一般質問
平成22年度6月定例議会・一般質問・答弁
一 般 質 問
6月18日
岡村精二議員:一般質問全文
(自由民主党)
おはようございます。自由民主党の岡村精二です。
先日、机の引き出しを整理していると、小さな紙切れが出てきました。
大学生になった娘が小学2年生の頃、事務所で仕事をしていると、そっと私のそばに寄ってきて、ニッコリと笑って私に手渡した紙切れです。
「星香のマッサージ」と書かれた紙にはマッサージのメニューと値段が書いてありました。
可愛いイラスト入りで書かれた紙には、「肩もみコース5分20円」「腰もみコース5分20円」「全身コース15分50円」「スペシャルコース、これは人気殺到で受けられません」と書いてありました。
娘は小遣い稼ぎのためにアルバイトをしたかったのだと思います。
メニューを見ている私の顔を覗き込んで、注文を待っている娘に、私はこう答えました。
「星香が赤ちゃんの時、飲んだオッパイはタダ。星香の洋服代はタダ。星香の本代はタダ。星香の食事代も全部タダ。」と答えたら、娘は私の後ろに回って、黙って肩もみを10分間してくれました。それだけで、私は一日、幸せな気持ちになれました。
小さな紙切れの思い出ですが、幸せとは身近な所にあるのだと思わせて頂きました。日々の感動を大切にしたいと思います。
さて、私は文教警察委員会の委員長を務めさせて頂いていますが、よく県民の皆さまから「山口県教育とは何ですか?」「防長教育、長州教育といいますが、何ですか?」との質問を受けることがあります。
私は「吉田松陰先生、すなわち松下村塾の教えです」と答え「親思う心にまさる親心、今日のおとずれ何と聞くらん」「至誠にして動かざる者、未だこれ有らざるなし」という松陰先生のお言葉や、一人ひとりの個性を大切にする教育風土についてお話していますが、何か漠然としていて、山口県らしさを伝えることができませんでした。
先日、「山口県教育とはこれだな」と気付かせて頂いたことがありますので、ご紹介させて頂きます。
例えば、薩摩藩には「郷中教育」という教えがあり、「掟」には「嘘を言うな」「負けるな」「弱い者をいじめるな」「質実剛健たれ」などと書かれ、これが薩摩藩、言い換えれば鹿児島県教育の柱になっています。
また、会津藩には「什(じゅう)教育」という教えがあり、その中心的な存在は藩校の「日新館」であり、学ぶきまりとして「年長者の言うことに背いてはなりません」「年長者にはお辞儀をしなければなりません」「嘘を言うてはなりません」「卑怯な振る舞いをしてはなりません」「弱い者をいじめてはなりません」「戸外で食べ物を食べてはなりません」「戸外で婦人と言葉を交わしてはなりません」と書かれています。これが会津藩の教育の柱です。
そこで山口県教育の柱ともいうべき、松下村塾の塾則を調べてみると、5カ条の規則があり、第1条「両親の命、必ず背くべからず」、第2条「両親へ必ず出入を告ぐべし」、第3条「朝起きて顔を洗い、髪を整え、先祖を拝し、お城を拝し、東に向って天朝を拝する事、たとえ、病にふすときも怠るべからず」、第4条「兄はもとより、年長又は位高き人には、かならず従い敬い、無礼なる事なく、弟はいふもさら也。品卑しき、年すくなき人を愛すべし」、第5条「塾中に於て、よろづ応対と進退とを、切に礼儀を正しくすべし」と書かれています。
「両親の命、必ず背くべからず」「両親へ必ず出入を告ぐべし」という2つの規則は、他藩の掟や規則にはありません。「親を大切にする」という当たり前と思えることを塾則の、しかも第1条に謳っていることが松下村塾らしさであり、おおきな特徴です。
乃木希典大将の家訓は「幸を招く元は先祖に向かいて、朝晩手をば合わせよ」であり、松陰先生の影響を受けていたのではないかと思われます。
「親を大切にする」ということは花に例えれば、「根っこを大事にしなさい」という教えだとも受け取れます。
山口県教育とは「親や先祖を大切にする教育。郷土の偉人たちの生き方に学ぶ教育」ではないかと私は気づかせて頂きました。皆様は如何でしょうか。
それでは通告に従い、質問をさせて頂きます。まず、土木建築行政のうち、入札制度の改正について質問いたします。
建設業は社会基盤の整備、暮らしの安心・安全の確保、災害時における緊急支援など、社会的に重要な使命があるにもかかわらず、長期にわたる景気の低迷と公共工事の削減などにより非常に厳しい状況にあります。特に低価格入札による影響は、業界全体を疲弊させる事態となっています。
