平成15年度9月定例議会・一般質問・答弁

Updata 2003年 9月6日

10月3日(第2番目)10:55~11:45

岡村精二議員:一般質問全文
(自由民主党)

自由民主党の岡村精二です。

今日は私の後援会の皆さまが、傍聴席から「私が真面目に一生懸命、働いているかどうか」チェックされていますので、二井知事さん、はじめ執行部の皆さんから、素晴らしい回答を頂けますよう期待しております。それでは、質問に移ります。

まず、初めに教育問題。

教員の野外活動指導者育成について質問します。
「生きる力を育てる教育」が大きな課題となっています。私は、毎年、宇部市内40キロを徹夜で歩く耐久徒歩を実施しています。過去18年間、延べ2500人の小中学生が挑戦していますが、未だに1人の落伍者もいません。幼稚園の年長さんも、48名参加していますが、全員20キロの中継地点まで、歩いています。

また、4泊5日のキャンプも小学1年生から、参加を認めていますが、さほど足手まといになったこともありません。

子どもたちには、活躍できる場面や機会を与え「僕もがんばった!」「やり遂げた!」という達成感を与えてやることが大切だと思います。その積み重ねが、自信を生み、自らの夢を実現しようとする『生きる力』を育てます。その場面作りこそが、学校教育や社会教育の大切な役割だと思います。

教育委員会も野外活動の大切さを訴えていますが、県内の「少年自然の家」や「青年の家」の利用者は、年々減少傾向にあり、2泊3日の宿泊訓練を行っている小中学校は、急激に減少しています。

ある小学校のPTA総会で、保護者が「どうして、宿泊訓練を行わないのですか」と質問すると、校長は「今の子どもは、躾ができないないから、恥ずかしくて、宿泊訓練はできない」と答えられたそうです。経費や学校完全5日制による時間的制約以上に、「やろう」という意欲を持った教員が少ないようです。

キャンプなど、野外における指導方法を知らないから「何をしていいのかわからない、できない」というのが、宿泊訓練に意欲をみせない教員の本音ではないでしょうか。

現在、県教育委員会は、教員が主体となり、小中学生と高校生を対象にした長期キャンプであるチャレンジキャンプとクエストキャンプを、毎年実施しています。素晴らしい教育効果は認めますが、参加定員は少なく、学校教育や社会教育で取り組むには、高度な技術を持った指導者を必要とする、特殊なキャンプです。しかも、参加者一人当たりの経費は約5万円、教員の人件費まで含めると、相当な額になります。参加費は11日間で1万7千円となっていますが、市民団体が主催するキャンプと比較すると、極端に安いことも気になります。

県教育委員会のシンボル的な事業ではありますが、宿泊訓練などを行っている学校の減少傾向をみると、学校教育現場における野外活動指導者の拡大には、直接つながっていないように思われます。

視点を変えた、教員の野外活動における指導者育成に、力を注ぐべきだと思いますが、ご所見をお伺いしたい。

教育長回答
お示しのありましたように、野外での様々な体験活動は児童生徒の生きる力を育む上で重要でありまして、学校においても積極的に取り入れる必要があると考えております。

こうした野外活動の取組みに当たりましては、教員の的確な指導力が求められており、その専門的な指導技術を習得するため、「野外活動指導者養成講習会」を開催いたしまして、教員の参加を図っております。

また、平成13年度より、教員30名を対象に、3泊4日の研修講座「先生のための野外チャレンジ・プログラム」を開催し、自然の中で仲間と力を合わせて困難を乗り越え、自信を深めるというOBS手法や、野外での危機管理能力等を習得する研修も行っております。

さらに、今年度は、新たな取り組みといたしまして、野外活動が人間関係づくりに大きな役割を果たしますことから、教員約50名を対象に1泊2日の研修も行うこととしております。

県教委といたしましては、今後とも、多くの教員が野外活動を行えますように、初任者研修などでの研修機会の拡充を図り、教員の指導力の向上に努め、学校、地域で子どもたちの野外活動が積極的に展開されるように取り組んでまいります。

次に、高等学校における公私間の、教育費格差是正について質問します。
最近、自ら第1志望として、私立の高等学校を目指す生徒が増えてきました。その理由として、大学入試に対する先生の意気込みが、公立高校と違うなど、少子化による危機感が、私立高校の経営方針に、顕著に現れているからだと思われます。

