平成18年度9月定例議会・一般質問・答弁

Updata 2006年 9月30日

定例議会

9月28日(金:第3番目)
午前13時~登壇

岡村精二議員:一般質問全文
(自由民主党)

自由民主党の岡村精二です。

私は二十五年間、子どもたちの体験教育活動に携わってきました。主な活動は、キャンプや四十キロナイトハイク、ヨット教室です。

毎年、夏休みに行っている四泊五日の「自然体験キャンプ」は二十三回目。今年は佐賀県の黒髪山で実施しました。小学一年生も、毎回四、五人参加しますが、低学年の子どもが足手まといになったことは、ほとんどありません。

また毎年十一月に実施している四十キロナイトハイクは、夜の十時に出発する深夜の耐久徒歩です。参加者は小学生からですが、十九回実施して、延べ二千六百五十名が挑戦し、未だ一人の落伍者もいません。

幼稚園の年長さん、六歳児も保護者と一緒に、五十名以上参加していますが、二十キロの中間地点までは、全員歩いています。

子どもたちの体力や忍耐力の低下が、新聞などで問題になっていますが「今の子どもたちも決して劣ってはいない」というのが、私の正直な感想です。

そのナイトハイクでの出来事を紹介します。十年前、「建ちゃん」という小学四年生の男の子が参加しました。その子は、勉強も運動も大の苦手、行動もチョット幼稚で、夏のキャンプに来たときは、テントのそばで三十センチもある大きなミミズを見つけて、一日中眺めていました。

「四十キロはとても歩けないとは思いますが、本人が参加したい」と言っていますのでと、不安そうなお母さんのそばで、建ちゃんは、やる気満々という顔をしていました。

心配していたご両親は、五キロごとにある休憩地点に先回りして、励ましていました。二十キロの中間地点まで歩き切ったとき、ご両親は大喜びで、あとは出来る範囲でいいと、満足された様子で、自宅に帰られました。

三十キロ地点までは集団行動ですが、これから先は毎年、徒競争です。

建ちゃんが突然、私の側に来て「先生、僕走る」と言って、ジャンパーを私に預けました。ホイッスルの合図で二百名中、七十名の子どもたちが走り始めました。最後の十キロを一時間で走る小学生もいます。

当然、建ちゃんは上級生からすぐに抜き去られてしまいましたが、休まずに走っている姿に感動して、深夜にもかかわらず、建ちゃんの家に電話をしました。お父さんに「建ちゃん、走っていますよ」と言うと「信じられません。すぐ行きます」と答えられました。

三十五キロ地点を過ぎたところで、奥さんと一緒に、自動車で来られて、建ちゃんのすぐ後ろをゆっくりと、伴走し始めました。「建ちゃん、凄いですね」と声をかけると、振り向いたお父さんの目は涙で濡れていました。ゴールまであと二キロの地点まで来たとき、ついにお父さんは自動車から降りて、一緒に走り始めました。

ゴール地点で待っていると、お父さんと建ちゃんが手をつないで走っている姿が見えてきました。ゴールしたとき、お父さんの目には涙があふれていました。そして、ゴールで待っていたお母さんの目にも、涙があふれ、感動的なゴールでした。しかし、建ちゃんには、なぜ、ご両親が泣いているのか、理解できないという顔をしていたのが印象的でした。

子育ての素晴らしさとは、日々の小さな感動と喜びの中にあることを学ばせて頂いた出来事でした。

「子どもたちは場面があれば、頑張れる」というのが、私の実感です。

勉強以外の場面で、認められる場面作りが教育現場では必要だと思います。

それでは、通告に従って、質問をさせて頂きます。

まず教育問題。青少年健全育成条例の改正について質問します。
近年、インターネット等を通じて青少年が容易に有害情報に触れることができるなど、青少年を取り巻く社会環境は厳しい状況にあります。特に、テレビの視聴率さえ上がれば何でもあり的な番組、またゲームソフトの暴力的なゲームなども、心の成長に大きな影響を与えています。

「川上がきれいになれば、川下がきれいになる」と言いますが、大人が社会環境の浄化に取り組む必要性を、強く感じています。

山口県青少年健全育成条例の改正については、過去三回、一般質問で取上げましたが、今議会において、改正案が提出されていることを有難く思っています。

青少年の健全な育成を害するおそれのある環境から青少年を保護する目的で改正され、インターネット上の有害情報への対応、深夜営業施設への立入制限が新設され、有害図書類の区分陳列に関する具体的な基準が示され、さらに深夜外出に関する規制も強化されています。

また、深夜営業施設への立入制限の違反、有害図書類の区分陳列に関する命令の違反、深夜の連れ出し等の違反については、罰則規定が設けられたことも大きな成果だと思います。