そこで2年前、「公共工事の入札制度」に関するアンケート調査を、山口県建設業協会の会員と宇部市内の建設業者、合計333社に対して実施し、152社から回答を頂きました。
その調査結果をもとに、公共工事に対する積極的予算編成、県内業者への優先発注、調査基準価格と判断基準価格の引き上げ、予定価格の事後公表などについて、繰り返し質問と要望を行って参りました。
県は平成20年7月、調査基準価格を約82%に引上げ、判断基準額をその3%下に設定し、低価格入札に一定の歯止めが掛かりました。県が方向性を示したことで、市や町も同調する動きとなったことに感謝しています。さらに昨年7月には土木工事について調査基準価格を86%に引上げ、判断基準額はその2%下となり、国の調査基準価格を上回る引き上げを行いました。
しかしながら、建築工事につきましては、土木工事の算出方式に0.9を掛けた値が調査基準価格となっていたことから、調査基準価格の再検討を要望しておりましたところ、今年5月に行われた改正により、建築工事についても、土木工事と同程度の85%に引き上げられ、6月1日より実施されることになりました。
判断基準価格を考慮すると他県をしのぐ引き上げであり、執行部の度重なるご努力に感謝申し上げます。
ところで、県が入札参加者に行った「予定価格の事後公表」についてのアンケート調査では、選択肢として「事前がよい」が53.7%、「事後がよい」が31.9%、「どちらでもよい」が14.4%となっていますが、私が行ったアンケート調査の結果では60%の業者が事後公表を希望していました。
事前と事後の落札率で、1億円以上の土木工事に、差が4ポイント出たことについて、さらに多くのデータを収集し分析を進めるために、1億円以上の工事のうち事前・事後で比較可能な20組程度で、改めて試行・調査するとのことですが、全体の落札率、平均応札率、見積もり精度ともに、事後公表の方が高い数値を示しており、事後公表に移行しても良いのではないかと考えますが、あえて再調査する目的と、今後の対応についてお尋ねいたします。
公共工事についての要望ですが、昭和24年に緊急失業対策法が制定され、その目的は多くの失業者の発生に対処し、失業対策事業及び公共事業にできるだけ多数の失業者を吸収し、その生活の安定を図るとともに経済の興隆に寄与することでしたが、平成7年で廃止になりました。
現在は平成20年の世界同時不況に際して、国は緊急雇用創出事業を開始し、その分野は介護・福祉分野、子育て分野、観光分野、環境分野など多種の分野に及んでいます。しかし、建設会社の倒産等により雇用を失った方々には、なじめない分野であり、失業対策としての公共工事に必要性を感じています。
先日、中山間地域で農業に携わっている方から「私が高齢になっても、毎年、田を耕しているのは、農業で生計を立てようと思っているのではありません。先祖伝来の田を守らなければという使命感で、頑張っているだけです。戸別補償なんて期待していません。数年前まで近所に建設会社があったから、そこで働いて、休日に農業をして田を守ってきたが倒産してしまい、その仕事もなくなりました。もうここには若い人は住めないね」という話を伺いました。
中山間地域における公共工事は一つの産業であり、農業や生活基盤の維持・存続にも大きな効果があります。建設業者の倒産は、市町村合併により入札範囲が広域化したことも影響しています。公共工事への積極的予算編成と入札における地域的細分化を要望させて頂きます。
次に公共建物における耐震化工事について質問いたします。
度重なる大震災の発生に伴い、山口県も公共建物の耐震化工事が急がれています。
耐震化工事には枠付き鉄骨ブレース補強として「在来工法」と「ハイブリッド工法」、「デザインフィット工法」。また、「PCアウトフレーム工法」などもあります。
在来工法はボルト用の穴を、多数開ける工事を伴うことから、騒音の低減や工期の短縮などの目的から、在来工法にエポキシ樹脂や特殊モルタルを併用し、ボルトの数を低減する「ハイブリッド工法」、「デザインフィット工法」などが近年、多く採用されるようになっています。
しかし、技術評価の必要性などから工法によっては、山口県内では数社に限られるものや、県外業者でなければ施工できないものあり、仮に建設業者が競争入札で落札しても、限られた専門業者に工事のほとんどを委託する結果となっています。