しかし、山口県では、ほとんどの生徒が、授業料の安い公立高校を、第1志望としています。公立高校の入学試験の合否により、不本意ながら、私立高校へ進学する生徒が多いのが実情です。

生徒1人の1ヶ月当たりの学校への納付金を比較してみると、公立高校では約1万900円。私立高校では約3万6000円であり、3倍以上の格差があります。

試験の合否によって、進学する高校が振り分けられ、不合格という心の傷と同時に、保護者は、同じように税金を払っているにも関わらず、毎年、約30万円の経済的負担を押し付けられ、家計に大きな影響を及ぼすことになります。

県内では、私立高校をさげすんでみる傾向がありますが、学力による合否以上に、経費による親の負担が、そういう思いを助長しているように思われます。

先日、開催された中国地区の私立中学高等学校PTA大会の挨拶で、私立高校の元理事長が、次のような挨拶をされました。

『柳井駅から電車に乗り、徳山駅に向かう途中、私の前に、ご婦人が2人座り、次のような会話をされました。「お宅のお子さんは、どこの高校に行かれましたか」すると、もう一人のご夫人が「うちの子どもはつまらんから、桜に行った」と答えられました。

その言葉を聞いたとたん、私は愕然としました。しばらく、黙っていましたが、徳山駅の直前になって、意を決して「お母さん、先ほどの会話で、2つほど間違っていると思いますよ。1つは、「つまらん」と言われたが、あなたは本当に、我が子をつまらんと思っておられますか。本当につまらない子なら、親の責任において、つまる子にすべきではありませんか。あなたもいずれ、年老いていきますよ。そのときは、つまっても、つまらなくても、その子に背負われる日が来ますよ。

今ひとつは、桜とおっしゃったが、山口県下、私学20校の中に、桜ヶ丘という学校はありますが、桜と呼ばれる学校はありませんよ。その呼ばれ方が、子どもの心をどれだけ傷つけているか、お考えになったことがありますか。そういい残して電車を降りました。

2ヵ月後、1人のお母さんが、私を訪ねて来られました。部屋に入ってくるなり「先日はたいへんご無礼しました」と深々と、頭を下げられました。

お母さんは、電車での出来事を話されましたが、おおい被せて、恥をかかせるべきではないと思い「何のことですか。私ではありませんよ」と応え「もし、そういうやりとりがあったとしたら、それは1万8000なんなんとする卒業生の誰かが、密かな誇りを持って、話をさせて頂いたと思いますよ。

その後、お母さんはありがたいことでございます。私は自ら、自分の子どもを否定するところでした。これからは、先生と私たちで、大事な我が子を見守って参りたいと思いますと再度、頭を下げられました』という話をされました。

私は、聞きながら、涙が出てきました。その理事長は「長谷川忠男さん」という方だそうです。

山口県では、我が自由民主党県議団の要請を受けて、私学助成金を今年度予算から、1人に付き1万円増額して頂いております。知事ならびに執行部のご理解ご協力に心から感謝申し上げます。しかしながら、格差は大きく、更なる公私間教育費の格差是正を期待しております。知事のご所見をお伺いしたい。

知事回答
最近の厳しい社会経済情勢の中で、お示しがありましたように、私立高校生を持つ保護者の方々の経済的負担は大きく、その軽減を図ることは重要であります。

県といたしましても、これまで、私立学校の自主性、独自性を尊重しながら、私立学校振興助成法の趣旨を踏まえまして、経常的経費の二分の一を念頭に運営費補助を行いますとともに、全国的にも数少ない施設整備に対する国庫補助金への上乗せ補助など、私学助成の充実に努めてまいりました。

その結果、公立との格差はありますものの本県の私立高等学校における納付金の額は、資料もお配りになっておられますが、全国的にも極めて低い水準となっております。

県といたしましては、今後とも、私立高等学校の多様で意欲的な取り組みを、積極的に支援をいたします中で、先ほど申し上げました私立学校振興助成法の趣旨を踏まえまして、運営費補助金や施設整備への補助金など、私学助成の一層の充実を図ることにより、保護者負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。

