平成22年度6月定例議会・一般質問・答弁

Updata 2010年 6月21日

一 般 質 問

6月18日
岡村精二議員:一般質問全文

(自由民主党)

おはようございます。自由民主党の岡村精二です。

先日、机の引き出しを整理していると、小さな紙切れが出てきました。
大学生になった娘が小学2年生の頃、事務所で仕事をしていると、そっと私のそばに寄ってきて、ニッコリと笑って私に手渡した紙切れです。
「星香のマッサージ」と書かれた紙にはマッサージのメニューと値段が書いてありました。
可愛いイラスト入りで書かれた紙には、「肩もみコース5分20円」「腰もみコース5分20円」「全身コース15分50円」「スペシャルコース、これは人気殺到で受けられません」と書いてありました。

娘は小遣い稼ぎのためにアルバイトをしたかったのだと思います。

メニューを見ている私の顔を覗き込んで、注文を待っている娘に、私はこう答えました。
「星香が赤ちゃんの時、飲んだオッパイはタダ。星香の洋服代はタダ。星香の本代はタダ。星香の食事代も全部タダ。」と答えたら、娘は私の後ろに回って、黙って肩もみを10分間してくれました。それだけで、私は一日、幸せな気持ちになれました。

小さな紙切れの思い出ですが、幸せとは身近な所にあるのだと思わせて頂きました。日々の感動を大切にしたいと思います。

さて、私は文教警察委員会の委員長を務めさせて頂いていますが、よく県民の皆さまから「山口県教育とは何ですか?」「防長教育、長州教育といいますが、何ですか?」との質問を受けることがあります。
私は「吉田松陰先生、すなわち松下村塾の教えです」と答え「親思う心にまさる親心、今日のおとずれ何と聞くらん」「至誠にして動かざる者、未だこれ有らざるなし」という松陰先生のお言葉や、一人ひとりの個性を大切にする教育風土についてお話していますが、何か漠然としていて、山口県らしさを伝えることができませんでした。

先日、「山口県教育とはこれだな」と気付かせて頂いたことがありますので、ご紹介させて頂きます。
例えば、薩摩藩には「郷中教育」という教えがあり、「掟」には「嘘を言うな」「負けるな」「弱い者をいじめるな」「質実剛健たれ」などと書かれ、これが薩摩藩、言い換えれば鹿児島県教育の柱になっています。
また、会津藩には「什(じゅう)教育」という教えがあり、その中心的な存在は藩校の「日新館」であり、学ぶきまりとして「年長者の言うことに背いてはなりません」「年長者にはお辞儀をしなければなりません」「嘘を言うてはなりません」「卑怯な振る舞いをしてはなりません」「弱い者をいじめてはなりません」「戸外で食べ物を食べてはなりません」「戸外で婦人と言葉を交わしてはなりません」と書かれています。これが会津藩の教育の柱です。

そこで山口県教育の柱ともいうべき、松下村塾の塾則を調べてみると、5カ条の規則があり、第1条「両親の命、必ず背くべからず」、第2条「両親へ必ず出入を告ぐべし」、第3条「朝起きて顔を洗い、髪を整え、先祖を拝し、お城を拝し、東に向って天朝を拝する事、たとえ、病にふすときも怠るべからず」、第4条「兄はもとより、年長又は位高き人には、かならず従い敬い、無礼なる事なく、弟はいふもさら也。品卑しき、年すくなき人を愛すべし」、第5条「塾中に於て、よろづ応対と進退とを、切に礼儀を正しくすべし」と書かれています。

「両親の命、必ず背くべからず」「両親へ必ず出入を告ぐべし」という2つの規則は、他藩の掟や規則にはありません。「親を大切にする」という当たり前と思えることを塾則の、しかも第1条に謳っていることが松下村塾らしさであり、おおきな特徴です。
乃木希典大将の家訓は「幸を招く元は先祖に向かいて、朝晩手をば合わせよ」であり、松陰先生の影響を受けていたのではないかと思われます。
「親を大切にする」ということは花に例えれば、「根っこを大事にしなさい」という教えだとも受け取れます。
山口県教育とは「親や先祖を大切にする教育。郷土の偉人たちの生き方に学ぶ教育」ではないかと私は気づかせて頂きました。皆様は如何でしょうか。