地元業者への優先発注と公平性を期す意味でも、設計段階での工法の選定にも配慮が必要と考えますがご所見をお尋ねいたします。
次に技能士の活用について質問いたします。
先日、平成22年度「山口マイスター」認定式が行われ、本年度は新たに8名が認定されました。ものづくりの分野において、優れた技能を有し、次世代技能者の育成に意欲のある者が認定され、技能者の地位と技能水準の向上を図ることを目的としています。
建設業においても、多くの職種で認定が行われていますが、地位の向上という意味でもその活用が期待されています。
特に建設業界では低価格入札が建築物の品質低下や安全管理に大きな影響を与え、とりわけ低価格での受注による下請け業者への影響が労務単価に及んでいます。
技能士は施工の質的水準の確保のために不可欠であり、その活用が技術水準の向上につながると考えます。
岡山県では建築営繕課発注工事の仮設足場においては、昨年度より平屋の建築物では「とび技能士」は任意、2階建て建築物ではとび2級技能士を常駐、3階建て以上の建築物ではとび1級技能士を常駐することを試行し、今年度より本格的に実施しているとのことです。
山口県では仮設足場工事においては「とび技能士」の活用がされていません。
建築物の品質管理、安全管理、ならびに技術力の向上を期す意味でも、技能士の積極的な活用が必要であり、また総合評価方式での加点対象にすることも考慮する必要があると考えますが、ご所見をお尋ねいたします。
次に道路行政における自転車への施策について質問いたします。
山口県における平成21年の自転車による死亡者数は12名であり、負傷者は1105名に達しています。警察等による交通安全対策も大切ですが、道路行政における自転車に対する施策も大きな要因となっていると思われます。
一例ですが、私は宇部市常盤台にある宇部高専に5年間、自転車で通いました。沼交差点付近から丘陵地の高台に至る道路は、上宇部中学校や常盤中学校、宇部高校、山口大学工学部、宇部高専の学生の通学路にあたりますが、40年前、私が通学していた頃と道路の状況は変わっておらず、改善された様子もほとんどありません。
朝の通学時間帯は自転車に乗った生徒や学生であふれ、歩道を走れば歩行者から迷惑がられ、また車道を走れば自動車の運転者から迷惑がかれ、まるで邪魔者扱いです。
宇部市内の高校生は4782人で、その内自転車通学は3566人、全体の74.6%です。中学生は4595人でそのうち自転車通学は1719人、全体の37.4%です。
また、環境負荷という面で捉えると、県内の自家用車利用率がもっとも高いのは防府市で67.8%、最も低いのは下関市で56.2%となっています。下関市は公共交通の利用者が多いのが要因だと思われます。
家庭における年間CO2排出量は、自家用車からの排出量が平均3分の1程度ですが、山口県など公共交通の不便な地方都市では、2分の1近くを占める場合が多いようです。
高齢化が加速する中、マイカー中心の地方都市は高齢者や子どもたちの日常生活移動が益々困難になっており、自動車によるCO2の排出を低減する意味でも自転車利用を促進する必要性があります。
そのためには、自転車からみた地域の道路条件の調査、改善、特に事故が懸念される個所の改良が不可欠であり、自転車利用を促進して自動車の利用を少なくし、環境負荷を低減するという観点も必要です。自転車歩行者道等の設置、自転車の通行区分など道路行政における自転車への施策について、ご所見をお尋ねいたします。
次に防災対策のうち、まず土砂災害対策について質問いたします。
山口県は昨年、7月21日豪雨で発生した土砂災害により、特に防府市内では多数の死傷者を出す甚大な被害を受けました。お亡くなりなられた皆さまのご冥福をお祈りいたします。
災害発生から1年たった今も、被災地では懸命の復旧工事が行われています。当時の状況を改めて検証してみますと、山口県の災害に対する初期対応のあり方は、非常に迅速であり、その対応は素晴らしく他県の模範とも成るほどであり、日々の危機管理に対する研鑽の表れだと高く評価しています。
