事業として「障害者と高齢者等が協働して、新たな仕組みの構築を目指し、障害者の自立と社会参加の一層の推進ならびに地域住民の活躍する環境づくりの推進を図る」ことを目的として実施されたものです。

授産施設で障害者が行っている仕事は下請けの仕事が多く、利益率が低いため、新たな事業の創設、また新商品の開発が強く求められています。

特に、障害者自立支援法が施行されると、授産施設は、就労継続支援の利用者に対する工賃支払基準や、毎年度の工賃支払目標額の設定などが義務付けられることになり、利益率の高い新規事業の開発が、ますます求められています。

「セルプ南風」が商品開発した「月待ちがにせんべい」は、ある意味では画期的なことであり、これから後に続く授産施設にとっても大きな励みとなります。

今後もこのような取り組みの必要性と、商品開発後のさらなる支援策もまた必要であると考えますが、ご意見を伺いたい。

次に、秋吉台の石灰石採掘と水源確保・森林保全涵養について
美祢市と美祢郡にはカルスト台地が広がり、特に秋吉台国定公園は春夏秋冬、それぞれに自然の豊かさを県民に感じさせる憩いの場であり、観光資源としても大きな価値があります。しかし、秋吉台から少し離れると、大手企業の経営する石灰岩を採掘する鉱業所があり、広範囲に渡り森林が伐採され、表土は削り取られ、石灰岩がむき出しになった採掘現場となっています。通常の宅地造成や建築用採石場とは、その規模が全く違います。

秋芳町のお年寄りから「若い頃に比べると、厚東川の水位が低くなった。弁天池の湧水量も減った。石灰岩の採掘で、山の保水能力が低下したからかもしれん。」という話を伺いました。森林伐採と表土を取り除いたことで、保水能力は低下しているとおもわれますが、厚東川の水位と、弁天池の湧水量の低下に対する因果関係はわかりません。

いずれにしろ、宇部市にとって、秋芳町は大切な水源であり、厚東川の水位の低下は、直接、厚東川ダムの貯水量に影響を与えます。

水源確保を目的として、小野田市は水源涵養のために、秋芳町の山を購入し、また宇部市は小野湖周辺の水源涵養のために、水道料金に対して、水1㎥当たり1円を上乗せしています。宇部市も小野田市も、水源確保のために、森林を守るための活動をしているにも関わらず、片や森林破壊が進んでいます。石灰の採掘にあたっては、森林の整備や水源涵養という視点が重要であると思います。

採石については、採石法に基づき、県の認可を必要とし、初めの採取計画の段階で、採石後の整備について、宅地化など具体的な跡地利用が見込まれない部分については緑化、または跡地をそのまま放置しないように指導しています。

しかし、石灰石の採掘については、鉱業法に基づき、国の出先機関である中国経済産業局により、施業案の認可を受けることになっています。鉱業法は防災上の視点での法律であり、森林の整備や水源の涵養という視点での法整備はされていません。当然、採掘後の整備についても計画されているとは思いますが、その内容が不安です。

石灰石の採掘は国の認可事業ですが、採掘後の整備についての施業案の内容がどうなっているか、また県として企業にどのような指導をしているのか伺いたい。

再質問

有害図書にビニールカバーをかせさせるための条例改正について再質問します。まず、担当部署である環境生活部の部長に伺います。

大阪府は大田房江知事が、私の昨年の2月議会の質問文とまったく同じ文章をヒアリングで読んで、「有害図書にビニールをかぶせることは、いいことだ からやりましょう」と発言して、条例改正が決まったと聞いています。それを受けて今回の再質問をしたわけですが、なぜ山口県も改正しようとしないのか。

担当部署のトップが「やる」と決めれば、上も下もついてきます。

仮に、二井知事が「条例制定に向けて努力する」と回答したからといっても、子どもを持つ若いお母さんや、県内の青少年団体も「知事はよく決断した」と賞賛する人はいても、非難する人はいません。

