仮設住宅建設についての考察

Updata 2011年 3月20日

【今回の大震災について】
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東北関東大震災)は未曾有の大災害となり、しかも、原子力発電所の異常事態も大きな不安を国民に与えています。
日本国そのものが、心配になってきました。

一昨年、宇部市に開校した精華学園高等学校も、仙台学習センターの生徒18名と連絡が取れない状況に陥っていましたが、20日には全員の安全が確認できました。しかし、ほとんどの生徒が自宅などを失ったようです。

私は、平成7年阪神・淡路大震災」以来、15年間、災害対策、特に「大災害における緊急避難施設」について山口大学大学院で研究し、昨年、ようやく災害対策分野での学位を頂きました。

今回の震災については、まず、ライフラインの確保、道路など、輸送手段の復旧が第一ですが、今までの研究を踏まえて、このたびの大震災に関して、特に仮設住宅、そして、そのあとの復興住宅について、非常に危惧を抱いています。

阪神・淡路大震災の時とは、比較にならないほど大きな困難が予想されるからです。
阪神・淡路大震災での死者は約6000名でしたが、今回の大震災では5万人を越えるのではないかと思われます。

以下は私見ですが、

  1. 初期の段階で、避難所にいた被災者は、阪神・淡路大震災の約3倍。
  2. 被災地が広域であること。
  3. 予想される建設戸数は10~15万戸程度。(阪神淡路大震災では5万戸)
  4. 東北地域の仮設住宅生産拠点となる会社が、大きな被害を受けていること。
  5. 地元建設業者の多くが被災し、建設用重機が不足すること。
  6. 建設業者の確保が難しく、その宿泊施設がないこと。
  7. 被災地が海岸線沿いに集中しているため、幹線道路から遠く、道路の復旧に時間を要し、
    また、港湾も使用不能なため、建設資機材の搬入が難しいこと。
  8. 住民の不安感から、津波により被災した地域(平野部)への仮設住宅建築が難しく、
    建設用地の確保が難しいこと。

    (山間部のスキー場やゴルフ場などに限られる)
  9. 仮設住宅を建設後、住民の仕事の確保が難しいこと。

などが挙げられ、各県への疎開、移住も、大切な検討課題です。

特に山口県は全国の先駆け、自ら避難民、約3万人位の受け入れを宣言するべきだと思います。

唯一有難いのは、これから春を迎え暖かくなることです。
ライフラインの復旧にめどが立ち、仮設住宅の建設が本格的になると思われる5月には雪が完全になくなります。
ただ、建設期間は冬が来るまでの実質7ヶ月が勝負になり、厚生労働省と国土交通省では、すでに準備を始めていますが、日程的には非常に厳しい状況です。

私は、仮設住宅のあり方、また、その運用システムについての研究に打ち込んできたわけですが、今回の大震災の現状を見て、党派をこえて、自民党も民主党に積極的に協力するべきです。
自民党には、阪神淡路大震災や新潟県中越地震の復興に、必死で立ち向かった実績にある閣僚や議員が沢山います。
谷垣総裁自ら、民主党政府の災害対策本部に入り、その経験を踏まえて、リーダーシップをとってほしいものです。
災害対策には、学者や官僚の意見だけではなく、政治主導が必要なときもあります。
私は自民党の地方議員に過ぎませんが、長年、大災害における対策に取り組んできただけに、居ても立ってもおれないというのが正直な心境です。
今、政局を考えて行動すると、自民党は国民から見放されてしまいます。