ただ、近年、異常気象などにより様々な災害が頻発する中で、県民が安心安全な生活を送るためには、まずは、土木防災情報システムなどの災害情報が素早く周知されることが、県民の命を守る第一歩であり重要と考えますが、やむなく起こる土砂災害は、一旦発生すると、甚大な被害が生じるため、その対策が急務となっています。
県内には膨大な数の危険な箇所があり、防災施設の整備もなかなか追いつけないと聞いています。昨年の教訓も踏まえ、県は土砂災害防止対策を、今後どのように進めていこうとされているのか、まずはお尋ねします。
さて、広島県呉市付近から山口市秋穂にかけて山陽道の北側には、断続的に花崗岩がむき出しになった山々が続いており「広島花崗岩」と呼ばれています。防府市で発生した土砂災害は、流域面積から考えると異常な量の土砂が流出しており、その要因の一つが「広島花崗岩」にあると言われています。
山口大学の羽田野袈裟義教授が調査した防府市の土砂災害に関する資料によると、当時、防府と山口では10分間雨量8ミリを超える雨が断続的に降っており、降雨量に差はあまりありませんが、地質の違いにより、防府市では土砂災害が発生し、大きな差が出たこと、また剣川流域の土砂流出を調べ、堰堤が有効だったと述べられています。
一帯は花崗岩および花崗岩が風化したマサ土であり、雨水が花崗岩の節理の亀裂に浸入し、隙の水圧が上昇し堆積物が流動しやすい状況になり、斜面崩壊が土石流を招いたようです。当日の防府市の日雨量最大値は1950年以降第1位であり、近年の雨は以前よりも極値が増大傾向にあります。今後は危険雨量の基準見直しも必要だと思われます。
県では高潮、洪水、土砂災害の3種類のハザードマップの作成を急ぎ、すでに洪水ハザードマップは60河川で作成済みであり、高潮ハザードマップも24地区で平成23年度までには作成される予定と伺っています。
土砂災害については、がけ崩れ、地滑り、土石流の3種類があり、県が土砂災害警戒区域等を指定し、現在、その半分程度が未調査であると伺っています。そこで、平成23年度までに調査を終え、平成24年度までにハザードマップを全地域、配布したいとのことですが、防災意識の普及のためには素人に分かりやすい説明が必要です。
降雨への認識として雲の色の濃さ、上流山地上空の雲、西の空の雲、1時間雨量、10分間雨量、累計雨量の目安。地形・地質への認識として急傾斜、扇状地、マサ、シラス。その地域の過去の災害への認識として災害の伝承、地名、古老・農家の人の情報、低価格の土地の理由。防災施設への認識として砂防ダム・治山ダム・擁壁は、豪雨時に土石流、地滑り、がけ崩れが起こりうる危険箇所の信号であることなどの記載が必要だと思われます。
作成にあたってどのような配慮がなされているのかお尋ねいたします。
また、行政の避難指示などでは、災害に関係する物理現象と防災対策との関係や仕組みなどから、災害現場の最前線で指揮をとる市町職員の自主的判断力をつけることが大変重要と思われますが、どのような研修が行われているのか、また、県や市町の防災を担当する部署の権限あるポストに、自然災害や防災の知識を殆んど持たない職員が配置され、2・3年で転勤するケースが多く、この状態を改善する必要があると思われますが、ご所見をお尋ねいたします。
次にGPSを活用した防災情報システムについて質問いたします。
県は、昨年7月21日の豪雨災害を受けたソフト面の対策強化の一環として、6月1日、県土木防災情報システムの携帯電話版のサイトで、利用者のいる場所の防災関連8項目の情報を手軽に把握できるサービスを始めました。
利用者がサイトにアクセスして「現在地の防災情報」の項目を選択すると、携帯電話の衛星利用測位システム、いわゆるGPS機能により、あるいは、最寄りの中継局からの距離を基に、現在地を特定し、県内を6081に区分した各エリアから、現在地を含むエリアの情報が画面に表示されることになっています。
画面からは、大雨洪水注意報警報、土砂災害警戒情報、洪水予報、降雨分布、土砂災害危険度、土砂災害危険箇所、地域の雨量・水位の各情報を入手でき、また、4月から防災情報のメール配信も行っていると伺っていますが、このシステムにどのような期待をしているのか、また利用者の拡大、特に高齢者は携帯電話を所持していても、サイトを開く利用法を知らない方も多くいます。その普及には自主防災組織における講習会の開催や広報などによる周知が必要だと思われますが、ご所見をお尋ねいたします。
次に、防災士の養成について質問いたします。
