縁を生かし、今を喜ぶ
財団法人修養団が毎年夏休みに沖縄の渡嘉敷島で障害児を含めたサマーキャンプを実施している。 そこに、十七歳のヨウ子ちゃんという、両手両足の動かない女の子がお母さんと車椅子で参加した ▼沖縄のきれいな星空に誘われて七夕祭りをすることになり、「願い事」を短冊に書くことになった。 ヨウ子ちゃんにも「何か書いて」とお願いすると「別にないな」という返事。 夕方になって、子どもたちが短冊を笹に吊るすようになって再び「何か書いたら」と促すと「じゃあ、一つだけ」と書いてくれたのが「もし、神様がいらっしゃるならお母さんより一日だけ早く死なせて下さい」という言葉。 両手両足の動かない女の子は、お母さんが先立った後を思ったのだろう。炊事のお世話していたお母さんが、その短冊を見て「私も一言、書いていいですか」と書かれたのが「もし、神様がいらっしゃるなら、贅沢かもしれませんが娘より一日だけ長生きさせて下さい」という言葉だった [...]