特に、有害図書の区分陳列については、有害図書の指定基準に加え、このたび具体的な陳列方法、さらに罰則規定を定めたことで、総合的には日本一厳しい規制内容となると伺っており、高く評価しています。

山口県では有害な写真等が掲載された頁数の包括指定を、十頁以上で有害図書となっています。大阪府や大分県などが三十頁以上と規定し、頁数の規定すら行っていない東京都に比べれば、かなり厳しい規定です。

コンビ二のポルノ雑誌について「大したことはない、インターネットの映像はもっと凄い、こちらの規制がもっと大切だ」という意見もあります。

しかし、小学生や幼児まで、誰でも閲覧できる有害図書の規制も出来ない国に、インターネットの規制などできるはずもありません。

思想や表現の自由、販売業者への負担など、議論があったと思われますが、

今回の改正が、大阪府や東京都などの大都会ではなく「山口県という地方の県が、有害図書類に関する規制で、日本一厳しい条例に改正した」ということに意義があり、全国の県が同一歩調をとれば、有害図書に対する自主規制は一気に進むと期待しています。

しかし、さらに検討して頂きたい一面もあります。頁数で包括規定した場合、山口県を例に挙げると、有害な写真等が掲載された頁数が五頁しかない雑誌は有害図書とは言えませんから、一般図書と一緒に陳列されることになります。仮にその雑誌を二冊買えば、十頁以上となり有害図書と同じになり、三冊セットで販売する場合すれば、間違いなく有害図書です。

包括指定による頁数の設定は、ある意味では、業者の逃げ道を作っています。

有害図書の指定基準については、今後の検討課題に頂きたいと思っています。

そこでお尋ねいたしますが、今回の条例改正を踏まえて、保護者や学校、関係事業者への条例周知を含め、青少年を取り巻く有害環境の浄化に、今後どのように取り組んでいかれるのか、ご所見を伺いたい。

次に、公立高校と私立高校における入学金、授業料の格差是正について質問します。
最近、私立高校では特進クラスを設置し、大学進学で、大きな成果を挙げ、第一志望として、私立高校を目指す生徒が増えてきました。

その理由として、大学入試に対する先生の意気込みが、公立高校と違うなど、少子化による危機感が、経営方針に、顕著に現れているからだと思われます。

生徒一人の一ヶ月当たりの学校への納付金を比較してみると、公立高校では約九千六百円。私立高校では約三万四百円であり、三倍以上の格差があります。

参考資料Aは、高等学校の教育費に対する公費支出の公立高校と私立高校の格差を示したものです。平成十六年度の試算ですが、本県の公立高校の授業料等を削除した後の額は約百八万円であり、私立学校は三十六万円です。私立高校は公立高校の三十四%であり、その差額は実に約七十二万円もあります。しかも、その額には教育委員会に掛かる経費は含まれていませんので、それを加算すれば、さらに差は広がるはずです。

保護者は、同じように税金を払っているにも関わらず、私立高校進学者のみ、大きな経済的負担を押し付けられ、家計に大きな影響を及ぼしています。

私立学校振興助成法では「国は教育にかかる経常的経費の二分の一以内を補助することができる」とあり、本県ではそれ念頭に運営費補助を行っており、本県の私立学校における納付金の額は、全国的にも極めて低い水準となっていることは理解していますが、鳥取県のように、約四十六万円もの補助金を出している県もあります。

山口県では、我が自由民主党県議団の要請を受けて、私学助成金を毎年度のように増額して頂いており、知事ならびに執行部のご理解ご協力に心から感謝申し上げます。しかしながら、格差は大きく、更なる公私間の入学金・授業料の格差是正を期待しております。ご所見をお伺いしたい。

次に、県立看護学校と医師会立看護学校の入学金授業料格差について質問します。
医師会立看護学校では、質の高い看護師・准看護師の養成を目標に努力していますが、生徒の確保が難しい状況にあります。その理由の一つに入学金授業料の格差があります。

参考資料Bに示したように、県立看護学校の入学金はゼロであり、授業料も非常に低く、県立高校の授業料よりも、さらに低い額になっています。県立看護学校は「看護師の不足を補う」という社会的な要求もあり、そのような状況になっているのだと理解しています。

しかし、その要求は医師会立看護学校においても同じであり、しかも、経済的に全日制の看護学校に通うことができず、開業医で働きながら、看護師の資格を得るために学んでいる生徒が多いようです。だからこそ、入学金授業料の格差は大きな問題です。

また、医師会立看護学校は財政難を理由に、独立採算・受益者負担が求められ、看護学校への補助金が減額され、授業料の値上げを余儀なくされている現状があり、その格差はさらに広がる状況にあります。

格差是正のための支援をお願いしたいが、県のご所見をお伺いしたい。

次に、私立高校の耐震対策について質問します。
県立高校の場合、建物の設置者が県であり、当然、県が予算を組んで、建物の耐震診断が行い、その結果に応じて、耐震補強工事も迅速に行っています。