防災士とはNPO法人「日本防災士機構」が定めたカリキュラムを履修し、履修証明を得て資格取得試験に合格し、さらに救急救命実技講習を受けて認定される民間資格です。
地域や組織をかたち作るのは「人」であり、防災の中心的な役割を担う人が求められていますが、防災に関する意識・知識・技能を持つ防災士が、広い範囲にたくさん存在することが、地域全体の防災力を高めることにつながります。
宇部市では昨年、日本防災士機構に認定された防災士養成講座を昨年8月20日から23日に実施し、市外の方も含め109人が受講し修了されました。
防災士には様々な場で、減災と社会の防災力向上のための活動が期待されていますが、県内では受講会場なども限定されており、費用もかかることから、今後は公的な助成も必要と思われますが、防災士の養成に対するご所見をお尋ねいたします。
最後に、社会福祉行政を取り止め、その他の項目で、地域若者サポートステーション事業について質問いたします。
最近、何をしたらいいのかわからない、仕事をする意味がわからない、職場での人間関係が難しい、外に出るのがつらい、何か一歩を踏み出したいと思っていても、その一歩が踏み出せなくて留まっている若者が増えています。
中学生の頃から不登校気味で、何とか高校に進学しても、その状況が変わらず、退学してしまう子ども。学力的について行けず、また素行不良などの理由で高校を中退してしまう子どもたちも増えています。
中学生の頃から不登校で高校に進学できなければ、社会的には無職少年です。高校を中退するまでは、先生方も一生懸命面倒をみて下さいますが、退学してしまうと高校と縁が切れ、次の一歩が踏み出せなければ、やはり社会的には無職少年です。
そんな子どもたちにどのような進路が待っているのかとなると、悲観的に成らざるをえません。数年前までは高校を中退しても、理美容師や調理師になれましたが、今は理美容も調理師も専門学校となり、その入学対象者は高校卒業者が対象であり、資格をとることが難しくなっています。
山口県内の不登校の児童・生徒は平成20年度、小学校で297人、中学校で1203人、高等学校で183人であり、特に中学校での不登校生徒はその多くが高等学校に進学できず、引きこもっている可能性があります。
また高等学校の中退者は平成20年度、公立高校で224人、私立高等学校を含めると、約600人に達しており、毎年、一つの高校がなくなるほどの人数です。
特に、現代社会では高校卒業の資格がなければ、就ける仕事は限られているのが実情です。進路がきまらないまま高校を中退すると「ニート・引きこもり」に陥りやすく、年齢を重ねても抜け出しにくい実態があることから、高校中退者等に対して早期の支援を行うことが重要です。
広島県の地域若者サポートステーションでは、今年度から、ニート状態に陥る危険性の高い高校中退者等に対して、訪問支援を実施し、早期の自立を支援することとされました。
本県においても、地域若者サポートステーションにおいて、既に、教育機関や福祉機関等と連携し、就職、職業訓練などの進路決定や、保護者のみの相談も実施しておられますが、進路未定の高校中退者等へ就職等への進路に関する専門家が早期に訪問支援を行い直接、アドバイスすることは多くの選択肢を見つけるきっかけともなり、早期の職業的自立などに繋がることになると考えますが、ご所見をお尋ねいたします。
以上で質問を終わります。
答 弁
1 土木建築行政について
(1)入札制度改正について
はじめに、土木建築行政についての数点のお尋ねです。
まず、入札制度改正についてです。
昨年度、予定価格の事後公表を153件で試行し、応札率、入札参加者数、落札率等を調査いたしましたが、落札率では事前公表と比較し、0.7ポイントと差はほとんどなく、工事の規模や業種によっては、事後公表が低い場合もあるなど、明確な相違は認められませんでした。
昨年度の調査では、1億円以上の土木一式工事については、事前公表と比べ、事後公表で落札率が約4ポイント高い調査結果となりましたが、調査対象が 5件と少ないことから、今年度は調査対象を事前公表との比較が可能な同種・同規模の約20件に増やし、落札率や平均入札参加者数、低価格入札の発生率、見 積精度等について調査することとしております。
また、「予定価格の事前・事後公表に関するアンケート」についても、引き続き、実施することとしております。