大阪府は「ヌード写真を掲載した雑誌はすべて、ビニールをかぶせる条例改正を行う」と言っています。

私は、すべてビニールをかぶせるのは、ハードルが高すぎるから、有害図書に限定した改正をお願いしました。書店などの業界にとっても大きな負担とはなりません。

大阪府より低いハードルを越えられないのは、青少年健全育成に対する危機感の無さと、諸団体が何を言おうと、青少年の未来のために「できることはなんでもやる」という気がないだけではないですか。

「条例改正にむけて努力する」という回答が、なぜできないのか。知事ヒアリングで、私の思いをどう伝えたのか、部長に伺いたい。

再質問
部長。

できない理由ばかりを述べるのではなく、どうすればできるかという考え方が大切だと思います。

 

二井知事に伺います。

東京都知事、大阪府知事が「条例改正を行う」と発言し、大きな波紋を広げ、その結果、一部のコンビニエンスストアー業界や出版業界が、自主規制を始めました。

決して諸団体や業界と下話を終えて、知事が発言したわけではありません。

知事独自の思いから出た発言だと思います。

山口県という、地方の県が同じように、条例改正という名乗りを上げれば、一気に全国に波及し、有害図書に対する世論は大きくなり、海外のコンビニと同じような取り扱いになる可能性があります。

私は、まもなく、他県でも条例改正に向けた動きが始まると、思っています。どうせやるなら、今です。

知事の青少年健全育成に対する思いと、条例改正についての考えを伺いたい。

答弁

1 教育問題について
(1)
わいせつ雑誌にビニールカバーをかけさせるための条例制定について

書店等に並ぶ青少年に有害な雑誌類にすべてビニールカバーをさせるための条例を制定して欲しいが、再度、知事の意見を伺う。
私からは、青少年に有害な雑誌の取扱いに関する条例制定についてお答えいたします。有害図書へのビニールによる包装の義務化につきましては、昨年、東京都 において条例改正がなされ、また現在、大阪府においても、同様の検討がされているということは、私も承知をいたしております。

一方、本県におきましては、平成14年3月に改正した現行条例におきまして、有害図書類の区分陳列等を義務づけております。

従いまして、本県におきましては、書店等における区分陳列の徹底を図るために、県内ほぼ全域において、有害図書の陳列状況等の調査を行いますとともに、違反をしてるものにつきましては、個別に改善指導を行っております。

また、来年度からは、有害環境の一層の改善を図るために、市町村職員の協力による書店等の立入調査の拡充を図りますとともに、現在、県内各地でボラ ンティアとして活動している約1,600人の少年補導委員と連携をし、環境浄化活動の促進を図るなど、地域における主体的な取組をさらに強化をしてまいる ことにいたしております。

そこで、お尋ねの条例改正についてでありますが、昨年のご質問も受けまして、山口県青少年問題協議会等の意見、委員の皆さんからも意見を聞きました が、「現時点では、関係者の合意を得られている区分陳列について、徹底を図るべきではないか」というような御意見もいただいておりまして、私は、当面は、 こうした取組を強化、強力に進めることとし、その中で、条例改正の必要性について検討してまいりたいと考えております。

1 教育問題について
(2)卒業式のあり方について
フロアー形式の卒業式を行っているある小学校では、 卒業生が一度も国旗に正対することなく、国旗に背を向けたままで卒業式が行われている。卒業式は、参加者全員が国旗の掲げてある舞台に向かうか、仮にフロ アーで行う場合には、体育館中央部天井から国旗を吊り下げるか、少なくとも演台の上に国旗が置かれるべきであると考える。改善を求めたいが、教育長のご意 見を伺う。
教育に関する数点のお尋ねにお答えいたします。

まず、卒業式のあり方についてであります。

卒業式につきましては、その進め方や内容について各学校でいろいろな形がありますが、いずれにしましても、卒業式においては、国旗を掲揚することと しており、その実施にあたっては、各学校において、厳粛かつ清新な雰囲気の中で、国旗に対する正しい理解と、それを尊重する態度を育むための創意工夫と配 慮が必要であると考えております。