次に、高校入試における調査書について質問します。
昨年から、中学校の通知表が、相対評価から絶対評価に変わりました。見た目には今までの5段階評価と変わりませんが、各点数の人数割合は、決っておらず、極端な例を言えば「このクラスの生徒は、よく理解している」と教員が判断すれば、全員5をつけることも可能となり、その逆もありえることになります。

調査書の学校間格差は、相対評価よりも解消されると思われますが、保護者の側から見れば「通知表や調査書は先生しだいだ」という、ある意味での恐怖感もあるようです。しかも、高校によっては、調査書を判断基準の材料として、考慮せず、入試の点数のみで、合否を決めてしまっているのではないでしょうか。

本来なら、年に3回程度、県下一斉の学力テストを行って、高校入試の判断材料としたほうが、学力の向上、生徒や教員の意欲向上のためにも、効果的だと思います。

絶対評価による評定を用いた調査書が、公立高校の入試において、どのように取り扱われるのか。また、今後、そのことによって、高校入試が、どう変わるのかお伺いしたい。

昨年から、中学校の通知表が、相対評価から絶対評価に変わりました。見た目には今までの5段階評価と変わりませんが、各点数の人数割合は、決っておらず、極端な例を言えば「このクラスの生徒は、よく理解している」と教員が判断すれば、全員5をつけることも可能となり、その逆もありえることになります。

調査書の学校間格差は、相対評価よりも解消されると思われますが、保護者の側から見れば「通知表や調査書は先生しだいだ」という、ある意味での恐怖感もあるようです。しかも、高校によっては、調査書を判断基準の材料として、考慮せず、入試の点数のみで、合否を決めてしまっているのではないでしょうか。

本来なら、年に3回程度、県下一斉の学力テストを行って、高校入試の判断材料としたほうが、学力の向上、生徒や教員の意欲向上のためにも、効果的だと思います。

絶対評価による評定を用いた調査書が、公立高校の入試において、どのように取り扱われるのか。また、今後、そのことによって、高校入試が、どう変わるのかお伺いしたい。

昨年から、中学校の通知表が、相対評価から絶対評価に変わりました。見た目には今までの5段階評価と変わりませんが、各点数の人数割合は、決っておらず、極端な例を言えば「このクラスの生徒は、よく理解している」と教員が判断すれば、全員5をつけることも可能となり、その逆もありえることになります。

調査書の学校間格差は、相対評価よりも解消されると思われますが、保護者の側から見れば「通知表や調査書は先生しだいだ」という、ある意味での恐怖感もあるようです。しかも、高校によっては、調査書を判断基準の材料として、考慮せず、入試の点数のみで、合否を決めてしまっているのではないでしょうか。

本来なら、年に3回程度、県下一斉の学力テストを行って、高校入試の判断材料としたほうが、学力の向上、生徒や教員の意欲向上のためにも、効果的だと思います。

絶対評価による評定を用いた調査書が、公立高校の入試において、どのように取り扱われるのか。また、今後、そのことによって、高校入試が、どう変わるのかお伺いしたい。 絶対評価につきましては、生徒一人一人のよい点や可能性、進歩の状況を的確にみることができ、学校規模等にかかわらず、より客観的な評価ができることなどから、学習の評価に

導入し、これを調査書にも用いております。

現在、県下全ての公立高校では、この調査書と学力検査の成績の双方を十分に勘案して選抜を実施しておりまして、具体的には、調査書の学習記録と学力検査の成績を同等に取り扱っております。調査書の学習記録以外の記載事項についても十分考慮して選抜しております。

この絶対評価を導入するに当たりましては、評価の客観性・信頼性の確保が重要でありまして、「学習評価に関する留意事項」を作成し、評価については、中学校・高校の共通理解を図ってまいりました。

この結果、全ての中学校で評価方法が統一されまして、高校からは、円滑な選抜を行うことができたという報告を受けております。

今後の高校入試につきましても、調査書の学習記録と学力検査の成績は同等に取り扱うという選抜の基本方針には変わりないところでありますが、今後とも適切な選抜に努めてまいります。

次に、歴史教育、特に郷土史について質問します。
先日、私の友人が、ある家の解体現場に通り掛ったところ、仏間に、お仏壇が入ったままになっており、中にはお位牌、さらに鴨居の上には、ご先祖様の写真まで、掲げてあったそうです。