さらに、本年度は、新たな調査として、電子入札ですべての入札事務を進めていることから、再入札への準備や対応が、入札参加者にとって、どの程度の業務負担となるかを把握することとしております。
今後は、これらの調査結果を取りまとめ、全国的な動向も参考としながら対応を検討してまいります。
(2)公共建物における耐震化工事について
次に、公共建物における耐震化工事についてのお尋ねです。
県では、平成17年に策定した「山口県公共施設耐震化基本計画」に基づき、県立学校、警察署、総合庁舎等の県有施設について、計画的に耐震化を推進しているところです。
耐震化における工法の選定に当たっては、学校の授業や近隣住民に対する騒音・振動等の影響が懸念されるなど在来工法が採用できない場合には、ご案内のような「デザインフィット工法」などの新工法の中から適切な工法を選定しているところです。
また、耐震化工事については、全て県内業者に発注しているところですが、新工法に係る部分については、県外業者を含む専門の下請業者による施工となります。
このため、県としては、新工法で工事を行う場合には、元請建設業者に対しては、県内資材を可能な限り活用するよう要請するとともに、新工法の開発者に対しては、新工法で施工できる県内業者を育成するよう要請しているところであります。
さらに、今後は新工法の技術習得のための研修会の開催につきましても検討してまいりたいと考えております。
県としましては、今後とも、工法選定に当たり、在来工法を基本としつつ、こうした取組を進めることにより、在来工法から新工法まで、幅広い耐震改修工法に対応できる県内建設業者数の拡大に努めてまいります。
(3)技能士の活用について
次に、技能士の活用についてのお尋ねです。
県では、建築工事における品質及び安全の確保のため、「鉄筋施工技能士」等、人数が十分確保できる職種は、仕様書で指定し、作業期間中は現場に常駐することを義務付けております。
さらに、すべての職種ではありませんが、技能士が十分確保できない職種については、工事の内容により特に重要となる職種を選定して、総合評価入札方式を導入し、加点対象としているところです。
一方、「とび技能士」などのように、人数が十分把握されておらず、活用が図られていない職種もありますことから、県としては、今後、関係団体の協力を得て、実態把握を行い、活用を指定する職種や総合評価入札方式において加点対象とする職種の拡大に努めてまいります。
(4)道路行政における自転車への施策について
次に、道路行政における自転車への施策についてのお尋ねです。
県では、自転車の走行空間を確保するため、市街地などの自転車交通量が多い道路においては、幅の広い歩道の整備を進めてきたところであり、これまでに約690kmを完成させ、現在も55箇所において約60kmを整備しています。
また、歩道での自転車と歩行者との接触等による危険を回避するため、カラー舗装により自転車の通行位置を明示するなど、視覚的に分離した整備にも取り組んでいるところです。
さらに、新たな施策として、安全・快適に自転車を利活用する観点から、平成19年度に国から県内2地区で「自転車通行環境整備モデル地区」の指定を 受け、道路管理者と公安委員会の連携の下、自転車の安全利用に係る啓発活動はもとより、モデル地区内において、自動車や歩行者とは分離された自転車走行空 間を道路網として整備する取組みを展開しているところです。
県としましては、こうした新しい取組みの成果も取り入れながら、自動車、自転車、歩行者の交通量の調査結果や、事業の緊急性・実現性・効果を総合的 に勘案し、自転車走行空間の計画的な整備を進めることにより、地域の実情に即した自転車利用者の安全・快適な通行の確保に努めてまいります。
2 防災対策について
(1) 土砂災害対策について
ア 土砂災害対策について
私からは、防災対策のうち土砂災害対策についてのお尋ねにお答えいたします。
私は、昨年7月21日の豪雨災害で、かつてない規模の土石流により甚大な被害が生じましたことから、早急に専門家等からなる検討委員会を設置をし、 発生原因の分析や今後の対策を取りまとめ、本年2月には私が会長を務めております県防災会議におきまして報告を行い、目下、所要の対策を進めているところ であります。