しかし、私立高校では独自の予算で耐震診断を行い、さらに耐震補強工事を行わなければならないという課題を抱えています。

私立高校が、耐震補強工事を行う場合には、国庫補助制度である防災機能強化整備事業として、国と県から三分の一ずつ補助金を受けて行うことになります。当然残りの三分の一は、寄付金や施設費として、保護者の負担を強いることになります。

建て替えや耐震補強工事に高額な費用がかかるとわかっていれば、あえて耐震診断をしないという選択もあります。

耐震診断すら行われていない学校に、保護者として、安心して子どもを送り出すことができるでしょうか。

公立高校と比較して、高額な授業料の負担を強いられている私立高校の保護者に、さらに費用負担は強いることになりますが、県としての今後の対応についてお伺いしたい。

次に高等学校の職業学科の充実について質問します。
最近、ロボットコンテストなど職業学科が、脚光を浴びる場面が増えてきました。生徒の熱意とやる気を促すため、より充実した職業教育の必要性を感じます。

さて、三重県多気町に県立相可高等学校があり、食物調理科が全国的な話題となっていることをご存じでしょうか。

食物調理科の村林新吾先生は私の友人です。彼は大阪にある辻調理専門学校の先生でしたが、三重県からの誘いで、六年前、相可高校に赴任しました。

彼が来るまでの食物調理科は、三重県では最低レベルの学科だったという声もありますが、現在では三重県で、もっとも入学が難しいと言われる職業学科に生まれ変わったそうです。

調理が大好きな村林先生は、学校で教える授業だけでは物足りず、部活動として調理部を作り、早朝から生徒を市場へ連れて行き、魚や野菜の選び方を教え、現在では朝六時には、ほとんどの生徒が登校し、夜遅くまで調理の実習に打ち込んでいます。

さらに、学校の授業だけでは、原価管理と接客を教えることができないからと、地元のおばあちゃんたちが野菜などを販売している店の前にある小さな建物で、生徒が運営する「うどん屋」を始めました。店の名前は「おばあちゃんの店」に対して「まごの店」。

開店当初は「生徒に金儲けをさせるのはけしからん」との声もあったそうですが、実習用の食材を買う費用にあてるためということで、理解を得たそうです。

授業のため、土曜日と日曜日しか開店しない「まごの店」は大繁盛し、多気町の長谷川順一町長は、食物調理科の生徒のためにレストラン新築費用として、六千万円の予算を付けました。さらに県からも、二千万円の予算がつき、総額八千万円でレストランを新築することになりました。設計は三重県内の高校の建築科の生徒によるコンペで決定され、完成したレストランの店の名前は、もちろん「まごの店」。

木曜日の朝から料理の下ごしらえを行い、開店するのは土曜日の朝十時三十分。開店前には行列ができ、二時間三十分程度で約五百食を完売するそうです。中には、京都、大阪や名古屋からも自動車で来るお客もいるそうですが、テスト期間中は当然、休み。知らずにきたお客も、テストならしかたないと納得して帰るそうです。

さらに、レストランでの醤油の使用量が多いため「自分たちにあった醤油を作りたい」と、生徒たちがブレンドして作った相可高校認定の醤油が販売され、好評だそうです。

夏休み、私は妻と高三の娘を連れて、そのレストランに行き、朝礼から見学させて頂きました。調理場の生徒は約三十名。私語をする生徒は一人も無く、それぞれの仕事と役割を自覚して、無駄のない動作し、村林先生は指示をする様子もありません。

生徒の休みは正月の二日間だけ。「凄いですね」と尋ねると、村林先生は「甲子園を目指している野球部の生徒は、正月も休みませんよ。彼らにとって調理場、甲子園ですから」と答えてくれました。

一年生の女子生徒に「将来、どうするの」と尋ねると「私は京都の料亭で修行するのが夢で、将来は料亭を経営したい」とはっきりした口調で答えました。娘はカルチャーショックを受けた様子で「こんな高校生たちがいるんだ」と自分の生き方を考えさせられた様子でした。

高校生の調理コンテストでは、上位を独占。今では生徒の就職先は帝国ホテルや一流レストランや料亭だそうです。

たった六年。一人の先生の情熱でここまで生徒が変わることを、改めて学び、誇りを持って学んでいる生徒に、輝きを感じました。

職業教育をより充実した授業にするために、山口県では県内企業パートナーシップ支援事業や目指せスペシャリスト事業などが行われていますが、生徒のやる気を引き出すための具体的な取り組みについてお伺いしたい。