解体業者が「お仏壇が置いたままになっている家は、解体できない」と、遠方にいる施主に電話し、お位牌だけは保管して、解体工事をしたそうです。高度成長による核家族化と、それに起因する過疎化の影響が、家族の歴史というアイデンティティーまで、失わせてしまったような気がします。

仮に私の子どもが、東京に就職し、北海道出身の女性と結婚すれば、正月休みには、息子も孫も、お嫁さんの実家のある北海道に行ってしまい、山口県に帰ってくることは、殆どなってしまいます。しかも、孫にとって、山口県は、直接、関わりのないものとなります。解体現場での出来事は、他人ごとではありません。

核家族化、過疎化を防ぐには、企業誘致や新産業創出も大切ですが、子どもたちに「都会に出るよりは、仮に給料が安くても、地元でがんばりたい」という思いにさせる郷土愛を、育てていくことが大切だと思います。

先日、美東町で「大田・絵堂の戦い」を勉強する機会がありました。講師の「明治維新は、この戦いから始まった。もし仮に、高杉晋作が、この戦いに負けていたら、今の日本は存在しない。近代日本は美東町大田・絵堂から始まった」という言葉を聞いたとき、美東町の皆さんの目が輝いたことは、言うまでもありません。子どもたちが聞けば、感動し、自分たちの郷土と、先人に誇りを持ち、勇気を与えたはずです。

郷土史を学ぶことは、郷土と先人に対する誇り、さらに、自分たちのご先祖に対する誇りを持つことになります。「誇りを持つ」ということが大切です。

山口県には吉田松陰先生をはじめ、素晴らしい偉人、先人がたくさんいます。郷土史そして、山口県が生んだ偉人を、学校教育として、どのように捉え、教えようとしているのか、ご所見をお伺いしたい。

教育長回答
県教委といたしましては、ふるさとを愛する心を育てることを学校教育の重要な目標としておりまして、地域の歴史や先人についての学習を積極的に進めております。各学校におきましては、教科や総合的な学習の時間など、学習活動の中で、発達段階に応じまして、計画的に取り組んでおります。

まず、郷土史におきましては、小学校では、すべての市町村教育委員会が作成いたしました副読本を活用して、地域の文化財・年中行事など、郷土に親しむ学習を行っております。

次に、中学校の総合的な学習の時間におきましては、例えば、美東町の学校では、地元在住の歴史家の協力を得まして、「大田・絵堂戦」の学習など、地域の特色に応じた学習を行っております。

さらに、高等学校では、例えば、大内氏や毛利氏に関する資料を活用した文献調査を取り入れた学習も行っております。

また、地域の先人に学ぶ学習といたしましては、吉田松陰先生など幕末の志士の史跡や金子みすゞ記念館などを訪れまして、地域や文化の発展に貢献した多くの先人の活躍や業績を調べるなど、郷土に誇りを持つ児童生徒の育成に取り組んでおります。

今後、県教委といたしましては、山口県ホームページの「ふるさと学習教材」の充実やその効果的な利用、地域の人材活用を促進するなど、家庭、地域等との連携を図りながら、郷土史や地域の先人についての学習を積極的に進めてまいります。

次に、指導力不足教員の研修について質問します。
県教育委員会は、先日、今年度からスタートさせた「指導力不足教員」に対する判定手続きの要綱を示し、市町村教育委員会から受けた判定申請を審査して、県教育委員会に報告する審査委員会の、委員10名を公表しました。

県教育委員会が指導力不足と、判定した教員は1年単位の研修に入り、研修期間は最大3年間にまで延長でき、それを過ぎても改善されない場合は、教員以外の職への採用もありうるとしています。

対象者がいれば、4月から研修を始めるとのことですが、校長は、どの程度の権限を持って、市町村教育委員会へ指導力不足教員を報告するのでしょうか。現実的には、PTAなどの圧力がないかぎり、校長は自信を持って、行動に移せないのではないかと危惧しています。

実施にあたっては、校長の権限強化が何よりも必要だと思われます。また、一般的な社会常識から考えれば、3年間は余りにも優遇された、研修期間だと思われます。その間、すなわち、まったく働いていない期間の給料は、どうなるのでしょうか。