こうした中、お示しがありましたように、本県は地形的、地質的特性から、多くの山地災害や土砂災害の危険区域を有しております。そのことから、すべての箇所で治山えん堤、砂防えん堤などのハード対策を完了するには膨大な期間と費用が必要になります。
従いまして、私は、選択と集中の視点に立って、ハード対策に必要な事業費の確保を図るとともに、ソフト対策としての警戒避難体制を早急に確立する必要があると考えております。
このため、お示しがありましたように、土砂災害警戒区域、避難場所、避難経路等が記載されている土砂災害ハザードマップの整備を、大幅に前倒しを し、平成24年度までに、県下全域で土砂災害警戒区域の指定を行いますとともに、全市町においてハザードマップの整備を完了するということにいたしており ます。
また、決壊の恐れがある危険ため池のうち、平成24年度以降の整備予定となっておりますものにつきましては、今年度から2年間でハザードマップを、緊急的に整備することといたしており、これらの所要財源についても予算措置を講じております。
さらに、多数収容施設である福祉・医療施設につきましては、今回新たに、県独自の要綱を設け、土砂災害警戒区域等への立地の抑制等を行うことといたしますほか、避難時の地域の協力体制を示す防災共助マップの活用を促進をいたしております。
加えて、住民の早期避難に直結する雨量や水位等の防災情報を提供するため、新たに「県防災情報メール」の配信や、GPSによる位置情報機能を活用した携帯電話への情報提供サービスの開始などに取り組んできております。
私は、厳しい財政事情にはありますが、昨年の豪雨災害の教訓を十分に踏まえながら、県民生活の基本であるくらしの安心・安全基盤の整備に向けて、全ての関係機関、市町との連携を図りながら、総合的な防災、土砂災害対策に全力で取り組んでまいります。
イ ハザードマップ作成について
次に、防災対策についての2点のお尋ねです。
まず、土砂災害対策のうち、ハザードマップについてのお尋ねです。
土砂災害ハザードマップには、土砂災害警戒区域や避難場所などを記載することとなっており、これに加えて、各市町が、それぞれ独自に工夫を凝らし、避難に役立つ情報を分かりやすく記載しています。
まず、降雨については、土砂災害に注意が必要となる雨量の目安や、避難勧告などの発表の目安、避難に当たって、住民がとるべき行動の詳しい説明などが記載されています。
次に、地形・地質、過去の災害記録や防災施設については、がけ崩れ、土石流及び地すべりの各土砂災害警戒区域の地形の特徴及び危険度の説明、川の水が急に濁るというような災害の前ぶれの説明、砂防えん堤など主要な防災施設を記載しています。
さらに、各家庭で予め決めた避難場所や非常時持ち出し品の置き場所を記入する「わが家の防災メモ」の欄を、4市で、設けるなどの工夫をしております。
県としましては、今後とも、各市町と連携を図りながら、より分かりやすく地域の実態に即したハザードマップの整備促進に努めてまいります。
ウ 防災担当者の研修と職員配置について
防災対策に関して3点のお尋ねです。
まず、市町職員に対する研修についてですが、防災の第一次責任を有する市町において、その対応に当たる職員の防災や災害に関する知識等の習得は大変重要な課題であると考えております。
お尋ねの市町職員に対する研修につきましては、例えば、内閣府や消防庁、防災研修機関等が行う市町職員防災基本研修や災害復旧・復興対策セミナー、 防災危機管理研修など、防災や災害に関する基礎知識から実践的なノウハウ等まで学ぶ様々な研修が行われており、県といたしましては、市町に対して、こうし た研修に関する情報提供等を行っているところです。
次に、県や市町の防災担当者の職員配置についてのお尋ねです。
県では、職員の人事異動につきましては、一般的には概ね3年を一つのサイクルとして、業務執行体制に十分留意しながら、配置換えを行っております。
こうした中で、専門的な知識や経験を必要とする災害や防災業務に従事する職員につきましては、消防大学校等への研修派遣を行い人材育成に努める一 方、第一線の現場経験が豊富な自衛隊OB職員や警察職員の配置、さらには、消防本部職員の派遣受け入れなどを通じ体制強化を図っておりますほか、専門性の 高い人材の育成と長期的な配属を目的とした「エキスパート型公募人事制度」の対象業務として、防災対策分野を加える新たな取り組みも始めたところでありま す。