また、社会人からの熱意ある優秀な職業教育分野の教員採用も必要と思われますが、その点についてもお伺いしたい。

次に土木建築。まず、湾岸道路建設における騒音対策について質問します。
宇部湾岸線は、山口宇部小野田連絡道路の重要路線として、整備中の地域高規格道路であり、国道百九十号の渋滞緩和と物流の円滑化に大きな効果が期待され、有難く受け止めています。

さて、平成十八年八月、県は宇部興産所有の専用道路の一部、約一.五キロを買取る方針を決定しました。自治体が企業所有の道路を購入するのは、全国でも例がないとのことです。買い取るのは、宇部市原と岡田屋間で、四車線のうち東側二車線です。

平成二十三年に、一部使用を開始する湾岸道路と国道百九十号をつなぐために使われ、宇部興産道路の一部を購入することで、建設経費の大幅な削減に加え、使用開始時期が少なくとも、四年は早まるとのことです。

私は同地域の住人ですが、国道百九十号の渋滞緩和と物流の円滑化、さらには、公共性を考えれば、当然、地域を挙げて協力するのが当たり前との考えを持っています。

しかし、自動車の走行による騒音、並びに振動に対する周辺住民の不安は、大きく、この不安が解消されないかぎり、住民の理解は、得がたいと考えています。

特に、興産道路周辺の住宅地のほとんどは、宇部興産関係の不動産会社から購入した宅地であり、購入時に「宇部興産道路は午後九時から午前六時までの夜間通行をしない」との約束をしています。

現在、昼間は二連式の大型トレーラーがひっきりなしに走行し、振動と騒音は大きく、さらに県道となれば、当然、二十四時間、自動車専用道路として、使用され「夜間だけでも静かに過ごしたい」との願いが、打ち砕かれることになります。

生活環境の悪化を懸念するの声が多く聞かれ、住民の中には現状の騒音と振動ですら、すでにノイローゼぎみになっている人もおり、契約違反という思いを多くの住民が持っています。

周辺住民は「宇部興産道路の夜間使用はしない」との契約で宅地を購入したという特殊事情があり、当然、新たに県道として購入する県にも、その契約は引き継がれるものと理解しています。

周辺住民は、現時点では宇部興産道路を県道にすることに反対しているのではなく、最高水準の騒音対策が行われるのであれば、協力すると言っています。

仮にトンネル方式による最高水準の騒音対策を講じたとしても、距離にして、わずか六百メートルであり、工事全体からすれば、大した金額ではありません。

宇部興産道路への乗り入れに係る周辺住民への理解と騒音対策に、今後どう取り組まれるのか、地元の要望を踏まえたうえで、ご所見をお伺いしたい。

また、興産道路の西側二車線を三車線に改修する工事が決定しているとのことですが、その場合、路肩の下方部分をコンクリートで立ち上げる必要があり、隣接する住宅への太陽の照り返しなどの問題も生じてきます。

周辺住民に事前予告もなく、宇部興産道路の購入が新聞に掲載された経緯もあり、早期解決を試みなければ、工事そのものに、白紙撤回を要求する住民運動になりかねないことを踏まえて回答頂きたいと思います。

次に、 土木建築工事における汚泥処理について質問します。
道路工事のおける汚泥、特に舗装版切断における汚濁水が、環境に与える影響が問題になっています。舗装版切断において、アスファルト舗装では汚濁水のペハーは七.0を超え、十二.五未満となることが多いが、コンクリート舗装では十二.五以上となることがあり、この場合は特別管理産業廃棄物となります。

コンクリート舗装の切断水はアルカリ性が強く、そのまま排出された場合、農地や農作物に及ぼす影響は大きくと言われ、舗装版切断排水の取扱について、本県では、舗装切断工事に伴う一連の作業工程において、現場で行う中和および、濾過処理については、下請けで行う作業であっても、作業の一貫と考え、処理業の許可は必要としない。また、その処理を経て、現場周辺で排出される水に関しても、産業廃棄物としては扱わないとされています。

県は各市町に、舗装版切断排水にかかる取扱い、積算上の運用などが出されていますが、五十メートル未満は積算していない市もあるようです。

市町への指導はどのようにしているのか、お伺いしたい。

次に、土木建築工事における住宅等の損傷について質問します。
河川の改修、浚渫、また道路工事では、工事現場が、住居に隣接していることが多く、施工する業者も、監督する県庁職員も心痛することが多いと思われます。

公共事業に係る工事の施行に伴い、不可避的に発生し、または発生が予見される損害等の調査、因果関係の判定及び費用の負担については事業損失事務処理要領に規定されていますが、書面通りというわけにはいきません。