教員という仕事は、テクニックではなく、ハートで行うものだと思います。研修程度で、変わるものなら、夏休みなどの研修で、十分対応できるはずです。

指導力不足教員に対する、校長の権限強化と、研修内容、研修中の教員の待遇、そして、現在時点で予測される県内の指導力不足教員の数をお伺いしたい。

教育長回答
指導力不足教員への対応につきましては、お示しがありましたように、今年度から新たな制度をスタートさせたところであります。

この制度におきましては、全ての教員を監督する立場にあります校長が、指導力が不足している教員を評価・判断し、報告することとしておりまして、県教委といたしましては校長に対して、この制度の趣旨に則り、適切に対応するよう周知徹底を図ってきたところであります。

また、指導力不足教員につきましては、来年度から、教員の身分を有したまま、原則として1年を単位とした研修を教育研修所等において実施し、その中で、個々の状況に応じた研修計画に基づき、教育に対する意欲や指導力の向上を図っていくこととしております。

次に、指導力不足教員の人数でございますが、そうした教員についての判定は、これから、審査委員会における審査を経た上で行うことでありますので、現時点では不明であります。以上でございます。

2.次に、公共施設の基本構想・基本設計について質問します。
県内には「秋吉台エコ・ミュージアム」や「つのしま自然館」、また河川公園に設置された「あずまや」など、多くの木材を外壁などに使った、いかにも自然環境や景観に配慮し「エコ」という言葉がふさわしい、県の公共施設が、数多く建築されています。

しかし、基本構想や基本設計の段階で、担当した各部署が、相互に連携を密にし、施工後の維持管理まで検討されたのか、疑問を感じます。

平成13年に完成した「秋吉台エコ・ミュージアム」は、アプローチへの橋は木材で作られ、歩道も木材のチップを使った舗装がなされています。本体の建物は鉄筋コンクリート2階建てですが、外壁の一部やベランダの手すりには、木材が多く使われ、屋外ステージは、雨ざらしとなるステージやベンチまで、すべて木材で造られています。

完成当時は、環境に優しく綺麗な施設という印象だったと思われますが、3年たった現在では、外壁に使われている木材は、早くも黒く変色し、ベンチは、すでに朽ち始め、木材によるチップ舗装も、完成時の面影はなく、樹脂がはがれ、惨めな状態となっています。地産地消として、地元の木材を使う必要があったのなら、屋内に多用すればいいと思われます。

木材を外部に使った場合、約3年ごとに、着色防腐剤を再塗装しなければならず、維持管理に多額の費用が掛ります。定期的に、塗装業者に仕事を与えるために、外壁などに、木材を多用したになら、それはそれで、価値あることだと思います。

基本構想や基本設計の段階で、建築・土木の専門家を交えて検討されていれば、維持費のかからない設計も可能だったはずです。縦割り行政の影響が、建物の仕上がりにも、現れています。

県内には、多くの公共施設が建設されていますが、施設の基本構想や基本設計の策定段階における各部署の連携、また、建築・土木の専門職員を加え、構造、施工のみならず維持管理についても、検討することの重要性を感じます。改善を求めたいが、ご所見をお伺いしたい。

知事部局回答】
お示しのように、公共施設の整備にあたりましては、基本構想や基本設計の策定段階から、維持管理も踏まえました検討を行うことは大変重要であると考えております。

このため、基本構想の策定段階から、関係各課から構成される検討委員会のメンバーとして土木・建築職員も参画し、事業担当課に対しまして、施設の管理運営方針等も含めて技術的な指導・助言を行っております。

また、基本構想に基づき、基本設計を行うこととなりますが、その際には、施設の機能や性能の確保を基本とし、地域の自然環境や景観との調和、県産材の利用促進、維持管理への配慮、さらにはライフサイクルコスト、いわゆる建物の生涯費用のことですが、そのライフサイクルコストを視野に入れたコスト縮減などを、総合的に判断し、設計を行っております。

なお、お示しのあった「秋吉台エコ・ミュージアム」についても、自然環境との調和や、維持管理を行う地元自治体との協議結果を踏まえ、景観や公園利用者への配慮、県産材の利用促進などの観点から、木材を使用したところです。

今後におきましても、厳しい財政状況等を考慮すれば、より一層、維持管理に配慮した施設づくりが求められますので、御提言の趣旨をふまえ、基本構想の段階から、関係各課と連携を十分図りながら、これらの取り組みを充実し、良質で利用しやすい公共施設の整備に努めてまいります。