一方、市町の職員配置につきましては、市町が決定することではありますが、昨年7月21日の豪雨災害を踏まえて設置した「消防・防災連携推進検討委 員会」からの提言では、市町防災部局の組織体制の強化方策として、防災担当職員の担当年数の長期間化や、長年、消防に勤務し専門知識を有する消防職員の防 災部局への配置、さらには、管理者向けの防災研修への積極的な参加等が示されておりますので、市町へこうした取組を要請しているところです。
(2)GPSを活用した防災情報システムについて
次に、GPSを活用した防災情報システムについてのお尋ねです。
県では、災害時の円滑な避難に資するため、気象情報、雨量、河川水位などの防災情報をインターネットのホームページ画面を通じて県民の皆様や防災関係機関等に提供する「土木防災情報システム」を、平成12年から運用しております。
このシステムの情報を携帯電話で手軽に見ることができる携帯版サイトを、平成15年3月に開設し、さらに、本年4月には、大雨洪水注意報・警報などの発表をメールで自動的に受信できるサービスを開始しました。
また、ご案内のとおり、今月には、GPSなどの位置情報機能を活用して、現在地の大雨洪水注意報・警報、土砂災害警戒情報などの防災情報を受信できる機能を加えたところであります。
この機能は、ごく簡単な操作で現在地の防災情報をリアルタイムで受信できるものであり、住民の早期避難や防災関係者による避難支援などに大いに役立つものと期待をしております。
県としては、この防災情報メールやGPSを活用したシステムが1人でも多くの県民の方に利用していただけるよう、パンフレットや県ホームページでお 知らせするとともに、今後とも、市町とも連携し、自主防災組織や福祉施設関係者、市町防災担当者の研修会や会議などの様々な機会を通じて、広く普及・啓発 に努めてまいります。
防災士の養成についてのお尋ねです。
お示しもありましたように、防災士は、NPO法人日本防災士機構が認証する民間資格で、県内では、本年5月末現在、218名が登録されており、その活動は、地域において、自主的に防災意識の啓発や救急等に関する知識の普及、防災訓練での指導等に当たるとされております。
このような地域における自主的な防災の役割を担う人材の育成につきましては、基本的には自主防災組織の育成に一義的な責任を有する市町の役割と考えております。
したがいまして、県といたしましては、防災士の養成に対する助成までを行う考えはありませんが、市町による「防災士」を含めた人材育成の取組に対し ましては、災害や防災対策等に関する情報提供や、講師の派遣・紹介など、自主防災組織を育成する観点からの支援を行ってまいります。
4 その他
地域若者サポートステーション事業について
地域若者サポートステーション事業についてのお尋ねであります。
地域若者サポートステーションは、ニートの方々を対象に、効果的な支援が行われるよう、臨床心理士によるカウンセリング機能を強化するとともに、今 年度はさらに、農業等の実践的な研修機会を提供する事業を開始したところであり、平成19年度の開設以来、就職等何らかの進路決定に至った若者は、約 500人となっております。
お示しのように、高校中退者等につきましては、進路の決まらない状況が続くことにより、ニートやひきこもりに陥るおそれがありますことから、早期の支援が必要であります。
しかしながら、ご提案の、高校中退者等に対する訪問支援を実施してまいりますためには、いくつかの課題を解決する必要があると考えております。
例えば、個人情報保護の観点から、地域若者サポートステーションは対象者を直接把握することができないため、まずは、学校において、保護者の同意を 得た上で、情報の提供を受ける必要があります。また、対象者は、勤労意欲や社会適応能力、生活環境などが様々に異なっており、それぞれの状況に応じた支援 が必要でありますことから、就労支援や保健福祉等の関係機関との連携が不可欠であります。
このため、県教育委員会や若者就職支援センター、県社会福祉協議会などの関係機関で構成する「若者自立支援ネットワーク会議」におきまして、こうし た課題の解決に向けた検討を行った上で、高校中退者等に対する具体的な支援システムの構築に取り組んでまいりたいと考えております。

ローカル・マニフェスト