仮に、工事の影響で地盤沈下、住宅の壁や基礎にひび割れなどが発生した場合、早急な対応が求められます。

特に問題となるのは、住宅の損傷と工事の因果関係です。地盤沈下も工事中なら変化もみられますが、工事終了後では、地盤も安定し変化が見られない場合も予測されます。

屋内の状況、特に壁面の割れなどは、その工事の影響であるかどうかという判断はさらに難しいと思われますが、その対応、並びに指針をお伺いたい。また、初対面での対応が、被害者へ大きな不信感を抱かせることもあり、その対応マニュアルがあれば、お聞かせ頂きたい。

最後に、県立病院と民間病院の提携について質問します。
宇部市のセントヒル病院は、この度、山口大学医学部付属病院と提携し、ガンの早期発見と放射線治療に最先端の医療を提供するために「高精度がん検診・放射線治療センター」を平成十九年三月に開設します。「切らずに治す」放射線治療の最前線と言えるセンターだそうです。

セントヒル病院は昭和五十四年に開業した病院ですが、開設から二十七年が経過したことから、主要施設である透析センターを中心に増・改築を検討していたところ、山口大学医学部付属病院から依頼を受けて「高精度がん検診・放射線治療センター」の導入を検討したとのことです。

話の発端は、山大付属病院・院長から「付属病院に開設したいが、国に予算がないので、ぜひセントヒル病院で設置してほしい」と要望したことがきっかけだったそうです。

山口県立総合医療センター、県立こころの医療センターは、共に「より高度な医療を県民に提供していく」という目的を持っていますが、今後は民間病院との提携も検討課題であると思われます。県としてのご所見をお伺いしたい。

以上で質問を終ります。

一般質問・答弁

1 教育問題について
(1)青少年健全育成条例の改正について
今回の改正により、有害図書に関する規制が日本一厳しくなるなど、高く評価する が、有害図書の指定基準は もっと厳しくすべきであり、今後の検討課題にしていた だきたい。今回の条例改正を踏まえて、保護者や学校、関係事業 者への条例の周知を含め、青少年を取り巻く有害環境の 浄化に、今後どのように取り組んでいくのか、伺う。
(知事)
教育問題のお尋ねのうち、青少年健全育成条例の改正についてであります。

次代を担う青少年がたくましく心豊かに成長することは、県民全体の願いであります。私は、これまでも「やまぐち青少年プラン」に基づきまして、青少年の健全育成対策を積極的に推進をしてまいりました。

こうした中で、家庭の教育力の低下や、地域の人間関係の希薄化など、青少年を取り巻く社会環境は大きく変化をしてきておりまして、特に、近年の急速な情報化の進展等を背景に、青少年に有害な新たな環境も生じてきております。

こうした有害環境を浄化することは、青少年の人格を形成していく上で重要な課題であり、この度、青少年健全育成条例の改正を行うことにいたしました。

特に有害図書に対する規制につきましては、この改正案において、今回新たに、区分陳列の方法を具体的に示す基準や罰則を設けることによりまして、お示しがありましたように、総合的には、全国で最も厳しい内容といたしております。

また、新たに、本県におきましても増加が見込まれるインターネットカフェ等の深夜営業施設への青少年の立入りを制限するなど、社会経済情勢を見越して、青少年の非行の防止を図るとともに、保護者等の一層の役割の発揮も求めたところであります。

今後は、この条例の改正を契機に、「地域の子どもは地域で育てる」という認識のもとで、家庭、学校、地域が一体となって社会全体で、有害環境の一層の浄化に取り組むことが必要と考えております。

このため、保護者や学校をはじめ広く県民に対して、様々な広報媒体の活用や各種会議等を通じて、周知徹底を図りますとともに、書店等の関係事業者が、この条例に基づき適正に対応するように、情報提供や指導を強力に行ってまいります。

また、市町や警察・関係団体等の連携による環境浄化活動を強化するなど、広く住民の参加を得ながら、地域が一体となった取組を積極的に推進をしてまいります。

(2)高等学校・看護学校の公私間の入学金、授業料格差の  是正について
ア  高等学校について

【高校の納付金の月額は、公立と私立では3倍以上の格差がある。高校の教育費への公費支出は、私立は公立の34%で、その差は約72万円もある。保護者は同じよ うに税金を払っているにも関わらず、私立高校進学者のみ、大きな経済的負担を押し付けられている。

私立学校振興助成法では「国は教育に係る経常的経費の二分の一以内を補助することができる」とあり、本県ではそれを念頭に運営費補 助を行っており、本県私立高校の納付金が全国的に極めて低い水準であることは理解しているが、鳥取県のように約46万円も補助金を出している県もある。本 県では、毎年のように私学助成を増額されているが、更なる公私間の入学金、授業料の格差是正を期待している。御所見を伺う。】
(知事)
次に高等学校の入学金や授業料に係る公私間格差の是正についてお答えいたします。