3.次に「厚東川ダム」の魚道設置について質問します。
先日、秋芳町のお年寄りから「美祢郡の住民は、宇部市に恨みがあります。私が小さい頃、ウナギや鮎が一杯おったが、今はおらん。すべて、宇部市が悪い。ダムのせいですよ」と言われました。「宇部市に恨みがある、宇部市が悪い」と言ったのは冗談でしょうが、長年、気掛かりだったのだと思います。

厚東川の河口は宇部市の厚南平野にあり、上流は美東町、秋芳町に達し、厚東川ダムは、その中流域にあります。昭和25年3月に完成した重力式のコンクリートダムで、堤高は38.8メートル。総貯水容量は2378万8000立方メートルです。

戦前の、わが国における堤高15メートル以上のダムの魚道設置件数は、欧米のいずれの国よりも多かったようですが、厚東川ダムは、戦時中に建設されたということもあり、魚道を作る余裕はありませんでした。

中国地区では、規模が大きい魚道としては、島根県の日登ダムに設置されており、魚道の全長は165.8メートルです。

厚東川ダムの場合、魚道の設置落差は29.0メートルあり、魚道延長は、勾配を約10%とした場合、約300メートルとなり、国内最大級の魚道となりますが、直線方式による魚道が困難なら、ラセン階段方式をとれば、敷地の問題も、ダムの水位に対する問題も解決できるはずです。

山口大学工学部との共同研究として、グローバル500賞を受賞した宇部市のためにも、ぜひ、検討して頂きたいが、その可能性について、ご所見をお伺いしたい。

魚道1つで、美祢郡の怒りが和らぐなら、安いものです。美祢市・美祢郡を含めた宇部・小野田地区、3市4町の合併を妨げているのは、ひょっとすると、こんな被害意識が根底にあるからかもしれません。

知事部局回答
国土交通省の補助採択基準によれば、ダムへの魚道設置の要件は、既設ダムの建設以前からその周辺にサケマス類、鮎、うなぎ等の回遊性魚類などが生息し、現在も生息していること及び魚道の設置により、魚類等の遡上環境等が大幅に改善されることが必要とされております。

お示しの厚東川ダムに魚道を設置するためには、この基準を満たすことが必要であるほか、厚東川ダムは高さが高く、しかも貯水池の水位が大幅に変動するという特殊性がありますので、こうした特殊性に対応する技術上の問題、さらには、事業費も多額に見込まれること等の課題があります。

こうしたことから、厚東川ダムへの魚道設置は、困難と考えざるを得ないところですが、最近、高さの高いダムへ魚道が設置された事例もでていることもあり、今後、こうした事例の調査を行っていきたいと考えております。

4.次に浄化槽行政について質問します。
河川や湖などの水質汚濁は、家庭から出る生活排水が、根本的な問題となっています。このため、水環境の保全対策として、行政が力を入れてきたのが、都市部における下水道整備の推進であり、もう一つが、田園や山間部を中心とした合併浄化槽の設置です。

その浄化槽制度の要と、位置づけられているのが「法定検査」です。浄化槽が適切に設置され、性能が維持されているかどうかをチェックし、浄化槽の信頼性を確保しようとするもので、浄化槽法では、第7条検査と第11条検査の2種類の検査が、浄化槽の設置者である住民に、義務付けられています。ところが、この2種類の検査が、住民の大きな負担となっている、という実情があります。

特に問題になっているのは、第11条検査で、浄化槽の保守点検および清掃が、適正に実施され、浄化槽の機能が正常に維持されているかどうかを検査する「定期検査」です。

検査を行っているのは、浄化槽管理業者などの集合団体である社団法人「浄化槽協会」であり、山口県で指定を受けた唯一の検査機関です。浄化槽管理業者が行った保守点検と、清掃を、自ら作った団体が、改めて検査するわけです。

しかも、その費用を設置者である住民が負担しているというのは、おかしな実態であり、疑問を感じます。

以上の理由から、第11条検査を拒否する住民も多く、平成13年度、山口県の受検率は39.8%程度に留まっています。受検率の低さは、受検費用を負担している人と、そうでない人の不公平感を大きくしており、「正直者が馬鹿をみる」の言葉どおりの実態になっています。このことから、法定検査の費用負担も含め、何らかの改善を求めるとともに、県のご所見をお伺いしたい。