1 教育問題について
(3)中学校教科書の採択について
話題となっている教科書だけでも、多くの県民に自由に見て頂く機会が必要だと思うが、意見を伺う。

玖珂採択地区の選定委員会で、4社の教科書を選んだことそのものが、絞り込みではないか。また、豊浦採択地区の議事録では、協議会の委員の質問に対して、「順位を付けるとすると、1番が東書、2番が大書、3番が帝國です。東書がよいのではと思われます」と東書を選ぶことを促している。教科書の採択は教育委員の使命であり、研究調査員会が順位をつけることそのものが、越権行為であり、最終判断を意図的に仕向けていると思われる。「絞り込み」「順位付け」に対する、意見を伺いたい。

新学習指導要領「中学校社会科歴史的分野」では「我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」という目標が示されているが、これらの目標も含めた詳細な選定資料が作成されるのかどうか、意見を伺いたい。

教科書の採択について、教育委員の責任義務及び役割について、どのようにお考えなのか、意見を伺う。

前回の教科書採択に当たっては、文部科学省から「教科書採択の在り方の改善について」という通知を受けて、市町村教育委員会に対してある程度の改善をしておりますが、今回の採択に当たっての、さらなる改善の予定について、伺いたい。
次に、中学校教科書の採択についてのお尋ねであります。

まず、教科書の閲覧につきましては、教育事務所や教育委員会等に設置しております、県内22か所の教科書センターにおきまして、県民の方々の御理解をいただくために、年間を通して、いつでも閲覧できるよう、すべての教科書を展示しております。

また、毎年6月から7月にかけましては、これらのセンターの他にも、臨時の会場を設けて、教科書展示会を開催しております。

今後とも、県民の方々に、広報誌等を通して、教科書展示について、広く周知してまいります。

次に、玖珂と豊浦採択地区にかかわっての、「絞り込み」「順位付け」についてであります。玖珂採択地区におきましては、選定委員会で4社の教科書を 選び、その後、協議会において、改めて、すべての教科書を対象に審議しており、また、豊浦採択地区協議会では、すべての教科書を対象とした調査結果の報告 の後、協議会委員からの質問に対しまして、調査員が地域の実情や子どもたちの学習状況を踏まえ、意見を述べたものであると聞いております。各採択地区協議 会では、すべての教科書を対象に慎重に審議しております。

いずれにいたしましても、教科書の採択に当たりましては、公正かつ適正な採択の確保という観点から、一部の教科書が審議の対象外となる絞り込みは、あってはならないことであります。また、あらかじめ順位付けをした選定資料の作成・報告は、適切でないと考えております。

次に、選定資料の作成についてでありますが、学習指導要領に示されております目標や内容等を踏まえまして、児童生徒の実態や地域の実情等に照らし て、適切に教科書研究を行い、数値化の手法なども取り入れまして、教科書の特徴を分かりやすく示した選定資料となるよう検討をしてまいります。

次に、教育委員の責任義務や役割についてであります。

教科書の採択につきましては、市町村教育委員会が、関係法令に基づき、公正かつ適正に採択を行っていく必要があります。

このため、教育委員は、教科書が、児童生徒が学習するための主たる教材でありますことを十分認識し、選定資料等を参考にしながら、適切に判断することが必要であると考えております。

次に、今回の採択に当たってのお尋ねであります。

まず、採択地区につきましては、地域の実情等を踏まえまして、適切な範囲に設定することが必要でありますことから、県内すべての市町村の意向を踏まえまして、これまでの10の採択地区を見直し、13の採択地区を設定したところであります。

また、本年2月に、教科書採択の連絡協議会を開催しまして、市町村教育委員会等に対し、採択が公正かつ適正に行われるよう、調査研究期間の十分な確保や採択手続きの改善等について指導、助言を行ったところであります。

県教委といたしましては、今後とも、市町村教育委員会における教科書採択が、公正かつ適正に行われるよう、必要な指導、助言等を行ってまいります。

2 防災について
(1)
災害弱者のための備蓄資材について
ある障害者は、昨年の台風で電動式ベッドを起こした状態で停電し、3日間、座った状態で寝なければならなかったそうである。