私立学校は、独自の建学の精神や教育理念のもとに設置をされ、特色ある教育活動を通じて本県の公教育に重要な役割を果たしてきております。学校運営 に要する経費は、私学という性格上、本来、自らが調達すべきものでありますが、私立学校振興助成法により一定の公費負担が行なわれております。しかしなが ら、公立高校と異なり、授業料等の納付金が財源に占める割合が大きいことから、保護者負担に公私間格差が生じていることはお示しのとおりであります。

このため、県といたしましては、私立学校の教育条件の維持向上や保護者負担の軽減等、私立学校振興助成法の趣旨を踏まえまして、経常的経費に対する 運営費補助金の生徒一人当たり単価を逐次引き上げるとともに、入学金や授業料の軽減措置である特別就学補助金を拡充するなど、私学助成の充実に努めてまい りました。

こうした取組みにより、本県私立学校の入学金と授業料の平均は、平成17年度には全国で2番目に低額となるなど、本県の私学助成全体の水準は、全国でトップレベルにあるものと認識をいたしております。

しかしながら、私学におきましては、少子化の進展による生徒数の減少等、経営を取り巻く環境は厳しさを増しております。このような状況に対応した、将来を見据えた経営改革に、私学自らがまずは積極的に取り組むことが必要であります。

県といたしましては、私学のこのような取組みを促す観点から、運営費補助金の配分に当たり、経営改善が反映される仕組みを導入をすることに致しております。

また一方、県財政も非常に厳しい状況にあり、限られた財源の中で、私学助成の充実に今後どのように取り組み、本県の私学振興を図っていくかは、重要な課題であります。

したがいまして、県といたしましては、まず、私学助成に係る国庫補助金や地方交付税といった財源の確保を、全国知事会等を通じて国へ要望いたします とともに、今後、「選択と集中」という視点に立ちながら来年度の予算編成を進める中で、私立学校振興助成法の趣旨を踏まえながら、運営費補助金など私学助 成の充実に向けて取り組んでいきたいと考えております。

イ 看護学校について
県立看護学校の入学金はゼロであり、授業料も非常に低い額となっている。医師会立看護学校においては、補助金が減額され、授業料の値上げを余儀なくされている現状があり、その格差はさらに広がる状況にある。格差是正のための支援をお願いしたいが、県の所見を伺う。
(健康福祉部長)
まず、教育問題について、県立看護学校と医師会立看護学校の入学金・授業料の格差についてであります。

急性期医療からターミナルケア、在宅医療に至るまでの看護に対するニーズは、ますます高度化・多様化していることから、質の高い看護職員が求められており、その確保に当たって民間看護師等養成所の果たす役割は極めて重要であります。

このため、県におきましては、医師会が設置・運営する9校を含む11校の民間看護師等養成所に対し、その運営に必要な経費として、平成17年度においては、約1億7千万円、生徒一人当たり年間約14万8千円の補助を行っているところであります。

加えて、本年度においては、医師会から強い要望のありました、専任教員を養成する「看護教員養成講習会」を8ヶ月間にわたり開催するなど、看護師等養成所の支援に努めているところであります。

また、授業料の高い民間看護師等養成所に在学する者に貸し付ける修学資金については、自治体立の養成所に在学する者に比べ貸付額を優遇するなど、負担軽減にも努めております。

県といたしましては、全国的に、財政状況を理由として、民間看護師等養成所への運営費補助を削減する県が増えている中、看護職員の養成・確保は重要な課題でありますことから、今後とも、国の定める基準額の確保に努めてまいります。

(3)私立高等学校の耐震対策について
県立高校では、県の予算で耐震診断・耐震補強工事を進めている。私立高校は独自の予算で耐震診断・ 耐震補強工事を行わなければならないという課題を抱えており、国と県の補助金を受けた残り三分の一は、寄付金や施設費として保護者負担を強いることにな る。公立高校と比較して高額な授業料の負担をしている私立高校の保護者にさらに費用負担を強いることになるが、県の今後の対応について伺う。
(総務部長)
私立高等学校の耐震対策についてお答えをいたします。

本県の私立高校においては、校舎等の耐震診断の実施率が低く、耐震対策が進んでいないのが現状であります。

したがいまして、私立高校の耐震対策の促進は、生徒・保護者の安心・安全を確保することはもちろんでありますが、地域の防災時の避難場所としての公共性の観点からも重要な問題であると認識しております。

私立学校の施設整備につきましては、本来設置者の負担において行うべきものでありますが、県としては、国の私立学校施設整備補助制度に全国的にも数 少ない県単独により上乗せ措置を設けております。本来は、国1/3、設置者2/3でありますが、国、県、設置者の負担が1/3ずつとなる特別措置を講じて いるところでございます。

また、県としては、設置者の負担となる事業費の1/3部分につきましても、日本私立学校振興・共済事業団の耐震対策に係る特別融資制度での特別枠、 あるいは特別な低利制度、あるいは財団法人山口県私立学校振興会を通じた県の低利融資制度を積極的に活用するよう指導してきたところでございます。