それでは通告に従い、質問をさせて頂きます。まず、土木建築行政のうち、入札制度の改正について質問いたします。

建設業は社会基盤の整備、暮らしの安心・安全の確保、災害時における緊急支援など、社会的に重要な使命があるにもかかわらず、長期にわたる景気の低迷と公共工事の削減などにより非常に厳しい状況にあります。特に低価格入札による影響は、業界全体を疲弊させる事態となっています。
そこで2年前、「公共工事の入札制度」に関するアンケート調査を、山口県建設業協会の会員と宇部市内の建設業者、合計333社に対して実施し、152社から回答を頂きました。
その調査結果をもとに、公共工事に対する積極的予算編成、県内業者への優先発注、調査基準価格と判断基準価格の引き上げ、予定価格の事後公表などについて、繰り返し質問と要望を行って参りました。
県は平成20年7月、調査基準価格を約82%に引上げ、判断基準額をその3%下に設定し、低価格入札に一定の歯止めが掛かりました。県が方向性を示したことで、市や町も同調する動きとなったことに感謝しています。さらに昨年7月には土木工事について調査基準価格を86%に引上げ、判断基準額はその2%下となり、国の調査基準価格を上回る引き上げを行いました。
しかしながら、建築工事につきましては、土木工事の算出方式に0.9を掛けた値が調査基準価格となっていたことから、調査基準価格の再検討を要望しておりましたところ、今年5月に行われた改正により、建築工事についても、土木工事と同程度の85%に引き上げられ、6月1日より実施されることになりました。
判断基準価格を考慮すると他県をしのぐ引き上げであり、執行部の度重なるご努力に感謝申し上げます。

ところで、県が入札参加者に行った「予定価格の事後公表」についてのアンケート調査では、選択肢として「事前がよい」が53.7%、「事後がよい」が31.9%、「どちらでもよい」が14.4%となっていますが、私が行ったアンケート調査の結果では60%の業者が事後公表を希望していました。
事前と事後の落札率で、1億円以上の土木工事に、差が4ポイント出たことについて、さらに多くのデータを収集し分析を進めるために、1億円以上の工事のうち事前・事後で比較可能な20組程度で、改めて試行・調査するとのことですが、全体の落札率、平均応札率、見積もり精度ともに、事後公表の方が高い数値を示しており、事後公表に移行しても良いのではないかと考えますが、あえて再調査する目的と、今後の対応についてお尋ねいたします。

公共工事についての要望ですが、昭和24年に緊急失業対策法が制定され、その目的は多くの失業者の発生に対処し、失業対策事業及び公共事業にできるだけ多数の失業者を吸収し、その生活の安定を図るとともに経済の興隆に寄与することでしたが、平成7年で廃止になりました。
現在は平成20年の世界同時不況に際して、国は緊急雇用創出事業を開始し、その分野は介護・福祉分野、子育て分野、観光分野、環境分野など多種の分野に及んでいます。しかし、建設会社の倒産等により雇用を失った方々には、なじめない分野であり、失業対策としての公共工事に必要性を感じています。

先日、中山間地域で農業に携わっている方から「私が高齢になっても、毎年、田を耕しているのは、農業で生計を立てようと思っているのではありません。先祖伝来の田を守らなければという使命感で、頑張っているだけです。戸別補償なんて期待していません。数年前まで近所に建設会社があったから、そこで働いて、休日に農業をして田を守ってきたが倒産してしまい、その仕事もなくなりました。もうここには若い人は住めないね」という話を伺いました。
中山間地域における公共工事は一つの産業であり、農業や生活基盤の維持・存続にも大きな効果があります。建設業者の倒産は、市町村合併により入札範囲が広域化したことも影響しています。公共工事への積極的予算編成と入札における地域的細分化を要望させて頂きます。

次に公共建物における耐震化工事について質問いたします。
度重なる大震災の発生に伴い、山口県も公共建物の耐震化工事が急がれています。
耐震化工事には枠付き鉄骨ブレース補強として「在来工法」と「ハイブリッド工法」、「デザインフィット工法」。また、「PCアウトフレーム工法」などもあります。 
在来工法はボルト用の穴を、多数開ける工事を伴うことから、騒音の低減や工期の短縮などの目的から、在来工法にエポキシ樹脂や特殊モルタルを併用し、ボルトの数を低減する「ハイブリッド工法」、「デザインフィット工法」などが近年、多く採用されるようになっています。
しかし、技術評価の必要性などから工法によっては、山口県内では数社に限られるものや、県外業者でなければ施工できないものあり、仮に建設業者が競争入札で落札しても、限られた専門業者に工事のほとんどを委託する結果となっています。
地元業者への優先発注と公平性を期す意味でも、設計段階での工法の選定にも配慮が必要と考えますがご所見をお尋ねいたします。