また、電動車いすや高齢者の電動カーのバッテリーが上がり、生活に困ったとの意見もあり、発電機の必要性を要望された方の多さに驚き、防災対策について障害者

や高齢者の意見を伺う必要性を強く感じた。

自然災害は被害が全県下に及ぶことは少なく、被災地の分散を考えると、市町村よりも県で行った方が良い備蓄品目もある。家庭用小型発電機などは、流通備蓄での取扱いは少なく、特に必要性を感じる。

発電機は一例であるが、県における災害弱者のための備蓄資材の充実について、意見を伺う。】
防災に関するお尋ねのうち、災害弱者のための備蓄資材についてお答えをいたします。

昨年の台風や豪雨などに見られますように、高齢者等の災害時要援護者、いわゆる災害弱者の被災の多いことが大きな

課題として、近年、クローズアップされてきております。

こうした方々は、災害時の行動に多くの困難が伴いますことから、平常時から災害弱者に配慮した防災対策を整備しておく必要があります。

お尋ねの災害弱者のための備蓄資材につきましては、市町

村においては、高齢者や障害者、あるいは乳幼児にも配慮して、応急用の食料品や飲料水、粉ミルク等を含む生活必需品等の備蓄を行っているところであ り、また、一方県におきましては、市町村の備蓄を広域的に支援、あるいは補完する立場から、県下各地域に毛布や防水シート等を備蓄いたしておりますととも に、大規模小売店等の供給事業者との協定により、被災時に必要な食料品、生活必需品等を確保する、いわゆる流通備蓄も行っているところでございます。

お示しのありました電動の車いすやベッドは、災害時の停電により影響を受けますが、これらへの対応については、例えばボランティアの力を借りて、避 難所に設置される発電機や近隣の施設の電源を使ってバッテリーを充電する方法や、一時的な福祉施設への入所など、ケースによっては様々な対策が考えられま す。

したがいまして、このたび新たに設置する「災害時要援護者対策等検討委員会」の中で、ご提言の内容やあるいは趣旨や、住民、特に災害弱者に対する支 援をお願いするボランティア等の方々との役割分担などを踏まえ、備蓄資材の充実を含めた効果的な災害時の要援護者対策について、具体的に検討してまいりま す。

防災について
(2)災害ボランティアセンターの運営と体制について
災害発生後の早急な災害ボランティアセンターの運営体制作りのためにも、大規模な自然災害発生時には、社会福祉協議会職員の現地への派遣が必要と考える。

災害ボランティアセンターの職員としてではなく、ボランティアとしての派遣だけでも、その過程で、運営体制を学ぶことができます。ご意見を伺う。
まず、防災に関して、災害ボランティアセンターの運営と体制についてであります。

阪神・淡路大震災以降、大規模な自然災害発生時の救援活動を見ますと、ボランティアによる活動が大きな役割を果たしてきており、こうしたボランティアの方々の活動を支援する、災害ボランティアセンターの円滑な運営が重要となってきております。

このため、特に、災害ボランティアセンターの運営の中核となります社会福祉協議会の職員の資質の向上を図ることが必要であり、これまで県社会福祉協 議会において、平成9年3月に作成しました「災害救援ボランティア活動マニュアル」を活用しての県総合防災訓練での実践的な運営訓練や、運営の中心的役割 を担うボランティアコーディネーターの研修などに取り組んできているところであります。

こうした取組と併せまして、平成7年の阪神・淡路大震災や昨年の新潟県中越地震をはじめ、全国の大規模な自然災害の際には、社会福祉協議会の職員も20名程度、現地での運営に携わってきたところであります。

また、災害発生後、初期段階から迅速な救援活動を展開するためには、お示しのように、万一に備えてボランティアコーディネーターをはじめ、より多くの社会福祉協議会職員が被災地で実際に活動を体験し、学んでおくことが、さらに重要であると考えております。