しかしながら、これらの制度も、まだ十分に利用されてない現状にあります。したがいまして、まずは耐震診断実施を促進され、これらの補助、融資制度の積極的な活用が必要であると考えております。

県といたしましては、私立学校の耐震対策の現状を踏まえ、財政的には厳しい中ではありますが、これらの支援措置について、今後とも、財政の確保と制度の周知に努め、私立高校の耐震診断実施率を高めて耐震対策の取組みを促進してまいります。

(4)高等学校の職業科教育の充実について
職業教育をより充実したものにするため、生徒のやる気を引き出す具体的な取組について伺う。
社会人からの熱意ある優秀な職業教育分野の教員採用も必要と思われるが、その点についても伺う。

(教育長)
高等学校の職業学科の充実についてのお尋ねにお答えします。

まず、生徒のやる気を引き出す取組についてであります。

職業教育は、将来の産業経済を担う人材を育成する上で、大きな役割を担っており、特に近年、科学技術の高度化、情報化の進展など、社会経済情勢は大 きく変化しており、このような時代だからこそ、生徒一人ひとりが目標をより明確に持ち、その目標に向かって意欲的に学習し、必要な知識・技能を習得するこ とが極めて重要であります。

本県では、生徒一人ひとりが自らの生き方について考え、夢を育み、将来、ひとりの社会人、職業人となるために必要な意欲や能力を培うため、キャリア教育を推進し、また、産業界や地域等とも連携しながら、より実践的で特色ある教育に取り組んでおります。

まず、お示しの、宇部工業高校における目指せスペシャリスト事業におきましては、企業や大学等との連携の下、水質浄化や風力発電、太陽光発電などのクリーンエネルギーに関する研究を行っています。

また、日置農業高校では、生徒自らが馬の飼育・調教を行うとともに、馬とのふれ合いを通して、地域の小・中学生や障害のある方々に、セラピー効果の 体験の機会を提供する活動を行っており、防府商業高校では、地元をアピールするオリジナル商品の開発や、空き店舗を利用した商店経営などに取り組んでいま す。

さらに、厚狭高校の家庭クラブや水産高校の水産科学部においては、生徒たちが平素の活動を基に、全国の各種コンテストに積極的に参加し、優秀な成績を収め、高い評価を得たところであります。

こうした取組を通して、生徒たちは、達成感や充実感を味わい、自信を深め、知識・技能の習得への意欲が高まり、将来への目標がより明確になるなど、様々な成果が報告されております。

今後とも、県教委といたしましては、こうした各学校における特色ある取組を、これまで以上に支援することにより、生徒の関心・意欲を高めながら、職業教育の一層の充実に努めてまいります。

次に、社会人からの熱意ある優秀な教員の採用についてでありますが、本県では、これまで、職業経験に基づいた専門的能力や実践的指導力を有する教員 を採用するため、「社会人特別選考」を実施するとともに、社会人講師として、各分野の経験豊かな専門家の招聘にも取り組んでいるところであります。

県教委といたしましては、今後とも、社会の変化や技術革新の進展に対応した職業教育を推進していくためには、熱意ある経験豊かな教員を確保する必要 がありますことから、学校が必要とする人材についての情報を広く発信しながら、「社会人特別選考」や社会人講師の制度の一層の活用を進め、職業教育の充実 に必要な人材の確保に努めてまいります。

2 土木建築について
(1)湾岸道路建設における騒音対策について
平成18年8月に県は宇部興産所有の専用道路の一部を買い取る方針を決定したが、自治体が企業所有の道路を購入するのは例がないことである。その公共性などを考えれば、当然、地域を挙げて協力するのは当たり前であるが、騒音や振動に対する周辺住民の不安は大きく、
これが解消されないかぎり、住民の理解は得がたい。そこで、宇部興産道路への乗り入れに係る周辺住民への理解と騒音対策に、今後どう取り組まれるのか、地元の要望を踏まえたうえで、所見を伺う。

(土木建築部長)
土木建築についての3点のお尋ねにお答えします。まず宇部湾岸道路建設における騒音対策についてのお尋ねです。

宇部興産道路の活用につきましては、お示しのとおり所有者である宇部興産のご協力を得て、宇部市原と岡田屋間、約1.5キロメートルの4車線道路の うち東側2車線を宇部湾岸線のロングランプとして取得することとしたところであります。県といたしましては、東側2車線を一般道路として使用するに当た り、地元の方々のご理解とご協力を得る必要がありますことから、さる9月11日以降、関係する6つの自治会で説明会を開催いたしました。

この説明会では、環境基準に照らして、騒音解析を行った結果、環境保全措置が必要であることから、遮音壁の設置など、騒音対策についての基本的な考え方を説明し、地元の方々からは、より水準の高い騒音対策が求められたところであります。