次に技能士の活用について質問いたします。

先日、平成22年度「山口マイスター」認定式が行われ、本年度は新たに8名が認定されました。ものづくりの分野において、優れた技能を有し、次世代技能者の育成に意欲のある者が認定され、技能者の地位と技能水準の向上を図ることを目的としています。
建設業においても、多くの職種で認定が行われていますが、地位の向上という意味でもその活用が期待されています。
特に建設業界では低価格入札が建築物の品質低下や安全管理に大きな影響を与え、とりわけ低価格での受注による下請け業者への影響が労務単価に及んでいます。
技能士は施工の質的水準の確保のために不可欠であり、その活用が技術水準の向上につながると考えます。
岡山県では建築営繕課発注工事の仮設足場においては、昨年度より平屋の建築物では「とび技能士」は任意、2階建て建築物ではとび2級技能士を常駐、3階建て以上の建築物ではとび1級技能士を常駐することを試行し、今年度より本格的に実施しているとのことです。
山口県では仮設足場工事においては「とび技能士」の活用がされていません。
建築物の品質管理、安全管理、ならびに技術力の向上を期す意味でも、技能士の積極的な活用が必要であり、また総合評価方式での加点対象にすることも考慮する必要があると考えますが、ご所見をお尋ねいたします。

次に道路行政における自転車への施策について質問いたします。

山口県における平成21年の自転車による死亡者数は12名であり、負傷者は1105名に達しています。警察等による交通安全対策も大切ですが、道路行政における自転車に対する施策も大きな要因となっていると思われます。
一例ですが、私は宇部市常盤台にある宇部高専に5年間、自転車で通いました。沼交差点付近から丘陵地の高台に至る道路は、上宇部中学校や常盤中学校、宇部高校、山口大学工学部、宇部高専の学生の通学路にあたりますが、40年前、私が通学していた頃と道路の状況は変わっておらず、改善された様子もほとんどありません。
朝の通学時間帯は自転車に乗った生徒や学生であふれ、歩道を走れば歩行者から迷惑がられ、また車道を走れば自動車の運転者から迷惑がかれ、まるで邪魔者扱いです。
宇部市内の高校生は4782人で、その内自転車通学は3566人、全体の74.6%です。中学生は4595人でそのうち自転車通学は1719人、全体の37.4%です。
また、環境負荷という面で捉えると、県内の自家用車利用率がもっとも高いのは防府市で67.8%、最も低いのは下関市で56.2%となっています。下関市は公共交通の利用者が多いのが要因だと思われます。
家庭における年間CO2排出量は、自家用車からの排出量が平均3分の1程度ですが、山口県など公共交通の不便な地方都市では、2分の1近くを占める場合が多いようです。
高齢化が加速する中、マイカー中心の地方都市は高齢者や子どもたちの日常生活移動が益々困難になっており、自動車によるCO2の排出を低減する意味でも自転車利用を促進する必要性があります。
そのためには、自転車からみた地域の道路条件の調査、改善、特に事故が懸念される個所の改良が不可欠であり、自転車利用を促進して自動車の利用を少なくし、環境負荷を低減するという観点も必要です。自転車歩行者道等の設置、自転車の通行区分など道路行政における自転車への施策について、ご所見をお尋ねいたします。

次に防災対策のうち、まず土砂災害対策について質問いたします。

山口県は昨年、7月21日豪雨で発生した土砂災害により、特に防府市内では多数の死傷者を出す甚大な被害を受けました。お亡くなりなられた皆さまのご冥福をお祈りいたします。
災害発生から1年たった今も、被災地では懸命の復旧工事が行われています。当時の状況を改めて検証してみますと、山口県の災害に対する初期対応のあり方は、非常に迅速であり、その対応は素晴らしく他県の模範とも成るほどであり、日々の危機管理に対する研鑽の表れだと高く評価しています。
ただ、近年、異常気象などにより様々な災害が頻発する中で、県民が安心安全な生活を送るためには、まずは、土木防災情報システムなどの災害情報が素早く周知されることが、県民の命を守る第一歩であり重要と考えますが、やむなく起こる土砂災害は、一旦発生すると、甚大な被害が生じるため、その対策が急務となっています。
県内には膨大な数の危険な箇所があり、防災施設の整備もなかなか追いつけないと聞いています。昨年の教訓も踏まえ、県は土砂災害防止対策を、今後どのように進めていこうとされているのか、まずはお尋ねします。
さて、広島県呉市付近から山口市秋穂にかけて山陽道の北側には、断続的に花崗岩がむき出しになった山々が続いており「広島花崗岩」と呼ばれています。防府市で発生した土砂災害は、流域面積から考えると異常な量の土砂が流出しており、その要因の一つが「広島花崗岩」にあると言われています。
山口大学の羽田野袈裟義教授が調査した防府市の土砂災害に関する資料によると、当時、防府と山口では10分間雨量8ミリを超える雨が断続的に降っており、降雨量に差はあまりありませんが、地質の違いにより