したがいまして、県としましては、今後とも、県社会福祉協議会と連携を図り、訓練や研修等を通じ災害時の対応について、職員の知識や理解を深めます とともに、大規模な自然災害が発生した場合には、可能な限り、多くの職員の派遣ができるよう、県内の社会福祉協議会に対して要請を行い、災害ボランティア センターが十分に機能するよう努めてまいりたいと考えております。

3 障害者施策について
(1)避難所となる県立学校のバリアフリー化について
災害時に避難所となる県立学校における障害者用トイレの早急な設置と、施設のバリアフリー化をお願いしたいが意見を伺う。
次に、災害時に避難場所となる県立学校のバリアフリー化についてのお尋ねであります。

県立学校施設につきましては、従来から、安心・安全な学校生活が送れるよう、改築、大規模改造工事に併せて行うバリアフリー化や身体に障害のある児童・生徒の入学が見込まれる際の階段昇降機や障害者用トイレの設置など、その整備に努めてきたところであります。

しかしながら、地域防災計画において、分校を含む県立学校85校のうち35校が避難場所に指定されておりますが、障害者用トイレが整備されているの は18校など、バリアフリー化が十分でない状況であります。災害時には高齢者をはじめ障害者の避難も想定されますことから、利用しやすい障害者用トイレ等 の整備が必要であると考えております。

このため、県教委といたしましては、今後、「耐震化基本計画」に基づく施設の耐震化を進める中で、避難場所に指定されている県立学校につきましては、バリアフリー化の視点も十分に踏まえた施設整備に努めてまいります。

3 障害者施策について
(2)障害者シールに対する一般車両への啓発について
健常者であるにもかかわらず、勝手にシールを貼り、障害者用駐車場を使用している人がいる。明らかなマナー違反であり、何らかの啓発ができないのか伺う。
次に、障害者施策について、まず、障害者用駐車場の利用マナーの啓発についてのお尋ねであります。

お示しの障害者シールは、障害者が利用できる施設等であることを示す国際的なシンボルマークであり、法的な効力はないものの、障害者の活動の範囲を広げ、社会参加を促進する環境づくりの上で、大切な役割を果たしております。

県としても、お示しのようなマナー違反ともとれる事案が生じておりますことは、憂慮すべきものと考えており、地域での協働・支え合いによる「福祉の まちづくり」を進めるためにも、こうした行為がなくなるよう、広く県民の皆様の理解を求めていくことが重要であると考えております。

このため、県におきましては、これまでも、県政テレビ放送、県のホームページ等の各種広報媒体等を通じ、障害者用駐車場の利用マナーに関する意識の啓発に努めてきたところであります。

また、県庁舎の障害者用駐車場につきましても、他の施設のモデルともなるよう、昨年、健常者の駐車に注意を促すための音声案内装置を設置したところであります。

しかしながら、今後一層、県民の皆様の理解を求めていくことが必要と考えており、市町村や関係団体の広報誌への掲載を依頼するなど、普及啓発をさら に強化するとともに、障害者用駐車場の整備の促進に向けまして、設置者に対する技術的アドバイスや施設改修の助成等の支援に努めてまいります。

3 障害者施策について
(3)授産施設における商品開発の支援について
宇部市の授産施設が「月待ちがにせんべい」を開発したことは画期的なことであり、こうした授産施設における商品開発と開発後のさらなる支援も必要と考えるが、意見を伺う。
次に、授産施設における商品開発の支援についてのお尋ねであります。

障害者の社会参加と自立を支援する上で、授産活動の充実・強化を図ることは重要な課題と考えております。

このため、県といたしましては、これまでも、県障害者施設授産協議会と連携して、授産製品の販売・PRを行う「福祉の店」の設置や、製品の品質向 上、販路の拡大などの取組を促進してきており、特に、新たな商品開発に向けましては、モデル事業を実施し、地域の多彩な資源の活用やアドバイザーの派遣等 により、授産施設における製品の開発等を支援してきたところであります。