知事回答】
合併処理浄化槽は、水環境の保全に大きな貢献をすることから、平成元年度に、「合併処理浄化槽設置整備事業」による県費補助制度を創設いたしまして、下水道の計画のない田園部や山間部等において、その整備促進を図っておるところでございます。

浄化槽法に基づく法定検査は、浄化槽のいわば健康診断ともいえる検査でありまして、合併処理浄化槽及び単独処理浄化槽の設置者に義務づけられているところでございますが、近年、受検率が上昇傾向にあるものの、なお、その率が低いことはお示しのとおりであります。

このため、県としては、設置者に対する講習会の開催やチラシの配布等を行い、法定検査の意義、検査の必要性等の周知に努めているところであります。

また、指定検査機関である社団法人山口県浄化槽協会に対しましても、検査員の増員等による検査体制の整備拡充について指導し、一定の改善が見られております。

今後、こうした取り組みに加え、新たに環境月間等にホームページを活用した啓発や検査体制のさらなる強化を指導するなど積極的に取り組みまして、受検率の一層の向上を図り、不公平感の解消に努めてまいりますとともに、検査費用の設置者負担についても理解を求めていく所存であります。

5.次に夫婦間暴力(DV)の民間シェルターについて質問します。
夏休みに4泊5日のキャンプを福岡県の夜須高原で行いました。小中学生74名が参加しましたが、その約4割が母子家庭の子どもたちでした。

その中には、夫の暴力が原因で、離婚した家庭の子どもも、数多くいました。

クエストキャンプやチャレンジキャンプなども、母子家庭の子どもたちを優先的参加させてと頂ければ、と願っています。

配偶者からの殺人、障害及び暴行事件の検挙率は、年々増加の一途を辿り、平成10年から、たった4年間で3倍に達しています。山口県も相談所を設けるなど、対策をとられているようですが、気になるのは、緊急避難先となる一時保護施設であるシェルターの安全管理です。

県内には、公的施設と民間施設の2つのシェルターがありますが、いつ襲ってくるかもしれない、配偶者からの暴力という恐怖が、いつもつきまとっています。夫婦間暴力による殺人事件も多く発生しています。

民間シェルターの安全対策に、不安を感じます。

これから増加すると思われる、民間のシェルターに対して、監視用カメラや、警察への緊急通報システムの設置など、安全対策を含めた総合的な支援策が、必要と思われるが、ご所見をお伺いしたい。

知事部局回答】
男女間の暴力は、男女の人権を著しく侵害する行為であり、その根絶は、男女共同参画社会を形成していく上で、極めて重要な課題であると考えております。

このため、本県におきましては、県男女共同参画相談センターに、DV防止法における配偶者暴力相談支援センターとしての機能を付与し、県下全域に対応できるDV被害者対策の拠点として、夜間・休日の電話相談の実施や一時保護所の増室等のセンター機能の強化に努めますなど、DV被害者対策に鋭意取り組んでまいりました。

また、被害者の多様なニーズに応えるためにも、住民に身近な民間団体の果たす役割が非常に重要であると考えており、情報の提供や職員の研修などの支援を行っております。

お示しの民間シェルターに対しましても、被害者と直接接する職員等を対象といたしました専門的、実践的な研修の開催や、被害者へのカウンセリング技術の向上への支援などを行っているところでありまして、今後、さらにDV対策を進めるに当たりましては、DV法改正の動向も踏まえた検討が必要でありますことから、その中で民間シェルターの緊急通報システムなどの安全対策への支援についても検討してまいりたいと考えております。

6.次に宇部・小野田地域の広域合併について質問します。
合併特例法の期限まで、あと1年6ヶ月となり、宇部・小野田地域では、宇部市は楠町と、小野田市は山陽町と、2地域に分かれた小さな合併協議が進んでいます。

私は、理想的な合併とは、河川の水系による合併だと思っています。街は移り行くものですが、川の流れは変わりません。川上への配慮なくして、川下の生活はありえません。合併問題も、利便性や生活圏のみに捉われず、自然の営みとして「水の大切さ」から検討する必要性があります。

