私の卒塾生のお父さんで、友人でもある飯田さんが、病気で長期療養を余儀なくされ、完成したばかりのきれいな施設に入所しました。
筋力が衰える病気なので、腕力と脚力が弱く、自力での移動は困難な状況です。
10月に入所したとき、初めてお見舞いに行くと、既製品の小さなテーブルで食事をし、その端でパソコンを使っていました。
その状況を見て「もっと使い勝手のいいものが、既製品でもあると思う。探してみようか。もしなかったら、私が造ってあげる」と、ついつい軽口を叩いてしまいました。
以来、家具屋さんやホームセンターに行くたびに、机のコーナーなどに行って見ましたが、なかなか良いのが見つかりません。
いつも間にか12月になってしまい、意を決して自作することにしました。
飯田さんの施設に行って寸法を測り、要望をしっかり聞いて、材料を探しましたが、なかなかジャストサイズの木材がありません。
ホームセンターの「グッデイ」で、ようやく使えそうな材料を見つけました。
有難いのは、部材を全部、希望どおりの寸法にカットしてくださったことです。
しかも、鋸の歯がいいため、カンナ掛けはほとんど必要ありませんでした。
私は大工の息子、幼いときから物づくりが大好きで、太平洋横断したヨットも自作です。
造り始めたら、こだわりの連続、とことん良いものを造ろうと思ってします。
サガですね。

事務所の玄関で造りましたが、一人で模索するのは、とても楽しい時間です。
写真左:完成した机です。(後はニス塗りだけの状態ですが、結構苦労しました。4回塗りです。)
天板(幅1m)の高さは、ベッドの手すりがその下に入る高さ、71cmです。
ベッドに座った状態で、左端で食事をし、ベース部分にコロがついているので、そのまま机を左側に寄せれば、パソコンが使えます。
天板の縁には、落下防止用に「見切り縁」を取り付けました。
造った後で感じたのですが、この机、一般の入院患者さんにもお役に立ちそうな気がします。
写真右:施設に運び込まれた机。
運び込んだ後で、机の右端にはカップホルダーを、左側には鉛筆立て、物入れ、雑誌入れ、その内側にはテッシュ入れを取り付けました。

飯田さんが、とても喜んでくれて、うれしかったです。
野鳥が好きな飯田さんに、おまけのつもりで鳥の巣箱を2個作り、窓越しに見えるように屋外にセットしました。