こうした取組の成果として、お示しの「月待ちがにせんべい」や付加価値の高い竹炭の開発、JAとの連携による農産物の生産などが行われてきていると ころでありますが、今後は、より多くの施設において、多様で魅力ある商品が開発されるとともに、開発後の販路の開拓や受注量の確保を支援していくことが重 要であると考えております。

このため、来年度におきましては、新たに、9つの保健福祉圏域ごとに、企業や農林業の経験者等からなる「授産活動サポーター」を配置し、幅広いネッ トワークを活用した商品開発への取組を支援することとしております。また、開発後の販路の拡大に向けまして、新製品や優良品を集めた「授産製品コンテス ト」を新たに開催するとともに、これまで進めてきました共同受注システムの一層の活用促進と機能強化を

図ることとしております。

今後とも、障害者の方々にとっての励みともなるよう、県内各地域の授産施設における商品価値の高い製品の開発や販路の拡大等を、鋭意、支援してまいります。

秋吉台の石灰石採掘と水源確保・森林保全涵養について
秋吉台の近隣では、大手企業の経営する石灰石を採掘する鉱山があり、自然破壊が進んでいる。石灰石の採掘にあたっては、森林の整備や水源涵養という視点が重要と思われる。

石灰石の採掘は国の認可事業であるが、採掘後の整備について、施業案の内容がどうなっているのか、また、県として企業にどのような指導をしているのか伺う。
秋吉台における石灰石採掘後の整備について、施業案の内容と、企業に対する指導についてであります。

石灰石を採掘する企業は、鉱業法に基づき、採掘着手前に施業案を定め、国の認可を受けることとなっております。

また、施業案には、鉱山労働者に対する危害の防止や鉱害の防止の観点から、採掘後の整備を含む採鉱の方法や災害防止施設に関する事項等を記載することとなっております。

お尋ねの採掘後の整備につきましては、①残壁(ざんぺき)、残った壁と書きますが、残壁の造成に当たっては、

緑化工法等により残壁(ざんぺき)の保護に努める。

② たい積場等については、法面(のりめん)に植栽等を行い崩壊防止や景観保護に努める。

等の内容になっております。

次に、企業に対する指導についてであります。

お示しのとおり、県には、法に基づく指導監督権限がありませんが、企業に対し、森林の整備や水源涵養という視点から、今後、協力を要請してまいりたいと考えております。

再質問1 教育問題について
(1)
わいせつ雑誌にビニールカバーをかけさせるための条例制定について
昨年2月議会では、ビニール包装について青少年問題協議会等の場で広く意見を伺との回答であったが、その後どのような形で広く意見を伺ったのか。

大阪府より低いハードル(ヌード写真を掲載した雑誌すべてにビニール包装するのではなく、有害図書に限定した条例改正)が越えられ ないのは、青少年健全育成に対する危機感のなさと、諸団体がなんと言おうとも青少年の未来のために、できることは何でもやるという気がないだけではない か。

条例改正に向けて努力するという回答がなぜできないのか、また、知事ヒアリングで私の思いをどう伝えたのか部長に伺う。】
青少協の場で意見を伺うという回答であったがどのよう な具体的なことをしたのかという御質問です。

有害図書へのビニール包装への取組につきましては、昨年6月と11月に開催をいたしました山口県青少年問題協議会におきまして有害図書の取扱いの中で意見を求めたところでありますが、委員の皆様からのビニール包装の具体的な発言はありませんでした。

さらに2月、学識経験者からなります、同、この協議会の専門委員から意見を伺ったところであります。

その中で、有害図書の区分陳列やビニール包装をすることについては、現時点ではビニール包装の義務化は販売店側の負担が生じることも予想されて、関 係者の理解が得られにくいのではないか、また関係者の合意の得られている区分陳列について、現行条例の基準に沿ってきちんと区分陳列が図られるよう徹底す べきではないか、表現の自由などにふれることにつながりかねない、慎重な検討が必要ではないか。などの意見がでたところであります。