私の理想は美祢市、美東町、秋芳町を含めた、厚東川水系、有帆川水系、厚狭川水系を基本とした3市4町による合併です。

世界遺産というべき秋吉台と秋芳洞、そして、日本最古とわれる長登銅山のある美祢市と秋芳町と美東町。宿場町としての歴史を持つ山陽町と楠町。そして、工業都市としての宇部市と小野田市。

県の中核都市構想を考えれば、非常にバランスのとれた新市が、出来上がることになります。今、2市2町の合併を成し終えておけば、3市4町による合併も夢ではありません。宇部市と小野田市の市長は共に、2市2町による合併を望んでおきながら、合併できない。住民にとっては、わかりにくい状況になっています。

2市2町による合併を求める、小野田市と山陽町の住民は、住民投票を求め、再度、署名運動を実施する準備に入っており、市や町を2分する争いに発展しそうです。その結果、仮に2市2町の法定協議会ができたとしても、行政、議会、住民の間に大きな亀裂を残し、今後の連携にも、影響を与えそうです。

さて、県は広域合併の推進を主張しておられますが、このような事態の中で、県による収拾が、期待されています。

知事は何度も「2市2町の合併が望ましい」と発言されており、私は知事勧告に等しいものだと受け止めています。さらに知事勧告を行うことは、押し付けという印象が強く、行うべきではありません。

しかし、少なくとも、4自治体の長が、今一度、最後の望みをかけて話し合うべきではないでしょうか。参考資料として、新聞記事を配布しましたが、そうしなければ、住民は納得しません。その機会を設ける働きがけを、県が行ってもいいと思いますが、知事のご所見をお伺いしたい。

知事回答】

宇部・小野田地域におきましては、お示しがありましたように、現在、住民による広域合併に向けた、新たな取り組みが展開されております中で、宇部市と楠町、小野田市と山陽町の、それぞれ1市1町の枠組による合併への取り組みが行われております。

もとより、市町村合併は、どこまでも地元における自主的・主体的に取り組まれるものではありますが、私は、中核都市の形成を図る上からも、現在の小さな枠組にとどまらない、広く2市2町の枠組での取り組みを、期待をいたしております。これまでも、さまざまな機会を通じて、地元市町に対して、その働きかけを行ってまいりました。

合併の実現に向けましては、とりわけ地域行政のリーダーであり、当事者である市長、町長間において、意思疎通が図られ、取り組みが進められることが重要でありますので、私としては、まずは地元において、関係市長、町長自らが、十分に話し合われる必要があり、またその努力をすべきであると考えております。

私としては、その状況を見ながら、どのような対応をすべきなのか、最善の努力をしてまいりたいと考えております。

最後になりましたが、私は長年、学習塾の塾長として、多くの受験生を見てきました。「花それぞれ、人それぞれ、それぞれに咲く」と言う言葉がありますが、受験に失敗したばかり

の子どもたちに、伝える言葉はなかなか見つかりません。

以前、受験に失敗した女の子のご両親が、5月の中旬、突然、自宅来られました。

お父様が「受験に失敗した私の娘のことを、どう思っておられるかわかりませんが、私は娘が受験に失敗したことを、たいへん喜んでいます。」と言われ、一瞬「えっ」と思いました。

「私の娘は、今まで人から後ろ指を指されたことは、一度もありません。勉強も体育も美術も一生懸命、頑張ってきました。高校受験に当たっても、担任の先生から「お前なら大丈夫!」と言われ、自信を持って受験しましたが、残念ながら、不合格でした。

発表から3日間、ほとんど部屋から出てこないで、泣いてばかりいました。しかし、泣いて、苦しんで。今回のお陰で、娘はきっと、悲しみのわかる人間になれたのだと思います。」と言われたときには、涙が出てきました。

それから、二日後、お父さんから、電話が掛ってきました。電話口で泣いておられましたので「どうされましたか」と尋ねると「私は、今日くらい、こんな素晴らしい娘を持ったことを、幸せに思ったことはありません。偶然、娘の部屋に入ったら、壁に大きな紙が貼ってあって、墨で「高校に入ったら、頑張るぞ!」って書いてありました。それを見た瞬間から、涙が止まらなくて、うれしくて、電話させて頂きましたと、言われました。

受験に失敗した塾生や保護者の皆さまから多くのことを学びました。

公私間の教育費格差の是正、高校入試の改革など、真剣に、前向きのご答弁下さいますよう、お願いして質問を終わります。