今後、県といたしましては、お示しの地元要望を受けて、追加調査を実施し、その結果を基に具体策を検討するとともに、騒音対策の効果等について、地元の皆様に十分説明を行い、ご理解が得られるようを努めてまいります。

(2)土木建築工事における汚泥処理について
【コンクリート舗装の切断水はアルカリ性が強く、そのまま排出された場合、農地や農作物に及ぼす影響が大きい。
県は各市町に舗装版切断排水にかかる取扱い、積算上の運用などを出しているが、50m未満は積算していない市もあるようだ。市町への指導はどのようにしているか伺う。】

(土木建築部長)
次に、土木建築工事における汚泥処理についてのお尋ねです。

本県におきましては、舗装版切断排水に係る取扱いについて、平成15年7月に、小規模な場合を除き、濁水を回収処理し、この処理費用を適正に計上す るよう取扱い及び積算上の運用を定め、各市町に通知するとともに、設計積算実務研修会等において説明を行ってきたところであります。

ご指摘の件について、この度、市町へ照会いたしましたところ、お示しのとおり、小規模な切断の取扱いに、一部、不統一が見受けられ、また一方で、近 年、濁水回収装置付きの機種が汎用化されましたことから、小規模な舗装版切断においても、極力濁水を回収処理するよう改善を図ることとし、早急に取扱い及 び積算上の運用を見直し、市町に通知するとともに統一が図れるよう指導・助言してまいります。

(3)土木建築工事における住宅等の損傷について
公共事業の施行に伴い、不可避的に発生または発生が予見される損害等の調査、因果関係の判定及び費 用負担については事業損失事務処理要領に規定されているが、書面どおりというわけにはいかない。地盤沈下、住宅の壁や基礎にひび割れなどが発生した場合、 早急な対応が求められるが、特に問題となるのは工事との因果関係である。工事終了後では、地盤も安定し変化がみられない場合も予測される。屋内の状況、特 に壁面の割れなどは工事の影響という判断はさらに難しいと思われるが、その対応並びに指針を伺いたい。
また、初対面の対応が被害者へ大きな不信感を抱かせることもあり、その対応マニュアルがあれば聞きたい。

(土木建築部長)
最後に、土木建築工事における住宅等の損傷についてのお尋ねです。

県では、土木建築工事の施行に当たりましては、周辺住民の皆様に損害を与えないよう、万全を期しているところですが、工事の施行に伴い不可避的に発 生する地盤変動等により周辺の住宅等に損傷が生ずる場合も想定されますことから、お示しのとおり、そうした場合の対応方針を示した事業損失事務処理要領を 定めているところです。

具体的には、工法や工事箇所の地盤の状況などから、工事の施行に伴い住宅等に損傷が生ずるおそれがあると認められるときは、工事着工前に周辺地域の地形や住宅等の現況などについて調査を行うこととしております。

また、工事により住宅等の損傷が発生したとの申し出がありました場合は、柱の傾きや壁の亀裂等の損傷の状況をはじめ、工事の工程や工法と損傷発生の関連性などについて速やかに調査を行い、必要に応じ、専門家の意見も求めながら因果関係の有無を判断することとしております。

その結果、工事に起因すると認められるときには、当該住宅等の損傷状況に応じて、合理的かつ妥当な範囲での応急措置または損傷を補填するために必要な費用負担を行うこととしています。

また、関係住民の方々への対応についてでありますが、工事の施行に伴う損害が発生した場合には、県の対応方針について十分な説明をし、理解が得られるよう誠意を持って対応してまいります。

3 県立病院と民間病院の提携について
県立総合医療センター、県立こころの医療センターは共に「より高度な医療を県民に提供していく」という目的を持っているが、今後は民間病院との提携も検討課題であると思われる。県としての所見を伺いたい。
(健康福祉部長)
次に、県立病院と民間病院の提携についてのお尋ねであります。

お示しの民間病院と山口大学医学部附属病院の提携は、民間病院が高度な医療施設の整備を行い、附属病院は3人の常勤医師を派遣しようとするものであ り、附属病院にとっては、最先端機器をがんに関する研究・教育にも使用でき、また、民間病院にとっては派遣された専門医による高度な医療の提供ができると いう、双方にとってメリットが

あると考えております。

県といたしましては、高度専門医療をはじめ、救急、へき地、災害医療等の身近な医療を担う県立病院と、研究や医師等の人材養成をも担う附属病院とで は、その役割が大きく異なり、お示しのような形での民間病院との提携は困難であると考えておりますが、高度化・多様化する県民の医療ニーズに的確に対応す るためには、様々な取組を進める必要があることから、県立病院と民間病院との提携については、今後の検討課題とさせていただきます。

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