次に大阪でしようとしているのをなぜ本県でそれを取り入れないのか、という御質問で、少数の指定をすればいいのではないかという御質問にお答えいたします。

本県といたしましては、これまでの検討におきまして、一定量の有害記事があります図書について包括的に規制をいたしております、本県の包括指定方式をとっております。

本県におけるビニール包装の義務化というのは大規模な規制となりますことから、販売店側の負担が過度に重くなることが予想されまして、関係者の理解 が得られにくいこと、また、個別指定方式を取り入れますと絶対的基準がないために指定基準があいまいとなりますことから、全面的な販売店・出版店の協力が 必要になるなどの問題点があると考えておるところであります。

こういったことから、お示しの条例改正につきましては、その必要性について更に検討させていただきたいと考えております。

再々質問

1 教育問題について
(1)
わいせつ雑誌にビニールカバーをかけさせるための条例制定について
東京都知事、大阪府知事が条例改正を行うと発言し大きな波紋を広げてコンビニエンスストアや出版業界も自主規制を始めている。決して諸団体や業界に先に下話ししたわけではない。知事独自の思いからでた言葉だと思っている。

山口県という地方の県が同じように条例改正という名乗りを上げれば、全国にいっきに波及する。

知事の青少年育成に対する思いと、条例改正についての考え方を伺う。

わいせつ雑誌にビニールカバーを掛けさせるための条例制定についての私に対する御質問にお答えをいたします。

申すまでもなく、次代を担う青少年を健やかに育てていくということは、県民すべての願いでもありますし、私はこれを害するようなあらゆる行為から青少年を守っていかなければならないという思いであります。

そのためには、今の具体的な御質問の関係で言いますと、有害図書等の規制についても実効性の高いものにしていく必要があると私も思っております。

したがいまして、最初に答弁をいたしましたように、今本県は包括指定方式というのを取っておりますから、これの施行状況、この実態の把握にまず務めていきたいと一つは思います。

それから同時に、今申し上げましたように、この条例を実効性のあるものにしていくためには、先程環境生活部長が答弁いたしましたように、課題をいか に解決をして実効性のあるものにしていくか、このことがたいへん大事であるというふうに思いますから、今、全国でも唯一東京都とはちがう形での大阪府の方 式を研究検討されておるわけですから、大阪府の方式について、課題がどういう形で解決をされ、実効性のあるものにされようとしているのか、その辺を情報収 集いたしますと同時に、青少年問題協議会等の意見も聴きながら県としての問題点の解決のために努力をしていきたいと考えております。

再々質答弁おこし2

1 教育問題について
(1) わいせつ雑誌にビニールカバーをかけさせるための条例制定について 私はハードルを低くしている。大阪府みたいに全部やれとは言っていない。有害指定図書だけでもやったらどうかと質問している。(東京都知事がやろうと言ったがためにローソンでは、ビニールテープを取り入れるなどの手段をとり始めている。その当たりのことについてどうも認識が違う。)

子どもの視点はなく業界の不自由さばかりである。やろうと思えばやれることがなぜできないのか非常に不満でならない。

できないというのであれば、議員提案で条例改正を進めたいと私は思うが、部長の私の思いに対する考え方をもう一度お尋ねする。
ビニール包装を少数の図書だけ指定をして、ビニール包装を義務化すればいいのではないか、ハードルは低くなるのではないかというお尋ねでございます。

現在本県では、包括指定という指定の方式をとっておりまして、包括指定によります、現在、山口県の販売禁止図書類は約3000冊程度であります。

この中で、個別にビニール包装を個別に指定をいたしますと、販売図書に青少年には見せてならない図書2つ存在をいたしまして、見せてならない図書、 絶対に見せてならない図書、非常に絶対的そこに基準がございませんので、二重基準といった論理的に矛盾がでてまいりますので、これを実施するためには、販 売店・出版店等大勢の皆様方の全面的なる御協力の必要が生じてくるためでございます。

山口県といたしましては、次代を担う青少年が健やかに育つことは県民の願いと思っておりますので、現在進めております包括指定方式によりまして、区分陳列の状況を十分に取り組んでまいりたいとこのように考えております。

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